ゆび (ノン・ポシェット し 10-1)

著者 :
  • 祥伝社
2.78
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本棚登録 : 385
感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396327002

感想・レビュー・書評

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  • 面白い!

    非現実的なのでリアリティーは皆無ですが十分楽しめます。

    “ゆび”怖すぎ。

    ラストは怖すぎて…

    悪意の無い人間でいたいものです。

  • シリーズ2作目と3作目を先に読んで、訳が分からず、もどかしかった。慌てて1作目と4作目を購入・・・つながった❣

    ゆび。人差し指だけが人に見える。考えてみると、人差し指だけでできることはたくさんある。それに、この人差し指は意思を持っている。人がココロで思うこと、頭の中で考えることを理解して、やりたいことに背中を押すような行為をする。最初に現れたときは、横断歩道のボタンを押した。楽しそうに。その後、エレベーターのボタンを押した。最初のときは、それを見て怖くなった女の子が逃げた。翌日、同じボタンを押した。エレベーターで上った人が自殺した。自殺したかったのだろうが、いざとなると誰でも躊躇する。別れ話に逆上した女性がつかんだ消火器の先を抑えて、復讐を助けた。階段を下りている老女の背中を押した。老人が死んだ。することがだんだん狂暴になっている。階段で亡くなった老女は、サラ金と組んで詐欺を働いていた。消火器の女性は男性を恨んでいた。一時的であるにせよ、復讐心を持った。でも電車の乗客や飛行機の乗客・乗員などは無差別だろう。殺人を面白がっている。
    パソコン好きの中学生がゲームを作った。それを悪用した邪気がいる。気持ちだから姿がない。邪気は医者に入り込んで姿形ができた。そんなところだろうか。医者は、不幸な気持ちを抱く人たちを殺した。ゲームに登録して遊ぶために。そのゲームは現実世界に直結して、指が遊び、そして不幸な気持ちの人を代弁するようになった… 不幸な気持ちなんて、一時的なこともあるのに。
    上村はたどり着いた。パソコン好きだった中学生に。自分の妻が不満も持っていた事実に。妻は邪気にさらわれ、医者は死んだ。上村の愛は妻を救うことができるか。
    人は心の中で他人を嫌ったり、恨んだりする。一瞬であってもそういう感情を持つことがある。あの人が消えてしまったら、死んでしまったら・・・と思うのは、それが実現には至らないと分かっているから。その感情の通りになったら、逆に恐ろしいだろう。それを実現したような感じだった。お話の中だから怖くない。
    シリーズであることを明記して欲しいな。
    電子書籍版。

  • 自殺するためにエレベーターのボタンを押そうとしながら押せずにいる。その時どこからか現れた指がボタンを押す。
    不倫相手から別れを切り出され、その男が勤めるデパートの非常ベルを押そうとしながら押せずにいた。その時現れた指が非常ベルを押す。
    指の行動はエスカレートし、東京に混乱を引き起こす。
    ゆび はいったい何なのか。何をしようとしているのか。

    ひとつひとつは誰もが持つ欲望であり、嫉妬であり、羨望であったりするが、それが集合した時悪意は増幅する。
    ただ、現実がゲームと融合するというのはどうなのだろうか。

  • 指が人を襲うという笑っちゃうような設定だけど、個々の事件が関連性を持ち、ファイナルへ一気に。ってとこまではソコソコ面白かったのに、最後が最悪。コンピュータゲームと事件の関連性が全く意味分からん。ゲーム自体もよう分からん。ゲームをクリアすれば解決って、どういう事?
    エピローグで、最初に出て来た少女が殺人を犯すっぽい場面も唐突。終わり良ければ全て良し、の真逆パターンの典型。
    買う価値無し。

  • 自殺を考えている人の前に突如、指が現われ、エレベーターの屋上のボタンを押します。指は、自分を裏切った男に復讐しようと消火器を構えている女の前にも現われて、ノズルを男の方へと向けます。東京各地に出現したいくつもの指は、しだいに犯行をエスカレートさせていきます。

    刑事の成合と新聞社に勤める旭は、指の行方を追いかけます。一方、目の前で老婆の背中を押して階段に突き落とした指を目にした上村と新城繭子も、指の正体に迫ります。やがて、小学校の教員をしていた繭子は、かつて彼女が担当していたクラスで自分を慕っていた七ヶ瀬裕太の指に似ていることを思い出します。他方、裕太の行方を追う上村は、自分の妻の不倫相手である形成外科医の佐々木信明が事件に関わっていることを突き止めます。他方、成合と旭も、佐々木が指を蒐集している殺人鬼だと断定し、彼の居場所へと向かっていきます。

    現実とゲームの融合という結末が唐突すぎてついていけないように感じてしまいましたが、最初の方はおもしろく読めました。自殺や犯罪についての考えが人びとの頭をよぎるとき、その考えを行動に移すためのステップをおこなって人びとの行動を後押しする指の出現は、十分に不気味だと感じます。ただ、指が直接的に殺人を犯すようになり始めたところから面白みがなくなってしまったのは残念でした。

  • 妬みや恨み、負の感情は人を徐々にむしばんでいく。
    悪意はふくらみ、そして増殖する過程で、その対象を拡げていく。
    誰かを恨んでいたはずなのに、いつの間にか誰も彼もを怨みたくなる。
    目にうつるすべての者を怨みたくなる。
    そして、悪意にあやつられ、人は人であることを自らやめていく。
    悲劇は、悲劇を起こす側から見れば喜劇でしかない。

  • 設定や意図がいまいちよく分からず…。

  • ホラーなのかSFなのか、、荒唐無稽すぎてある意味おもしろかった。
    続きが気になってサクサク読めたし、指が夢にまで出てきたよ。(笑)
    イタおもしろいお話でした。
    柴田さんの作品はけっこう読んでるけど、ホント幅広いなぁ。
    ゆびシリーズ、2作目も読んじゃうんだろうなぁ。

  • 結末がなぁという印象。なぜならSF的なのが苦手だから尚更。
    人の悪意は膨らんでいくという話でもあるよね。
    どちらにせよ、読まなくても良い本だったなぁという印象。
    設定が面白かった分残念…

  • 小説とはいえ、指だけが動いて非常ベルを鳴らすって、どういう状況なんだろうか、と創造してしまう、、笑

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著者プロフィール

 小説家、推理作家。
『RIKO-女神の永遠』で第15回横溝正史賞。
 猫探偵正太郎シリーズ、花咲慎一郎シリーズ など。

「2021年 『猫日記 Cat Diary』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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