その子育ては科学的に間違っています

著者 :
  • 三一書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784380072208

感想・レビュー・書評

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  • 「子ども中心主義」の子育てが子どもの心を荒廃させ「すぐにキレる子ども」たちを大量に生む原因となった。

    『スポック博士の育児書』1966年秋。の導入からスキンシップという和製英語をつくり、日本独自の「子ども中心の育児法」がスタートしたと。

    キレる子どもになるかどうか分からないが、アメリカなど外国とは状況がちがうという説明や脳の仕組みからの解説は、なるほどなという感じ。

    授乳間隔は、親たちが決めようという内容は、同意かな。三つ子を育ててると、こちら(親側)のペースじゃないと成り立たないので。欲しがる時に欲しがるだけのやり方はママたちを追い詰めてしまっている気もしている。

  • この本の内容は、・眼窩前頭皮質という脳の一部が、我慢する機能と密接なかかわりを持つ。・この部分の臨界期は3歳。つまり、3歳以降この部分の発達は期待できない。・授乳の量、時間を規則正しく行わないとこの部分が未発達となってしまう。昨今のはやりの卒乳などもってのほか。・いい加減な授乳で育てられた子供は、我慢する能力に欠け、この欠陥は成長後も保持される。キレる子供の多くはこのパターンである。 脳についての研究は定説が覆されることも多々あるため、ここに書かれていることが絶対的とはいえないだろうが、乳幼児を持つ親としては捨ててはおけないセンセーショナルな提言である。「三つ子の魂、百まで」とはよく言ったものである。

  • 2015 10 11読了

  • *日本で社会問題となった”すぐにキレる子ども達”はこども中心主義の育児が原因にある。こども中心主義の育児をしていない他国ではこのような子ども達はあまりみられない。もしくは、以前アメリカにも見られたが、育児法を根本的に変えるよう行政が主導権を握って指導したことで大きく減少した。日本でも戦前は厳しい子育てが主流だったが、そろころには”すぐにキレる子ども達”はいなかった。
    ☆日本特有の”こども中心主義”の育児は、大きな誤りである。”こども中心主義”の育児とは、”泣いたら素早く対応しないと欲求不満の子になり、情緒不安定な子になるおそれがある”という考えに基づいており、”母乳やミルクの授乳はほしがる時にほしがるだけあげる。抱っこもおんぶも添い寝もこどもが望むだけしてあげる。抱き癖などは心配することはない”など。

    ☆子ども中心主義の育児を改め、自己抑止力(断念すること、我慢すること)のトレーニングを3歳までに完了しているべきである。特に0歳児のトレーニング(しつけとは別次元)が大切である。なぜなら、0歳児は記憶力が未発達のため、欲求不満を感じてもそれが後を引かないためである。1歳児以降は記憶力が発達して欲求不満から反発心が生じ、反発心が芽生えてくる。それでも自我が芽生えてくる1歳児移行にもきちんとトレーニングをし、3歳ごろまでには自己抑止力がついているようトレーニングする。トレーニングの際、愛情、子どもとの信頼関係があるのは基本前提である。



    。。みたいな感じ。

    まー突っ込みどころも満載なんだけど、一理あるところもあるんだろうな。

    個人的な解釈としては、当たり前だけど、子どもに振り回されすぎず、親としての威厳を持ち、きちんと教育していくってことなんだろう。

  • ずっと前に図書館で借りて読んだ。
    脳の構造についての説明が分かりやすかった。

  • 教育講演・研修で受講者の共感を呼び、支持者も多い著者(医学博士)が、保護者・教育関係者の熱い要望でその内容を一冊にまとめたニュータイプの「科学的な子育て法」の解説書です。
    現在、日本では、年間3万件をこえる「キレる子ども」による校内暴力が発生し、低年齢化して小学校での発生率増加がもっとも高くなっています(文科省調査)。その上14万人の不登校、62万人のニート、160万人の引きこもりがいます(!)。この膨大な数を発生させている原因に本書は科学的なスポットをあてました。これらの子どもに共通している問題点は、「子どもの耐性低下」にリンクしている脳の「自己抑制力の脆弱性」です。脳の自己抑制力(自制心)を司る前頭前野の一部である「眼窩前頭皮質」の発達の臨界期は意外に早く、3歳までにほぼ完了します。したがってそのことを考慮した子育てが重要ということになります。本書では生直後から思春期(反抗期)の終わる18歳ころまでの子育てについて、時系列にそって解説していきます。
    ひとたび身勝手、すぐキレる、共感性・思いやりがない、暴力的などの特徴があらわになると、対応が極めて困難です。たとえばあの「すぐキレる」子の代表ヘレン・ケラーの教育=矯正に何度も挫折しながらすさまじい努力を続けてついに成功した「奇跡の人」のようなアニー・サリバン先生を、現在の学校や家庭に求めることは実質、不可能です。アメリカで開発されている教育プログラム「セカンド・ステップ」にせよ、改善率の歩どまりは50%程度にすぎません。いずれにせよ、「キレる子」や引きこもる子になってからの対応は大変な労力と困難と犠牲を伴う、家族にとっても負担が大きな仕事となります。
    そしてまた、「だれでもよかった」殺人などの異様な青少年犯罪、企業に就職してからも身勝手な言動でトラブルを起こしつづける新人世代の問題、子どもたちの「学力」国際ランキングの予期せぬ著しい低下、学級崩壊・小1プロブレム――などなど、これらの根本原因には、やはり子どもたちの「自己抑制力の脆弱性」が存在しているといわざるをえないでしょう。子どもの「我慢」や「忍耐」や「やる気」を育むためにも、十分な愛情とともに、間違いのない「科学的な子育て」の英知が必要です。そのトレーニング法や対応策をわかりやすく本書ではまとめました。
    すべての人の目からウロコの話題作、子育て本のロングセラー、ただいま5刷りへ!



    通り過ぎてしまったことを言われても。。。
    というのがあるのが実感でしょうか。
    まっ、色々あるけれど、これが正解!
    というものは子育てにはありませんから、これからの見本になるような子育てをしていきたいものです。。。
    参考にできるところは、しっかりいただきながら。。。

  • 辛らつなこともかかれてありますが、わかりやすく的を得た解説です。
    年代別に書かれてあり 子育てに迷いのある方におススメです。

  • 言ってることは単なる年寄りの愚痴にすぎないが、常識的でごもっともではある。しかし、スポック博士の本が60年代に出てから子供中心主義とでもいうべき子育て法が主流となり、それ以降キレやすい子や引きこもりがどんどんでているから昔の子育ての方がいいのだ、というのはどうかと思う。TVの普及によるのかもしれないし、食生活の変化によるかもしれないし、何とも言えないだろうとつっこみたくなる。「脳科学」を振り回した主張も目立つが、「XXという機能は脳の○○が重要な働きをします。だから○○を鍛えましょう」というのは単なる言い換えに過ぎない。結局は昔ながらの子育てへの回帰、それがないとspoiled child になる、ということで、たとえば何かあればすぐに叱る(後で言っても何のことか子供には分らない)とかお尻を叩く(年長児なら夕食抜き)とか本の読み聞かせをする(そして終わった後で解釈を与えず、子供の判断力を育てる)など、ありきたりのことばかり。靴を揃えるなどの「しつけ」と人として大事なことの「教育」を混同せぬように、というのはその通り。

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