- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784385365657
作品紹介・あらすじ
明治・大正・昭和の激動の時代を、熱く、ひたむきに、やさしく、おおらかに、誇り高く生き抜いた、日本近代文学史・思想史に名を刻む女性たちの生きざまが鮮やかに甦る。
感想・レビュー・書評
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7人の女性作家の中でも、林芙美子の紹介文がとりわけタメになった。
『放浪記』や芙美子の詩から、お花畑とは程遠い毒を目の当たりにすることができるのは、彼女がひねくれ者だからではない。
「衣食住も満足できない貧乏のどん底にあえぎ、頼りにしていた恋人にはふられ、その後もいく人かの男性に裏切られ続ける」
東京に上京してからの苦しい経験を味わっているからこそ、現代の読者の心にも響くような「飾らない本音」が作品に反映されているのだろう。
人間だけでなく、富士山や神様にも堂々と悪態をつく芙美子は、まさに勇者である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ショッキングピンクの表紙が、勿体無いと思うくらい、落ち着いた内容。
7人の文学に関わる女性たちが、どう生きたのかを分析した本。
私はちょうど、フェミニストたちがどんな時代を生き、どんなことを考え、どんな活動をしたのかを知りたかったので、
面白く読ませていただいた。 -
【森の中の図書館大賞 ノミネート作】
与謝野晶子目当てで読んだのですが、他の人達も圧倒されるような生き様でした。これが女脳パワーか!
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
タイトルと装丁から、トンデモ系の本かと期待していたのですが…内容自体は至ってある意味普通。
女性作家について知識が少ない状態で接し、入門書として扱うのであれば、ね。
そことは違う視点で、著者のセンスは一見の価値はあると思います。
「女脳」なるものを引っ張り出してきたからには、脳科学を不思議な解釈をして応用しているのかと思いきや、そういうレベルにも達していません。
ジェンダーに関しても、基本的な部分で何か違う解釈をしているように見受けられます。
セクシュアルマイノリティに対する考え方も、ちょっとずれているように受け取れます。
ただしこれからは、世間一般としての理解の仕方としては問題はないレベルかも知れません。学者としてはどうなのだろうかという疑問が出てくるだけです。
現在の理論で読み解くだけではなく、現在の感性を当てはめて解説したりしますが、これってさじ加減を間違えると困ると思います。
著者の語り口からは、建前として男女平等を口しながらも、感覚的には「男は男らしく、女は女らしくあるべき」としている一般的な人々と、基本的には同じ姿勢でいると感じられました。
ある意味「普通」な文学者入門編ですが、「普通」なだけに引っかかりを多く感じてしまいました。 -
明治〜大正時代に活躍した7人の女性作家を取り上げている。
晶子の源氏物語の原稿は震災で消失し、その十年後に再度書き始めたとか、一度らいてうが良いとこのお嬢さんだったとか(美人だし)、みすゞの結婚生活と最期とか、作家の人生を知るのって面白い。ドラマチック。
彼女らの作品をほとんど読んでいないというのがアレなんですが。(金子みすゞと教科書に載っていた与謝野晶子ぐらいしか知らない…)