子どものまま中年化する若者たち 根拠なき万能感とあきらめの心理 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344983878

感想・レビュー・書評

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  • イマドキの問題を分かりやすく解説してくれる本。当事者目線で読んだら、答えが出てそうな事を答えに収束させないまま書かれてるようなもどかしさがあった。外へのゲートが書かれてないテーマパークの地図みたいな、、

  • 最近の若者は、、、いったいどうなっているんだ、、、論は、
    遥か昔から繰り返されてきたものですが、その結論は、だいたい「けしからん」です。
    あまり建設的なやり取りとは、言えません。
    人間の社会は万事、変化があって、その変化のど真ん中にいる若者と、
    もう変化できない人達の差異と違和感が、若者論を作り上げる一つの要因だと思います。
    この本の著者は臨床医の経験が豊富だけに、若者の心理的観察は、かなり上手です。
    もちろん批判をしていますが肯定もしています。
    温かいまなざしを向けているという表現が適切かもしれません。
    珍しい建設的な若者論になっていると、個人的に思いました。

  • 真摯に自分の道を模索する若者がいる一方で、著者の指摘するような若者は確かにいる。大人の側から見てとらえどころがないのである。反射的反応、エネルギーの低下と著者はとらえているが、何が若者をそうさせるのか。若者の「若さ」はどこに行ったのか。

  • 60年代と違い欲しいものは簡単に手に入るようになり飢餓欲がなくなった現代の若者について記載。

    良くも悪くも、今をこの日本で生きるという現実主義になったということらしい。

  • こどものまま中年化する若者たち

    現代の若者はこの二極に分かれる。「植物化する男子」「くらげ化する女子」
    「植物化する男子」とは動く範囲が狭く、人とそれなりの距離を取り、木津つくのを恐れ、自分の世界からでようとしないような男子を指す。
    「くらげ化する女子は」目の前の相手だけに反射的な反応をし、断片的な関係性で日々いきている若者のこと

    「ある程度、情報量が増えてくると、ある部位の脳の活動は活発になるが、さらに情報量を増やしていくと、脳の活動は突然止まってしまう。快い刺激に関しても、量が多すぎると反応しにくくなることがある」

    情報疲労症候群:過剰な情報を吸収し処理しようとすることによる心理的ストレスが判断力や記憶障害、不安やうつなどの症状になって現れること

    若者の今の会社に一生努めたいかというアンケートの結果、約55%の人が一生勤めたいと回答。これは若者が保守化している証明であり、いまの社会で要望されている自発的に勤める人材とは真逆の傾向である。

    精神性の喪失。明日は今日よりも良くなるということよりも現状とあまり変わらないだろうという思考。世の中から理想像が消えることで、若者が理想像を描くこともなくなった。

    青春とは未来へ向かい、苦しみと希望に満ちた脱皮のプロセスそのもの

    いきていることに対する手ごたえ。リアルなものへのつながりの欠如

    10歳までの育てられ方が一生のベースを作る。

    体で覚え、外界に働きかけて何かできるようになるという体験。

    いろいろなシステムが用意されているということは、それを利用できるということであり、一気に自分の世界を広げることができるということに等しい。

著者プロフィール

青山渋谷メディカルクリニック名誉院長

「2019年 『悩む子どもを育てる親 子どもの才能を伸ばす親』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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