- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344996052
作品紹介・あらすじ
土蔵の中での不思議な出来事から紐解かれるある時計店一族の愉快で懐かしい昔話。舞台は、東京、名古屋、中国、ニューヨーク…。そして、明治・大正・昭和・平成を一気に疾走する。どこかに忘れてきた大切な何かをもういちど思い出させてくれる台詞の数々。可笑しくて、時に切ない人情寓話。
感想・レビュー・書評
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土蔵の中での不思議な出来事から紐解かれるある時計店一族の愉快で懐かしい昔話。
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2013/10/03
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時計会社、株式会社ホッタの3世代前の社長である堀田八二朗氏の波瀾万丈の人生をモデルにしたファンタジー。
話は現代から始まる。オカリナ奏者である俊雄は、父の病気を機に社長就任を迫られる。そんな折、名古屋の会社の土蔵で地震に遇い、閉じ込められ、曾祖父、禄造に出会う。
そこから、明治生まれで、大正、昭和の激動記を生きた禄造の物語が進んでいく。
著者の竹内さんの本業は映画脚本家。文を読めば、情景が浮かぶ。小説として成立させると同時に、映像化への「色気」もあるのだろう。
舞台が現代の中国、ニューヨーク、戦時下の名古屋。象に、時計屋のビラをまく飛行機も出てくる。
また、竹内さんが好きな落語も重要な要素だ。落語家も重要なサブキャラクターとして登場するし、落語の「本歌取り」もある。落語好きなら、元ネタはこれだなと一人悦に浸ることもできるだろう。
血と時間の物語ということを考えれば、竹内版「ゴットファーザー」とも言えるかもしれない。もちろん、血で血を洗う抗争はないんだけど。読後、「竜頭を巻く」ような腕時計が欲しくなる小説だ。 -
表紙と帯に惹かれた本でしたが、内容も思った通りなかなか面白くいい本でした。
タイトルの 風流時圭男 にゲロゲーロ が隠れているらしいのだが、、
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ミュージシャンとして生きるか、病で倒れた親の会社を継ぐか迷う主人公が、曾お爺さんの幽霊に会うという話自体はどうということも無いのですが、出てくる男たちの中途半端ぶりとは対照的に、女たちがどれも腰の据わったイイ女でね。そこだけでも読む価値はある。
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ミュージシャンの俊樹は父の突然の病で会社を継がなければならなくなる。嫌々出かけた創業の地の倉に閉じ込められ創業者の曽祖父(幽霊?)に出逢い、曽祖父の一代記を聞くこととなる。これは実在したモデルの自叙伝を元に創作された小説。明治・大正・昭和の激動の時代を時計商として活躍した男の話だが、企業の継承問題を描くビジネス書として読んでも面白い。