大学教授がガンになってわかったこと (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
3.64
  • (5)
  • (11)
  • (5)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 116
感想 : 17
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344983441

作品紹介・あらすじ

一度目の大腸ガンは早期発見し手術もうまくいったのだが、四年後に膵臓ガンを発症。現在抗ガン剤治療中の大学教授が、この二度のガン患者経験を踏まえて、病院を選ぶ時、ベッドが空かなくて入院できない時、セカンドオピニオンがほしい時、執刀医の実力を知りたい時、主治医と合わない時、抗ガン剤をやめたくなった時、いじわるな看護師に当たった時、どう考えどう振る舞うべきかをレクチャー。「先生にお任せ」ではなく、自分で決断する「賢いガン患者」になるための手引き書。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 癌サバイバーである日本語学者が、ご自身の2度の癌手術の体験を通し、
    病院選びを迷った時、主治医と合わない場合はどうするか、
    はたまた、いじわる看護師対処法などなど、
    患者の立場から詳しく書かれているので、
    これから手術を受ける方に役立つ情報がいっぱいです。

    NHKの古典の番組で著者を知り、その天真爛漫なお人柄と解説に惹かれ、
    古典も読んでみようかなぁと思っていたところ、
    この本でサバイバーであることを知り、びっくり。
    「賢いガン患者」のレクチャー、とても参考になりました。

  • 大腸ガンの手術の4年後、膵臓ガンを発症した著者の体験記ですが、とても明るい調子でガン治療にどう向き合うか、病院選び、手術をするか否か、信頼関係が大切、など誰もがとおる道を患者の視点でとてもわかりやすく書いています。

  • http://www.my-cancer.net/cafe/book/bs_008.html
    著者は1943年生まれ。『犬は「ぴよ」と鳴いていた』など擬音語・擬態語などの著作で知られる国語学者、元・明治大学教授。2009年の夏、S字結腸がんが見つかり腹腔鏡下手術を受け、2013年には膵臓がんで開腹手術、その後抗がん剤TS-1による治療が続いた。ご本人が“愚かな ガン患者体験”と言うように、“突っ込みどころの多い闘病記”だが、膵臓がんは発見時に手遅れで、手術も出来ずに亡くなられる方が多い。サバイバー自らの記録として、これは貴重だ。更に膵臓手術の前に、K大学医学部放射線科のK先生のセカンドオピニオンを受けておられる。K先生の御託宣は持論通り「放置しなさい」とのことだった。それが、なぜ著者は手術を受けることにしたのかは興味深い。 蛇足だが、この本の題は「ケモ室に、警報音がピヨと鳴る /なぜ私は心配するのをやめて、膵臓がん の手術を受けることにしたか」にしたら…、売れなかったろうなぁ。

     皆さんこんにちは。店員の山田です。今回ご紹介するのは、「大学教授がガンになってわかったこと」です。うーん、このタイトル、誰が考えたんでしょうか。著者ではなく出版社の人が、少しでも売れるようにとつけたタイトルかもしれません。でも、こんなタイトルではあまり読む気がしなくなるのは僕だけでしょうか。もし、他の人も同じように感じるとすれば、非常に残念なことです。内容はとてもいいのですから。
     著者の山口さんは、わずか数年のあいだに大腸がんとすい臓がんに罹患します。その時の治療経験をもとに、がん患者がより良い医療を受けるため、より賢い患者になるためにどうするべきかを書き記したのが、本書です。大筋では闘病記として時系列に沿った書き方になっていますが、自らの治療体験はむしろ脇役。著者が言いたいことを説明するための実例といった感じになっています。
     ここに書かれていることは、がんのピアサポータとして活動している僕が、普段からがん患者の方に伝えたいと思っていることばかりです。患者はがんについて勉強するべき。医師と良好なコミュニケーションをするべき。治療の中心は医師ではなく患者である自分であるべき。どれも全くそのとおりであり、しかもそれが教科書的ではなく、分かりやすい日常的な言葉で説明されています。
     ただし、ここに書かれていることはいち患者の意見であり、絶対的な真実ではない、ということは忘れないようにしたいものです。著者の山口さんは著名な国語学者だそうです。本のタイトルに「大学教授」とありますが、医学や医療、ましてがんに関係のある分野の大学教授ではありません。
    ですから、内容には反対意見が出そうな部分もあります。医学知識の解説に、やや不十分で、結果として誤解を招きかねない部分もあります。そこは読み手が気をつけなければいけません。医療情報として読むと、内容に不正確な部分があるのはすべての闘病記に共通する注意点なのです。

  • 2人に1人はガン患者の時代、お任せではなく患者が病院や治療法などを選択しなければならない時代に、反面教師として、自分の患者体験・決断の理由と経緯を書き記す。

    先生たちのあだ名とか、心の中で思ったこととか、語り口がとても上手なので、なるほど、と共感しながら読むことができました。

  • 当たり前に来るはずだった明日がもう来ないかもしれない。私たちに「ガン」が突きつける残酷な現実。しかし,どんなに辛く苦しくとも,自分が置かれた状況を客観視し,時には冗談を交えながら困難に立ち向かう様子からは,不思議と元気がもらえる。ガンに限らず,種々の窮状に喘ぎ,選択に迷う人にも読んでもらいたい一冊。

    *推薦者(教)M.S
    *所蔵情報
    http://opac.lib.utsunomiya-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB15272504?caller=xc-search

  • 配架場所は、闘病記文庫 請求記号 493.465//がん//60

  • 日本語研究者は文章がド下手、であるのがほとんどなのだけど、山口先生は、奇跡的な例外だ。しかし、これだけ情報を小出しにされると、コウベエ先生も特定されるだろうな。そういう点では、ちょっと意地悪だけど、因果応報でやむを得ないと思う。

  • 『古典不要論への反撃!?書評劇場』から。

  • 大学教授の山口氏が、大腸ガンと膵臓ガンになってわかったことを詳しく、そして比較して書いている。
    特に病院や担当医を自分で調べて決めることが詳しく書いてある。ガン治療には病院選び、名医選びが大切だと感じた。

全17件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

一九四三年生まれ。お茶の水女子大学卒業。東京大学大学院修士課程修了。文学博士。埼玉大学名誉教授。文化功労者。古典語から現代語までの日本語の歴史を研究。特に『犬は「びよ」と鳴いていた』(光文社)、『ちんちん千鳥のなく声は』(大修館書店)など、擬音語・擬態語の歴史的研究は、高く評価されている。論文「源氏物語の比喩表現と作者(上)(下)」で日本古典文学会賞、『平安文学の文体の研究』(明治書院)で金田一京助博士記念賞、『日本語の歴史』(岩波書店)で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。また、「日本語に関する独創的な研究」が評価され、二〇二二年に日本学賞を受賞。二〇〇八年紫綬褒章、二〇一六年瑞宝中綬章を受章。

「2023年 『日本語が消滅する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山口仲美の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×