I LOVE YOU (祥伝社文庫 ん 1-42)

  • 祥伝社
3.50
  • (250)
  • (573)
  • (902)
  • (114)
  • (17)
本棚登録 : 5512
感想 : 515
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396333751

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • こちらは全員が男声作家の作品集です。
    あたりまえですが、海や空と一緒で、恋には数え切れないほどの、形、色、匂い、感触、音なんかがあって、だからこんな作品集を読めば読むほどに、恋の醍醐味やら気配やらを楽しめるわけです。伊阪幸太郎さん、石田衣良さん、市川拓司さん・・中でも私が一番やられたのは本田孝好さんの「Sidewalk Tolk」です。この発想はまず考えないですからね。どれも面白かった。オススメの一冊。読むアンチエイジング(笑)

  • 伊坂幸太郎の「透明ポーラーベア」が読みたくて再読。
    たとえ誰かと別れたり、関係が変わってしまっても、その人との歴史は消えないし、ふとした瞬間に思い出が蘇ったりする切なさに、しみじみとした。主人公の姉の歴代の彼氏らしき人が登場するが、一人目の「水平リーベ僕の船」が好きな彼氏は動物園にいたのだろうか。動物園に行って白熊が見たくなる。
    他の作品も、ちょっと懐かしい、錚々たるメンバーが書いている。他の作品も読んでみたい。
    初めて本作を読んだ際、「百瀬、こっちを向いて」が気に入って、「この中田永一って初めて読むけど好きな感じだなぁ〜」と思って『百瀬、こっちを向いて』も読んだりしていて、数年後、その正体にひっくり返るくらい驚いたのが、忘れられないよい思い出だ。

  • 伊坂幸太郎さんの作品が読みたくて手に取りました。

    男性が書く恋愛小説のほうが爽やか且つ共感できる部分が多くて好き。
    伊坂さん以外の方の作品もさらりと読める上に、後味が良いので満足できました。

    特に好きだったのは「透明ポーラーベア」と「百瀬、こっちを向いて」です。
    オススメ度の高い短編集でした。

  • 男性作家6人の恋愛短編集。
    有名な作家さんともあってどれも秀悦なのにびっくり。切り口もそれぞれで様々な恋愛模様が垣間見られたのがいい。

    伊坂幸太郎さんはやはり安定の面白さがあるし中田永一さんは再読でもぐっとくるものがあって。胸にじわじわと切なさが迫りくる本多孝好さんは初読みだったけどかなりお好み。アンソロジーという形式、悪くなかった。

  • なにこの優しくて心地よい短編。良すぎる。繋りというキーワード。やはり伊坂さんの短編は秀逸で心揺さぶられる。伊坂さんの短編は間違いないね。さすがだわー(ノ∀`)

  • ◇透明ポーラーベア(伊坂幸太郎)
    独特の文体がとても心地よく、主人公の姉の彼氏だった人と動物園で再会する、
    という設定に引き込まれました。
    最後まで姉と姉の元彼と主人公とその彼女の関係が気になって、夢中で最後まで読みました。
    さりげなく姉の歴代の元彼のエピソードを紹介したずっと後に、
    さりげなく特徴のあるキャラクターが描かれ、実は歴代の元彼たちだったのでは、という伏線の回収の仕方もすごいなあと思います。ミステリー要素のあるお話だと思いました。

    ◇魔法のボタン(石田衣良)
    小さい頃から気心のしれた男女のふたりが、男性の視点で優しい口調で語られていて、
    独特の世界観で素敵だなあと思いました。
    ずっと20年間も良いお友達同士として過去の恋愛話をしたり飲んだり、
    という間柄から、じょじょに女性らしさを出す女性と、そんな彼女に惹かれていく男性が
    とても可愛いお話でした。

    ◇卒業写真(市川拓司)
    スタバで中学の同級生と再会した主人公の女性視点のお話。
    当時のままのふっくらした柔和な男性に変わらないね、というと意外そうな顔をされた、
    というような伏線が仕掛けられていて、読み進めていくうちに予想外の結末で楽しかったです。
    二人とも魅力的なキャラクターで、読んでいてほっこりしました。

    ◇百瀬、こっちを向いて(中田永一)
    学校中で人気のある幼馴染をもった、クラスでは地味で目立たないグループにいる主人公。
    そんな彼が、美人の彼女を持つ幼馴染のことが好きな女子に、つきあうふりをしろと言われ、手伝うことに。
    そうしているうちに段々その女子を好きになってしまって、、、という内容で、すごくおもしろかったです。
    そして、あげた花言葉の意味から、
    数年前の浮気にとっくに気づいていた幼馴染の彼女の描写がおもしろかったです。
    主人公たちの仮面カップルの行方が気に入り、この話は単行本で探し出して購入しました。

    ◇突き抜けろ(中村航)
    週に三度電話をかけあう男女の物語、という設定がいいなあと思いました。
    破天荒なキャラクターに振り回される主人公たちがおもしろかったです。
    独特のルールがある付き合い方をしている登場人物たちの物語はとても魅力的だなあと思いました。
    主人公の、青年らしい悩みにぶつかっていく姿勢に好感が持てた作品でした。

    ◇Sidewalk Talk(本多孝好)
    別れの前兆がある前提から物語が始まり、男性が昔を回想しているという展開がおもしろかったです。
    二十歳のころに、つけていた香水を嗅いで、そのときの記憶を思い出したところからの物語の進行がとても良いなあと思いました。
    大人同士なんだけど、男性もかわいいし女性もかわいい作品でした。

  • アイラブユー。男性作家が書く短編恋愛小説。

    豪華な作家陣…映画化もされるみたいです。


    特によかったのは、やはり伊坂幸太郎さん。素直な恋愛ストーリーではなく、こうきたかと思わせるストーリー。繋がりを感じる話。素敵でした。

    あとは中田永一さん。始めこの人誰だ?と思っていたんですが、乙一さんが別名で書いたものみたいです。なんだ…恋愛物も書けるんじゃないか!憧れの先輩に頼まれた表向きだけの彼女。いつしか本当に好きになる。人間レベル2の主人公が初めての経験をする淡い感じ。すごくよかったです。

  • 有名な作家の短編集。
    誰かを目当てで買って、
    新しい世界に出会える。
    たまにはこういうタイプの短編集もいいな。

  • 伊坂幸太郎は「ユニーク」、石田衣良は「男女」、市川 拓司は「思い出」、中田永一は「青春」、中村航は「絆」、本多孝好は「現実」。それぞれの作品を一言で言ったらこんな感じ。

  • 男性作家の恋愛短編小説集。

    これ以上ダラダラと愛だ恋だと書くとうんざりするがちょうどよい長さの読みきりもの。

    伊坂氏の作品は素敵。

    でも・・男ってやっぱりけっこう引きずるんだね・・・恋(^_^;)

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

伊坂幸太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×