- Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344427945
感想・レビュー・書評
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長江俊和『東京二十三区女』幻冬舎文庫。
東京二十三区をテーマにした連作ホラー・サスペンス。
東京の各区にまつわる過去の不幸な事件や因縁などを織り交ぜながら、現在の物語が進行するという構成。最後に主人公の原田璃々子が抱える大きな秘密が明らかになる。驚きも無ければ、納得も出来ず、不満足感だけが残る。
ライターの原田璃々子は、東京二十三区のルポを書くため、自殺の名所と呼ばれる団地、怨念渦巻く縁切り神社、心霊写真が撮れた埋立地、事故が多発する刑場跡など、いわくつきの場所を巡っていた。民俗学講師の島野仁の知識を利用し、東京の黒い噂を取材する璃々子だったが、本当の目的は……
本体価格730円(古本100円)
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面白かったー。
オカルトライターの主人公が、曰く付きの場所を巡りながら東京の歴史についても掘り下げていく。
知らないことがたくさんあって勉強になった。
やっぱり長江さんの本はすごくタイプ。 -
ブクログのレビューを見て、読んでみた一冊。
東京23区を巡る過去の事件や因縁と現在を織り交ぜながら、描かれる連作短編集。
ライターの原田璃々子は、記事を書く為と言う理由で、東京23区の自殺の名所や、過去に何人もが犠牲になった場所を訪れる。璃々子の先輩である島野仁が語ってくれる、各々の場所の蘊蓄が個人的には面白い。
章ごとに、パラレルワールド、対象比、主人公を変えるなど、形式が変わっていることも興味深い。
しかし、璃々子とは別の話で描かれる過去の出来事はホラーで、ホラーが苦手な自分には少し辛いところ。
璃々子が何故23区を巡っているのか、ラストで少し明かされるが、解決はしていないので、もともとシリーズ化を見越しているのだろう。
ホラーは苦手だけど、とりあえず続編は読んでみる予定。 -
この本、ミステリーとあるけどホラーだと思う。東京のいくつかの区の歴史や特徴を織り混ぜながらライターの主人公が巡るストーリー。「渋谷区の女」ラストが不気味で怖くて一番印象に残った。東京の雑学的な歴史はとても面白い(ゴミが堆積してできた陸地が江東区とか、本来流れていた川にアスファルトで蓋をして地上から隠した土地がたくさんあるとか)。主人公と良いコンビの先輩の正体が最後にわかり驚いた。
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2020年、19冊目は、『禁止』シリーズで有名な、長江俊和の連作短編。
ライター、原田璃々子は、大学の先輩で、民俗学講師、島野仁と、東京二十三区のいわくつきの場所を巡っている。それは、オカルト的企画の目的であるが、璃々子には、もう一つ、別の目的もあった。
実話系怪談と、地域伝承等を膨らませたホラー・ミステリーかと思い、あまり考えずに、手に取った一冊。そこは、長江俊和。一編目の『板橋区』の絵馬に書かれた、謎の文言のトリック(ベタ過ぎるでしょ、コレ)以外は、思いの外、「アタリ」感があった。
基本は、璃々子と島野のパートとエピソードとの、パラレル・ストーリーが一つに重なって行く造りだが、『港区』、『品川区』で揺さぶってくるトコも、イイ意味で憎い。
各区の話が独立し、連作短編の形を成している。個人的に好きなのは、実にらしい『江東区』がベスト(オチは珍しく、ちょっとイイ話)。そして、『品川区』で明かされる、大きなフックは、けっこう序盤で気付いちゃったのよね。ソレでも、あまり期待していなかった分、「思わぬアタリ」ひいた感あり。
後、十八区分も書くらしいし、もぅ一つの大きなフックは、そこでやっとたどり着けるのかな?とりあえず、現在、刊行の続編は購入済み。 -
23区をまわりながらある秘密を探っている2人と、それぞれの区で起こる出来事が交互に描かれながら話が進んでいく。
ホラーっぽかったりミステリーっぽかったりと、話によってテイストは変わっていく短編集だった。全編を通じた謎がある程度読めるのは残念だが、それぞれの話で語られる各区のウンチクは面白かった。それがなければ星2つにしてたかも。 -
自殺の名所と呼ばれる団地、怨念渦巻く縁切り神社、心霊写真が撮れた埋立地、事故が多発する刑場跡…。暗い闇に埋もれる謎を暴く裏東京散歩ミステリー。
今は霊でも元々は人間、人の怨念のおぞましさに震える。ひとつひとつの物語は印象的だが、全体の幹となる民俗学講師の秘密というのがいまひとつなのが残念。 -
東京二十三区の『負の歴史』をテーマにしたホラーミステリ。
最後で一応、オチはつくのだが、『二十三区』と題されながら、まだ半分も登場していない。これは続編があるということだろう。取り敢えず、続編が出たら単行本でも買ってしまうかも……。
あと、大田区が登場したら、ネタは大鳥居に一票w