800年後に会いにいく (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 69
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (541ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344427907

感想・レビュー・書評

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  • 就職活動もままならない中、怪しげな求人のチラシにうっかり応募してしまった青年。
    800年後の未来から送られてきたと言う動画の謎を解き明かそうとする。

    東日本大震災後の未来を語る話。

  • 河合莞爾『800年後に会いにいく』幻冬舎文庫。

    これまでの河合莞爾作品とは風合いの違う恋愛SFミステリー。まずはタイトルの『800年後に会いにいく』だ。プロローグに描かれるのは西暦2826年、本編の舞台は東日本大震災後の現代という800年の時間差。如何にして800年後に会いにいくというのか……

    冒頭から興味津々で、心を鷲掴みにされた。今の流行りなのかも知れないが、惜しむらくは表紙イラストがラノベチックであることか。

    物語を構成する大きな謎は800年後の世界に何があったのかということと、現代で起きた原発テロの背景だ。そして、飛田旅人がどのような手段で800年後に生きるメイに会いにいくというのか……それに旅人とマリアの恋の行方が絡んでくる。

  • 素晴らしく読者の想像力を刺激し意表を突きつつ予定調和の世界へ。
    筆者の物語は自分の好みにとても合うようだ。

  • 800年後から送られて来た動画
    そこに映る少女が助けを求めてきた
    『私にスズランを届けて』と・・・


    これだけで私は読みたくなってしまった!



    ページは500ページオーバーですがテンポが良くて展開が気になることから、あっという間に読み終わる!

    タイムマシンの否定 ウィルスの存在の意味 聖書の引用 原子力発電所への反対とエネルギー問題など作者が思う事を登場人物達の言葉を借りて語っているだけかと思いきや・・・


    冴えない主人公の飛田旅人と調理系女子 菜野マリア そして800年後の未来の少女 メイの切ないラブストーリーでSFなミステリー!!!

  • 文庫本の表紙の裏に書いてあった8行のストーリーを読んで、すぐに手に取りました。
    どうやって800年後に行くのか、壮大な設定にとてもワクワクしました。
     タイムスリップ物は、時空の穴みたいな所にいつの間にか紛れ込んで、とか意識失って気づいたら、というのがお約束ですが、このお話では現実的なタイムスリップ方法が書かれていて本当にいつかできるのではないかと思わされます。
     物理、生物、科学、哲学、神話、などなど教科書を読んでいるような難しい言葉が沢山出てきます。ストーリーを追うだけで精一杯でしたので、すべてを理解するために、もう一度読みたいと思います。
     想像していたような結末ではなかったのですが、SFのストーリーではなくより現実的な着地で良かったのかなと思います。
     久しぶりに面白い小説に出会えました。

  • 『娯楽』★★★★★ 10
    【詩情】★★★★★ 15
    【整合】★★★☆☆ 9
    『意外』★★★★☆ 8
    「人物」★★★★☆ 4
    「可読」★★★★☆ 4
    「作家」★★★★☆ 4
    【尖鋭】★★★★☆ 12
    『奥行』★★★★★ 10
    『印象』★★★★★ 10

    《総合》86 A

  • 面白かったです。同作者の別のSFは正直あんまりだったので、失礼ながら、あんまり期待せずに読んだらなんというか、こういい意味で予想を裏切られて。
    普段からSFってあんまり読まないので期待値が低いってのもあるんですが、ミステリめいたどんでん返しもあり気持ちよく読めました。
    原発に対するお話がちょっと説教臭かったのが少し難点といえば難点だったかな。大事なことではあるけど、リラックスして読書を楽しみたいエンターテイメントな気分の時はちょっとそぐわないかな、と。

  • なかなかドラマティックな展開だ。結末が気になって頁を繰るのがもどかしく感じるほどだった。
    しかし、まさかこんな仕掛けがあったとは。
    ある意味、騙されたような気分だけど、そんなに悪い気はしない。
    もっとファンタジックな結末もありなんだろうけど、こんな現実もやっぱり夢があって悪くない。

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著者プロフィール

河合莞爾
熊本県生まれ。早稲田大学法学部卒。出版社勤務。
二〇一二年に第32回横溝正史ミステリ大賞を受賞し『デッドマン』でデビュー。他の作品に『豪球復活』(講談社)、『デビル・イン・ヘブン』『スノウ・エンジェル 』『ジャンヌ』(祥伝社)、「カンブリア」シリーズ(中央公論新社)などがある。

「2023年 『カンブリアⅢ 無化の章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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