- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396335304
感想・レビュー・書評
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歴史に在っても、「風魔の小太郎」については虚実入交じって色々なことが伝えられている。大小様々、新旧色々な勢力が入り乱れた関東に永く君臨した北条氏の下には、諜報や工作活動に従事した優れた忍者集団が居たことは疑う余地が少ないように思うが、その頭領がどのような姿であったのか、どのような人物であったのかは知れない…また歴史では、「風魔の小太郎」は盗賊になって悪名を馳せ、処刑されたと伝えられる…
本作は、上記のような「未詳な歴史」を題材に想像の翼を大いに広げた活劇で、非常に愉しい!!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2011/12/06読了。
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秀吉が死に天下は家康のものとなりつつある.北条氏滅亡の後風魔一族は分裂する.服部半蔵にかわって家康の忍者集団となった柳生一族との対決が話の主軸になる.気は優しくて力持ちの小太郎はここでも圧倒的な強さと誰にも属さない自由な心で天下人家康を翻弄する.最後はちょっとできすぎ.
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忍びのものなのに途轍もない快男児。風魔の小太郎恐るべし。上中下巻をあっという間に読んでしまった。
戦国末期から江戸時代当初が舞台の戦国忍者小説でも最高の部類に入る。 -
3/5
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凶盗団の首魁という濡れ衣を着せられ追い詰められる風魔小太郎。その超人的なパワーの前に柳生又衛門の陰謀がひしひしと迫る。懲りない唐沢玄蕃、神崎甚内の悪事も絶えない。
処刑されたという史実(といっても謎も多いようだが)があるだけに、本巻半ば以降は、悲しい結末があるだろうと最後まで読むのが切ない想いで読み進めていましたが、これ以上は書かぬが花の大団円でした。お見事。
(2010/2/1) -
政(まつりごと)、兵法においては、目的はいかなる手段を用いようとも達成せねばならない。しかし、それは武士(もののふ)の情において美しくない。歴史上に名を馳せた強者も、一片の曇りもなく美しく事を成し遂げた者は一人もいない。唯一人、常人の考え得る範囲を超越した存在として、己の心のまま自由に生きることができた男、何の衒いもなく美しくあり続けることができた男、自分の意に沿わなければ世の流れにも仕組みにも順わぬ男、そんな孤高の存在として風魔の小太郎は描かれている。