幕末 維新の暗号(下) 群像写真はなぜ撮られ、そして抹殺されたのか (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396336882

感想・レビュー・書評

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  • 明治維新を題材にしたフィクションと割り切って読めばそれなりに面白いけど。上巻に負けず劣らずファンタジー満載。特に"「南朝」の秘密を破る者には「梟首」という掟を持つ秘密結社「南梟団」"には噴き出してしまった(笑)。比較写真も、どれだけ贔屓目に見ても全く似ていない。結末は大したことなかったけど、まぁここまでこじつけられるのはそれはそれで尊敬する。ただ、最後の最後まで、そもそもそんなヤバい写真を何故撮影する必要があったのか?という肝心な点には一切触れられておらず、ファンタジーと言えども物語としての詰めが甘い。

    仮に千歩譲って、米国政府がこの写真を出してきて、天皇がすり替えられている!と言ったところで、騒動にはなるやろうけど、日本がひっくり返ることなどありえない。実はアメリカのスパイだったというのならともかく、北朝だの南朝だの、だからなんやねんという話。

  • 初めて知った「明治天皇」の入れ替わり説。あくまでも本作は「小説」として読んだけど、何があってもおかしくなかった幕末と明治初期。天皇の入れ替えなんてあり得ないと思うけど、何があってもおかしくなった時代だからこそだと思うと、なるほどなという部分もあり。
    私が本作を理解していないのだと思うが、なぜそんなに南朝に肩入れするのかがわからなかった。後醍醐天皇に魅力があったとは思えないし、三種の神器は当時、それほどのものだったということなのだろうか。学校で習い司馬遼太郎でイメージした幕末の藩士たちのイメージが結構変わった。「小説」として読んだはずなのに笑
    望月にどうにも好感がもてず★は3つ

  • 2014.1.5-2014.1.6
    『天皇の世紀』を読むと、明治維新における英国をはじめとする諸外国の影響力が大きかつたことが分かる。こんな本を書きたくなる気持ちも分かる気がする。

  • ☆3.7
    どこまで本当なのかなー。所々比較写真もあるし、後書きを読む限り妨害にもあってるみたいだし、これはひょっとして...??
    結局解決するのかしないのか、曖昧なままで終わってたけど、やっぱりああいう形にするしかないのかなぁ。

  • フルベッキ写真!どっかで見たこと有るけど、言われる様にただの武士の写真を、幕末の志士になぞられただけだと思っていた。
    それが、何と南北朝の話まで!
    壮大なお話しです。

    フリーメーソンの話まで行くと、チョットね!

  • 日本の歴史には不思議な部分が多くあると思います、幕府と天皇という二大勢力が併存していたこともそうですが、天皇家が南北朝に分かれて今の天皇家はどちらなのかという問題もあるようです。

    表向きの解釈では現在の天皇は北朝家らしいのですが、この本の解説にあるように、明治時代には国会で「南朝が正統である」と合意されたり、明治天皇は南朝に関する建造物を作らせたりしているようです。

    いままで多くのものを閉じ込めていた箱のふたが一斉に開いて、飛び出してきているような気がします。この本で言っていることが他の本でも言われているような気がしましたので、類書を読んで、自分なりに理解を深めていきたいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・北朝系の明治天皇、しかし実は南朝の血を引く若侍にすり替わっていた、なので明治天皇は、南朝を称賛し、全国に15もの南朝神社を立て続けた(p87)

    ・古代の天皇について記した「古事記」(712)と、日本書紀(720年)の特に前半部分は、史実ではなく天皇の権威づけのために天皇の歴史をねつ造したというのは学問上の常識(p92)

    ・宮内庁は、900近くの古墳を天皇家の墓だと指定して、調査をさせない(p93)

    ・明治天皇にすり替わったのは大村寅之助で、それまでは長州にいた、北朝に敗れた南朝天皇の子孫(大室家)は、ひそかに吉野を抜け、長州に落ち延び毛利家の庇護のもとにあった(p115)

    ・西日本の「薩長連合」と、東日本の「奥羽越列藩同盟」において、東側は、東の天皇という意味で「東武皇帝」を名乗った(p117)

    ・西郷隆盛は、南朝武将の菊池家の子孫であり、長州にいる、南朝天皇の血を引く大村寅之助を天皇にして南朝を復活させようとした(p120)

    ・版籍奉還とは、藩という地方の小国家を壊して中央に返上させる見返りとして、藩主(1万石以上)に公家と同等の身分である華族という称号を与えて、士族のボスを抑えた、これは天皇の権威づけ作戦の最たるもの(p122、171)

    ・華族制度のすごさは、華族となった旧藩主に東京在住(人質)を命じて、地方の反乱の芽をつんだこと、山口組暴力団は同じ方法をとっている(p122)

    ・1868年正月のもっとも重要な儀式(四方拝)には、明治天皇は欠席したが、正午からの御所での儀式には出席している、四方拝は顔が丸見えだが、御所の儀式は簾の陰に隠れるので(p139)

    ・屈強な侍を御所に引き入れ、女官の総罷免と、武人の侍従採用があった(p158)

    ・明治維新後、3か月ほど東京にいた寅之助(明治天皇)は、京都に戻って1869年2月6日に、一条美子(はるこ)と結婚した(p159)

    ・明治以降に天皇の財産となったものは、日本銀行、横浜正金銀行、三菱、三井、済十、満鉄、日本郵船等の巨大株主、国家予算の3%(現在換算で3兆円)の財産家となった(p179

    2011/7/16作成

著者プロフィール

札幌市生まれ。米国で不動産投資事業に従事、帰国後、執筆活動に入る。 『龍馬の黒幕』 『幕末 維新の暗号』『幕末 戦慄の絆』『舞い降りた天皇』『龍馬を守った新撰組』(すべて祥伝社文庫)他、タブーを破る歴史ミステリーが読者の心を摑み、大ベストセラーに。近年はYouTube「Kajiチャンネル」でオリジナルな世界観、歴史観、幸福哲学の情報発信を続けている。近著に『軍師 千利休』(祥伝社四六判)がある。

「2023年 『第六天魔王信長 消されたキリシタン王国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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