冥府の使者: Pluton Jack (祥伝社文庫 た 27-1)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396331283

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  • 2019/6/13 楽天ブックスより届く。
    2022/4/14〜4/18

    なかなか簡単にまとめることが難しい内容だが、簡単にいうとロシア、北朝鮮、ヤクザたちが入り乱れたプルトニウム強奪計画に、日本の高速増殖炉の責任者である嶋木高志と警察庁のはみ出しキャリアである梶山が阻止を図る。強奪犯には嶋木の人間関係も複雑に絡み合って、というストーリー。現在のロシアのウクライナ侵攻と原発への攻撃などを見ると、本当に恐ろしい。こんなことが日本で起こった場合、原発などの警備は本当に大丈夫なんだろうか。

  • 原子核物理学者の嶋木高志がかかわっている原発「飛翔」が稼働しようとしている。そのためのプルトニュウムの運びこみをめぐって原発阻止団体だけでなくロシア・北朝鮮・やくざやマフィアの動きそして警察の梶田と村上などがからむ攻防で構成されている。
    しかし興味深いのは嶋木を中心とした人間関係だった。友達でありライバル、そして自分の妻を奪いロシアに姿を消していた西村。その妹の真砂子・かっての妻で西村とロシアに消えたナターシャ・ナターシャが残した娘の薫・そして検察庁の梶田・・・・・・原発を巡る国際サスペンスの面白さは十分味わえた。前半のゆっくりとした展開に比べ映画を見ているように展開していく後半の息をつかせない攻防に一気に読み終えた。
    原発は人類にとって必要なものと信じて開発に取り組んでいる嶋木の信念はこのままでは地球の温暖化を阻止することはできない。クリーンなエネルギーとしての核開発は未来の希望と信じている嶋木達が冥府の使者なんだろうか?

    高速原子炉

  • 最近連続でこの著者の本を読んだが、
    その中でも一、二を争う出来。
    「犠牲」というテーマがこの著者の作品の中には
    いつもあるように感じるが、
    そのなかでも、本作で命を落とす男には、
    死ぬことによる「救い」を描けたように感じた。

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著者プロフィール

一九四九年、岡山県玉野市生まれ。九四年「メルト・ダウン」で第1回小説現代推理新人賞、九九年「イントゥルーダー」で第16回サントリーミステリー大賞・読者賞を受賞。他に『ダーティー・ユー』『ミッドナイトイーグル』『M8』『TSUNAMI津波』『東京大洪水』『風をつかまえて』『乱神』『衆愚の果て』『首都感染』『首都崩壊』『富士山噴火』『日本核武装』『神童』『ハリケーン』『官邸襲撃』『紅い砂』『決戦は日曜日』など著書多数

「2022年 『落葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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