僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344982888

感想・レビュー・書評

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  • ただ檻の中で喚いてる動物であってはいけない。興味のある分野だけでもいいから知識を身につけて、それに対して自分がこの国、社会を変えるためにできることをやっていきたいなと思いました。それも立派な政治参加。

  • 読み助2012年12月19日(水)を参照のこと。http://yomisuke.tea-nifty.com/yomisuke/2012/12/post-75ad.html

  • 最近チキさんが編著した「日本の難題をかたづけよう」が「社会を変えるための」具体的な行動のための分析手法や行動例を示したものとすれば、本書は具体的な行動のための方針や視点を提供してくれるもの

    全体を通して「いきなり大問題にぶち当たるのではなく、小さくてもいいから一歩踏み出すのが大事で、各人の一歩の積み重ねが大きなウネリになる」といったメッセージが見えた


    以下、わかったことをメモ

    田中角栄内閣
    →族議員、派閥のシステムを創成

    55年体制
    →派閥間の争いといった政局を追えば政治がわかった

    脱成長、低成長
    →パイが減り、今より雇用が流動化、椅子を奪い合って過当競争を国民に強いる

    配り合い→削り合い
    前向きな政治への動員がうまくいかず、引き摺り下ろす動員ばかりが機能する


    あらゆる政策について確認を怠ってはいけない
    新しいものには
    費用対効果、副作用、国民益の視点
    古いものを改訂する際には
    構造要因、制度要因、景気要因

    マスコミは権力の監視役ではなく、拡声器役になっている
    →あちこち回され、専門を深めるのが難しい

    上から目線のグレートリセットではなく目の前に存在する問題を当事者視点を入れて解決していく

    弱者≠弱い人
    →社会のあり方によって、弱らされたままにされている人
    そこの検証が社会全体の不幸を減らす、今よりマシな社会に近付ける鍵

    ナイチンゲール「クリミアの天使」
    →その行動の前提には負傷者の死亡原因を統計的に分析した結果、衛生環境の改善が死亡者を減らすのに有効との結論
    そのエヴィデンスを持って援助を呼びかけるなどした

    「メディアが報じないから広がらない」
    デジタルコンテンツの広まりにより「自分のメディア化」が可能に

    新しい公共(民力の行使)
    「クレクレ型」から「コレヤレ型」へ
    「自分でやり、後ろ姿を見せ、そして、その後ろを政治家についてこさせる。さらに次世代はその姿をロールモデルや反面教師にしてさらに前進する」

    政治に興味が持てない
    「世の中をマシにしていくためにできることがある」
    すべての社会問題に精通し、意見を持つことは困難
    ⇒「シングルイシューでのセミプロ化」(部分的に優れた圧力や情報発信)

    社会運動の究極の目標はそもそもその運動の必要がなくなる社会

  • これからの社会には、あなたのポジ出しが不可欠だ
    この社会はまだまだ前に進むことができる
    という冒頭の言葉に同意したので読んでみましたが、
    内容は些細なことを小難しく書いているだけでした
    ダメだしが蔓延している根源的な理由(歴史とか教育)には一切言及されていないし、未来を語る上で最上位の課題(エネルギー、資源、食糧)にも触れられていない
    上位概念がしっかりしてないと建設的な議論はできないと思います

  • 内容としては「ポジ出し」が押し出されたものではなかったが、むしろ詭弁に頼らずしっかりした事実に則って書かれている。環境を改善する正しいor間違った議論とは、が簡潔に示されていると思う。

  • 反経済成長言説に代表されるある種の宿命論や、生活保護受給者へのバッシングが横行する中で、学説やデータなどを用いて、社会を改善するための思考法とはいかになされるべきかを説いたもの。とはいえ本書は著者が編集長を務める各種メディアで展開されている議論を要約したのがほとんどなので、著者の関わるメディアの言説によく触れている人にとっては物足りないかもしれない。ただ専門知によってものを考えることの入門書としてはよくできているので、本書をきっかけにSynodosなどのメディアに触れるようになってくれるといいと思う。一番悪いのはタイトルだが(笑)

  • 何か問題があると思ったら、採点するのではなく、自分で何か代案を試みて診ることも大事
    包摂
    問題 構造要因、制度要因、景気要因
    食料自給率 分母 国内で流通している食糧のカロリー 分子 その中で消費された国産の食糧カロリーの割合
    期待される報道のあり方 アーカイブ性の強化と相互応答の強化
    頭でっかち 自分好みの構造に変えることで社会はうまくいく
    心でっかち 個人の内面だけに焦点をあてる

    弱者とは、弱い人のことではなく、社会にありかたによって、弱らせたままにされてしまっている人

    2011年 新寄附税制 NPO法の改正 認定NPO法人の寄付した個人は所得税に対して寄付控除できる

  • 発売日は明日(2012.11.30)なのにすでに11人が登録していた。

    NHKの討論番組「ニッポンのジレンマ」での発言の様子を見てファンになり、彼の代名詞となるのではないかと睨んでいる「ポジ出し」の真髄が本書で解き明かされるものだと思って公表されていた発売日の前日にダメもとで行った書店で購入した。

    内容は期待を裏切られた。というか、内容を勝手に想定していた自分が悪い。

    大部分が現状分析で、どこかに書いてありそうなことの復唱で、独自性に欠ける気がした。

    「ポジ出し」が全面に出ている内容を想定していたが、そうではなかった。

    ただ本書は、政治状況の変化を記述し、必要な理念についてまとめ、最後に「あなたはこれから何をするのか」問うことを目的としているといっているので、内容は著者の理想通りのようだ。

    すでに行動を起こしている著者の今後に期待したい。
    (2012.11.29)

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著者プロフィール

1981年生まれ。評論家。メディア論を中心に、政治経済、社会問題、文化現象まで幅広く論じる。NPO法人ストップいじめ!ナビ代表理事。ラジオ番組『荻上チキ・Session-22』(TBSラジオ)メインパーソナリティー。同番組にて2015年度、2016年度ギャラクシー賞を受賞(DJパーソナリティー賞およびラジオ部門大賞)。

「2019年 『ネットと差別扇動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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