- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344983700
感想・レビュー・書評
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すごく分かりやすかった。中東の複雑さはぱっと見かなり難解だが、イラク、イラン、シリア、トルコ・・・そしてアメリカ。それぞれに過去どういう経緯があって、それがどう今に至るのかが理解出来る。
今私がこの状況を知ったからといって、世界の何が変わる訳ではないのだけど、でも知らないでただ気味悪がっているよりはいい。
それにやはり歴史は興味深い。利権、国と国との微妙な力関係、民族意識。テレビでボンヤリと見ていたそれぞれのニュースが、実はすごく身近な争いの感情から生まれていること、そしてそれらは別々の事件に一見見えても実はどこかで繋がっていること。
読み進めるにつれて、パズルが解けていくようだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中東の歴史や情勢に全く知識のない私でも分かりやすい文章で、ISILと周辺の状況がどういうものなのかを知る、足掛かりになりました。更に知る努力をしたい、しなければと思わされました。
宗教、宗派、民族、歴史、外交。平和を取り戻し、維持していくには、あらゆる視点からの、多くの努力が必要なのだと、気の遠くなる思いです。 -
タイトルに「野望」とあるが、イスラム社会の現状を分かりやすく解説されています。
再度読み返してみたいと思います。
それにしても多くの国、民族、宗教派閥の対立が複雑だ。
第一次大戦後の「サイクス・ピコ協定」によるオスマン帝国の解体。対立の原因はここにある。 -
中東のそれぞれの国の歴史、文化、民族、宗教が複雑に絡み合っている。また、その支援国として米国、ロシアが何かしらの援助をしている。そんな中で、日本は中東での評価は悪くなかったことがよく分かる。しかしながら、それを安部首相がぶち壊したのは残念過ぎる。
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2015/2/14読了。
先日読んだロレッタ・ナポレオーニ『イスラム国 テロリストが国家をつくる時』は「イスラム国」そのものに焦点を当てて詳説した本であったが、本書はその周辺の中東情勢を理解するための大前提の知識まで含めて、大変わかりやすくまとめてある本だった。日本の素人向けの本当に易しい入門書といった感じで、実に新書的な新書と言える。こっちを先に読んだほうがよかったかもしれない。
こんなに分かりやすく書いてくれているのに、まだややこしくて分からないことがある。中東情勢の何と複雑なことか。
また、本書の刊行日は奥付によれば今年の一月末だが、脱稿時点では日本人人質殺害事件はまだ起こっていなかったものと思われ、言及がない。この問題の状況変化の何と速いことか。 -
連日のニュースでの高橋和夫さんの解説がとてもわかりやすかったので、著書を読んでみようと思い、手に取りました。
いくつもの国が分裂し、立場がころころ変わる、わかりにくい中東問題を、わかりやすい順番で、わかりやすい言葉で書かれているので、ほとんど何も知らなかったわたしでも理解できました。 -
2015/2/2読了。
昨年、宗教問題に少し興味を持ち、ユダヤ、イスラムの事を少し理解した気でいたので現在の問題も把握しようと購入。
事前に知識がなければわからないような言い回しの部分もあったが、総じてわかりやすい内容。
むしろ、私が「事前に勉強しておいてよかった」というような部分は一般的には常識なのかもしれないと思った。(イスラエル、パレスチナの違いとか)
最後の項の「日本のとるべき独自の道」が少し切ない。 -
偶然なのか、必然なのか、
それとも、便乗なのかはわかりませんが…、
イスラム国による日本人人質事件に関する、
最初のビデオメッセージが流されて以降、
イスラム国関連の書籍が、たくさん発行されています…。
それは、イスラム国に対する日本人の関心が、
急速に高まってきた、ということなのかもしれません…。
戦場ジャーナリストの本懐が、
異国の紛争地域に対して関心を持ってもらうことならば、
今回の事件の結末は、とても残念な結末となりましたが、
ほんの一縷の救いは、残ったのでしょうか…?
今回は、最近発行されたイスラム国関連の書籍について、
その目次に一通り目を通して、本書を選んでみました…。
選んだポイント(私の関心)は、
・イスラム国とは何か?
・イスラム過激派とは何か?
・その歴史的背景は? です…。
ほとんどの書籍が、これらを、ごちゃ混ぜで論じており、
また、背景も、2000年以降の状況に限られていますが…、
本書では、それぞれ独立して章立てしており、
特に、第一次世界大戦(1914年)から続く100年史は、
現在の、中東地域の因縁と問題の本質、を理解する上で、
とても分かりやすかったです…。ここ、ポイントですね!
何よりも、本書は、ホントに、とても分かりやすいです!
そのポイントは、2点です。
1点目は、複雑な枝葉の部分を極力省略し、
大事な幹の部分のみに絞り込んで解説している点です…。
学者や専門家は、どうしても、枝葉の部分に話が飛んで、
複雑すぎて、全体像が理解し難くなる傾向がありますが、
その点、本書は、とても理解しやすい構成、内容でした。
2点目は、とても平易な文章で、書かれている点です…。
学者や専門家は、どうしても専門用語やデータを多投し、
論文的な文章になり、理解し難くなる傾向がありますが、
その点、本書は、「わかりやすく、もっとわかりやすく、
さらにもっとわかりやすく」のモットーで書かれており、
実際に、本書は、とても理解しやすい文章、内容でした。
その結果、読み始めると止まらなくなり、
読むペースの遅い方でも、数時間もあれば読破できます!
読了後は、問題に対する理解力も格段に上がりますので、
今後のニュースが非常に分かりやすくなると思います…。
本感想の冒頭で、
偶然なのか、必然なのか、便乗なのかと問いましたが…、
本書について言えば、「偶然」なんだろうと思います…。
本書のアップデート(最新情報)は、
フランスの新聞社シュルリー・エブド襲撃事件までです。
日本人人質事件については、一切触れられていません…。
ゆえに、本書の最後の1ページは、
日本のジャーナリストの取るべき道を説いていますが…、
今となっては、空虚な締めくくりとなってしまいました。
後世、今回のイスラム国による日本人人質事件は、
大きな転換点の1つ、と論じられるかもしれません…?
少なくとも、新しい局面の始まりでしょう…。
今後の推移を、正しく理解していくためにも、
本書は、良書としてオススメできると思います…。 -
今、引っ張りだこの高橋和夫氏の著書。簡明でわかりやすい。イスラム国関連で最初に読むのに適した一冊だと思う。
第一次大戦後の中東地域の歴史もざっくりとおさらいし、どういった人々が集まりイスラム国を形成したのかがわかる。
イスラム国関連のニュースがだいぶわかりやすくなる。