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- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396331283
感想・レビュー・書評
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原子核物理学者の嶋木高志がかかわっている原発「飛翔」が稼働しようとしている。そのためのプルトニュウムの運びこみをめぐって原発阻止団体だけでなくロシア・北朝鮮・やくざやマフィアの動きそして警察の梶田と村上などがからむ攻防で構成されている。
しかし興味深いのは嶋木を中心とした人間関係だった。友達でありライバル、そして自分の妻を奪いロシアに姿を消していた西村。その妹の真砂子・かっての妻で西村とロシアに消えたナターシャ・ナターシャが残した娘の薫・そして検察庁の梶田・・・・・・原発を巡る国際サスペンスの面白さは十分味わえた。前半のゆっくりとした展開に比べ映画を見ているように展開していく後半の息をつかせない攻防に一気に読み終えた。
原発は人類にとって必要なものと信じて開発に取り組んでいる嶋木の信念はこのままでは地球の温暖化を阻止することはできない。クリーンなエネルギーとしての核開発は未来の希望と信じている嶋木達が冥府の使者なんだろうか?
高速原子炉 -
最近連続でこの著者の本を読んだが、
その中でも一、二を争う出来。
「犠牲」というテーマがこの著者の作品の中には
いつもあるように感じるが、
そのなかでも、本作で命を落とす男には、
死ぬことによる「救い」を描けたように感じた。
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