浮かぶ瀬 〔取次屋栄三〕 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396337889

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  • 浮かぶ瀬 ― 取次屋栄三シリーズの7作目
    2012.09発行。字の大きさは…小。
    鬼瓦、女難剣難、おっ母さん、浮かぶ瀬の4話。

    手習いの師匠と剣術道場の師範を兼ねる、秋月栄三郎の笑顔に接すると…。人と人を繋ぐ取次の依頼を人情味たっぷりに…。

    裏飛脚の儀兵衛というのは、その名の通り闇の運び屋の頭である。抜け荷の品、盗み出された古美術などを売り捌く香具師の一団に、盗賊や密貿易商から受け取った品を届けるのがその仕事である。売り手と買い手は縁を深めたくない。深めてくだらぬ情が絡むとろくなことがないからだ。
    そこで裏飛脚屋が暗躍する。

    【鬼瓦】
    栄三郎は、旗本三千石永井勘解由の奥向きを預かる萩江から紙問屋・玉松屋の娘・お絹の相談に乗ってほしいと、それは、玉松屋の主人・与兵衛が他所に女を拵えているのではというものであった。調べてみると、元玉松屋の女中・お袖と料理茶屋で…。

    【女難剣難】
    掏摸の女・珠かんのお蔦は、松田新兵衛の懐を狙って捕まり、逆に惚れてしまう。これに新兵衛を想うお咲が加わり2人で、張り合って世話をすると…。新兵衛は、旗本五千石大番頭・園山美作守の息・弘太朗の卑劣な行いに激怒し、懲らしめると…。

    【おっ母さん】
    又平は、ひょんなことから煙草屋・おさよの息子・友造になりすまし親孝行を始めると。栄三郎は、又平とお染を夫婦にして喜ばそうとする。友造は、裏飛脚の儀兵衛の配下であったが、今度の取引の符牒を迷子札と一緒に御守袋に入れていた…。

    【浮かぶ瀬】
    栄三郎は、金貸しの取立屋・山犬の捨吉が、暴漢に襲われて怪我をしたのを医師・土屋弘庵に診てもらう。弘庵は、捨吉に患者の傷口に包帯を巻かせ、助手として使い始める…。人の痛みを知った捨吉が医師として目覚めていく…。

  • 栄三郎の人柄に皆惚れていく。

  • 栄三も気になる女性がいるのだが、いかんせん訳がありすぎて身動きが取れない
    何気ない頼まれごとだけが二人をつなぐ微かなだが幸せなひと時です
    いつか、収まるのだろうか?

  • 第七弾
    四話構成は変わらず
    夫婦の機微、武骨な武芸者に惚れる女二人、年老いた女を励ます若者、道を新たに探す若者
    盛りたくさんの内容

  • このシリーズはいつも楽しみ。人情ものであり、出てくる人々に新味は無いし、予定調和のような結末であるが、なんとも感じがいいのである。もっと読んでいたい。もっともっと読んでいたい。そういう気にさせる数少ない作者であり、シリーズである。

  • L 取次屋栄三7

    全体的に爽やか過ぎてコクが無いという感じ。飽きる。

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著者プロフィール

一九六一年、大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社九十周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に「浪華騒擾記」が入選。その後フリーとなり、「水戸黄門」「必殺仕事人」などのテレビ時代劇の脚本を手がける。二〇一〇年、『取次屋栄三』で小説家デビュー。他に「若鷹武芸帖」「八丁堀強妻物語」「仕立屋お竜」などのシリーズがある。

「2023年 『明日の夕餉 居酒屋お夏 春夏秋冬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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