金継ぎの家 あたたかなしずくたち (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344429086

感想・レビュー・書評

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  • 「金継ぎ」をしている祖母と同居している女子高生。祖母が故郷を見たいと言い出し……。母子三代の語り手が変わるのがいい感じでした。それぞれの世代の悩みがあるなあ。

  • 強き者、汝の名は…


    きちんと後悔しているひとって、格好いいなぁ。

    ちゃんと後悔する為には、勇気を出して踏み込んで、そこにあるものを受け止めて精査して、自分のしたことを噛み締めて、
    そこから、出来得ることをすべて尽くして。それでも届かなかったところに、ほんとうの後悔があるんだろうなぁ、と。
    そうして、ほんとうの後悔をしたからこそ、
    その後悔は、ひとに渡せる形になるのだろう。

    継承する、ということを強く感じる物語でした。

    直近に読んだ弔堂/京極の、あの世論と云うか、わたくしの死んだあとの世界、という考え方に繋がるものがあって。
    こういう偶然というか、何気なくテーマが繋がる、みたいなのも本読みの醍醐味ですね。

    単純に、そのときこころに引っかかっているものを映しているだけなのかもしれないけれど。



    ところで三日月堂のときも感じたけれど、時折出てくる非常に女性的な男性像、というのが、苦手。
    なよなよした男、ってわけじゃなくてね?
    なんというかな…女性から見た男性像と、男性から見た男性像の乖離というか…
    いつも、そんな単純じゃねぇって、と思ったりするんだけれど、それだって結局自己弁護なんだよねぇ。だってそう見えてるんだったら、それに対して、負うものは生まれるわけで。
    そんなつもりじゃなかった、というのは…まぁ、通用するところには通用するんだろうけど…うーん。法の抜け道、みたいな気がする、それは。

    きっと男の女の、と云う問題ではなくて、発露の方法が偏る…というか。表面的な部分、仕上げは同じでも、手法が違っている、というか。



    あぁ、綺麗だなと思った柄が、実は丁寧に、丁寧に繕われた傷跡だったりすることも、あるのでしょう。
    その姿はやっぱり格好いいので、☆3.6。

  • おばあちゃんの思い出話を聞いている感じだった。途中、ちょっと飽きてしまった…

    金継ぎの方法や、漆の木から漆を採取するやり方など興味深かった。とても手間と時間がかかり、漆の器が高価な理由が分かった気がする。とても奥が深くて、本物の漆の器が欲しくなった。

  • 金継ぎは、大事なものを修復するとともに、新たなものへとつないでいく素敵な手法。

    三世代の女が、それぞれの生きる時代に翻弄されながら悩みながらも、自分のいいと思える道を見つけて歩き出す。だからこそ出会えたものがある。

    いろいろ心に響く場面があったけれど、結子さんが「ようやく、この人は頼れる、と思ってもらえる顔になったね。」と言われた下りが特に心に残る。私も憧れの人にそう言われるようになりたい。

    なんでも新しいもの、時代が進むことが進化だという価値観が相変わらず根強いけれども、時には立ち止まって、振り返ってみることができることこそ大事にしたい。それがここでは、金継ぎ、漆。進化することもきっと必要でも、深化していくことも同じくらい必要なことなんだよなぁと思いながらこの物語に浸った。

  • 金継ぎの家あたたかなしずくたち(幻冬舎文庫)
    選べなかった道、物に込められた命、癒えない傷をつなぐ感動の物語。
    タイムライン
    https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

  • 10/9発売金継ぎの家
    割れた器を修復する「金継ぎ」。
    モノにこめられた命や癒えない傷をつなぐ感動の物語です。

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著者プロフィール

1964年東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年から刊行された「活版印刷三日月堂」シリーズが話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気となる。主な作品に「菓子屋横丁月光荘」シリーズ、『三ノ池植物園標本室(上・下)』など。

「2021年 『東京のぼる坂くだる坂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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