1万円の世界地図 (祥伝社新書)

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  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396110635

感想・レビュー・書評

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  • 1万円がどういう価値をもつかを様々な視点から分析した新書。
    しかし、タイトルの1万円の価値については、最初の部分だけで、全体としては統計的に各国間の経済格差や生活の質、教育水準、幸福度などの分析となっている。全体を通じて、格差に対する問題意識をベースにした著作であると思える。1つの事象について原則見開き2ページのみの解説にとどまるため、どちらかというと雑学本である。

    とはいえども、各国のマクロ経済指標などの資料としての価値もすてがたく、ビジネスにおいて参考になることはあると思う。

  • レビュー省略

  • 地図

  • 日本人の労働時間は1789時間(2004年)。これには正社員だけでなく、パートタイム労働者も含まれる。GDPを総労働時間で割った労働生産性は対アメリカで0.70で、OECD30か国のうち20位。

    アメリカのフリーダムハウスが発表している「世界の自由」は、政治的権利40点、市民の自由60点で評価されており、日本は192か国中52位(2006年)。

    UNDPが開発した先進国を対象とした貧困指数(HPI-2)は、60歳までに死亡する割合、機能的な識字能力、相対的貧困率、長期失業率を用いており、日本は11位(2005年)。※人間貧困指数(HPI)は、2010年以降、Multidimensional Poverty Indexに替わった。

    <最新の統計>
    日本生産性本部:労働生産性
    フリーダムハウス:世界自由度指数

  • 世界は広いな。知らない事がまだまだたくさん。

  •  1万円の価値を、昔と比べる。外国と比べる。そういうところから、統計データに「実感」を込めようという試みは、大成功だと思う。世界第2位の経済大国とか、いやいやウサギ小屋住宅&カローシの国だとか、いろんな「イメージ」を、統計をもとに検証していく。
     いろーんなデータを幅広く集めて、おもしろい読み物になっている。首をかしげるのは、日本の中の格差を扱った5章と、国内の犯罪や事故などを扱った6章。だけどむしろ、疑問に感じることによって、同じデータでも「取り方次第」という側面が出るのが、よくわかって興味深い。

  • 逗子図書館

  • 世界各国と日本の、政治・経済・文化に関わる統計を比較して、その順位から各国の位置付けを考える本。
    日本に居ると、世界各国との比較で、結構良い暮らしをしている印象があるが、意外と、経済的にも自由度的にも、思っていたほどではない様子。

  • 情報元が明記されているのでデータ本としては機能するし、編輯も見やすくて便利。大学一年生の春に配布すれば、彼らの4年間に何らかの影響が期待されるのでは、という気がする。

  • 全体的な本の評価としては残念ながら高くはないのですが、昔から知りたいと思っていた日本の技術貿易が黒字となっているカラクリ(p151)について実際のデータとともに解説してあった点はとても良かったです。

    それ以外の項目については、少し誤解を招くデータの紹介もあったような気もします。

    以下は気になったポイントです。

    ・2006年6/26にウォーレン・バフェット氏は、370億ドル(当時:4.3兆円)をビルゲイツ財団に寄付すると発表した、世界60位であるクロアチアのGDPと同額(p78)

    ・世界100傑の大富豪に日本人はいないが、世界にいる870万人の富豪(金融資産:100万ドル)のうち、アメリカ人:267万人(31%)、日本人:141万人(16%)である(p82)

    ・日本国民の平均寿命は世界一(81.9:男女合計)だが、スワジランドでは、33歳、アフリカでは40歳以下の国も多い(p109)

    ・日本の技術輸出:1.76兆円、輸入:0.56兆円@2004だが、輸出額の73.4%からは海外の子会社から日本の親会社への支払い、これを除くと、輸出額:0.47兆円、輸入額:0.48兆円で輸入が多い、アメリカは482億ドル輸出、200億ドル輸入で、差し引き:282億ドルの黒字(p150)

    ・日本の大学進学者数は92年の79万人から06年の69万人と減っているが、大学進学者(短大除く)は増加している(p162)

    ・貯蓄、株等の金融資産を1億円以上保有する金持ち世帯は、2005年時点で86.5万世帯、全体の2%だが、資産総額(213兆円)は全体の18%(p194)

    ・日本における給与所得者数は、4494万人(男性:2274)で、平均給与額は、男性:538、女性:273万円(p196)

    ・東大生の13.9%は、年収450万円以下の世帯出身(p213)

    ・初婚年齢は男:29.8@2005、28.5@1995、女性:28.0@2005、26.4@1995であり、男性の生涯未婚率は、15.6%(7.2)@2005、6%(4)@1990である(p249)

    2012年2月12日作成

  • 20111007読了 10月の通勤読書?

    図、表、グラフと解説がセットになり簡潔にまとめられている。様々な指数がだされ非常に参考になった。…のは前半戦。
    後半戦はなんだか脱線気味。経済格差の本かと思いきや、日本の社会格差の話にすり替えられている感がある。

    各国の可処分所得の統計ページでは、著者が迷走しているところがあった。可処分所得の割合が高い=税率低い のはずなのに…。

    あとデータは水物。都合よく操作できちゃうのねん。説得力に欠ける箇所もあり★×2っす。

  • ページのデザインが見開き二ページで毎回完結してて、ざっと、みれてよいです。

  • 世界における日本の地位低下は感じていたが、改めて考えさせられた。下を見て優越感に浸るか、上を見て切磋琢磨するか、日本人のアイデンティティーが今試されている。データブックとしても貴重な一冊。

  • ざっと流し読み。

  • スイスやアイルランドが思ったよりも良い順位につけているなど、
    統計を通して各国に対するイメージが変わりました。
    ただ、2005年のデータが多いので、リーマンショックによって変わったところも多いのでしょうが・・・

    結論、日本は格差はあっても幸せな国なんだよ、ということなんだと思います。

  • 1万円で何が買えるか? 日本はもう豊かさのトップグループにはいないけど、ずっと貧しい国々はたくさんある。トップにいる必要はないけど、世界中の人々が僕らと同じ程度の豊かさを享受出来たらいいと思う。

    世界では5人に一人が3ヶ月を1万円以下で暮らしている、というのが現実。ただ、この本は先進諸国と日本との比較が主で、世界の富の偏在に核心的に迫っているわけではないのが残念。

  • [ 内容 ]
    いま、世界では5人に1人が1万円で3カ月暮らしている。
    豊富な統計(データ)から見る貧困と格差。

    [ 目次 ]
    一章 世界の街角で一万円を使う
    二章 世界と日本の賃金・購買力を比べてみた
    三章 世界に拡がる格差問題を知る
    四章 日本の実情と実力をあからさまにする
    五章 日本の格差の本当のところを知りたい
    六章 日本人に生まれて幸せか

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 1万円がどういう価値をもつかを様々な視点から分析した新書。<br />しかし、タイトルの1万円の価値については、最初の部分だけで、全体としては統計的に各国間の経済格差や生活の質、教育水準、幸福度などの分析となっている。全体を通じて、格差に対する問題意識をベースにした著作であると思える。1つの事象について原則見開き2ページのみの解説にとどまるため、どちらかというと雑学本である。<br /><br />とはいえども、各国のマクロ経済指標などの資料としての価値もすてがたく、ビジネスにおいて参考になることはあると思う。

  • 090615

  • 世界との格差・日本国内での格差がわかりやすくデータ化されている。世帯の平均貯蓄額が1500万円という数字に違和感を感じたが、分布別に見ると、貯蓄額ゼロの世帯がなんと約4分の1もいる。つまり、一部の高額貯蓄者によって、平均値が引き上げられている。格差。

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著者プロフィール

佐藤 拓(さとう たく)
明星大学心理学部 准教授
東北大学大学院文学研究科人間科学専攻心理学専攻分野博士課程修了。博士(文学)。
日本心理学会,日本社会心理学会,日本パーソナリティ心理学会などに所属。専門は社会心理学,応用認知心理学。
著訳書は,『嘘と欺瞞の心理学:対人関係から犯罪捜査まで 虚偽検出に関する真実』(共監訳,福村出版),『嘘の心理学』(分担執筆,ナカニシヤ出版),『現代のエスプリ:嘘の臨床・嘘の現場』(分担執筆,至文堂)など。

「2021年 『「隠す」心理を科学する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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