- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396340476
感想・レビュー・書評
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この人の物語に浸っていたい。一つ一つの物語に美しい絵がそれぞれ頭に浮かびました。あるいは心地よい温度のお風呂に浸かっている感じでじんわり私の心を癒してくれる物語ばかり。
悲しい場面もあるけど、それがより純粋さや透明感を際立たせていた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編6本が詩のように、静かに流れるように紡がれている。
市川 拓司『ぼくらは夜にしか会わなかった』
それぞれの物語が、独立しているようでお互いに影響しあっている。
パラレルな世界にさらにパラレルに
どれもが哀しさを含んでいて、かすれるような記憶であったり、子どもの頃のほのかな後悔だったり。
無垢や純情、別れや再会が大きなテーマにもなっているように感じる。
澄んでいて、大人の穢れを知らない世界。
はじめは何の物語か分からないまま読んでいたのだけど、次第に「あぁ、そうなのか・・・そういう世界か」とジワジワと胸を締め付けられながら読んだ。
また、読みなおしてみたい。
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【内容(「BOOK」データベースより)】
天文台の赤道儀室で「幽霊」を見たと言う早川美沙子と、ぼくら級友は夜の雑木林へ出かけた。だが「幽霊」は現れなかった。彼女は目立ちたがり屋の嘘つきだと言われ、学校で浮いてしまう。怯えながらぎこちなく微笑む彼女に、心の底から笑ってほしくてぼくはある嘘をついた―。(表題作)そっとあなたの居場所を照らしてくれる、輝く星のように優しい純愛小説集。
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【著者略歴 (amazonより)】
市川/拓司
1962年、東京都生まれ。インターネット上で発表した小説が注目され、2002年に『Separation』でデビュー。2003年『いま、会いにゆきます』がミリオンセラーに。 主な著書に『恋愛写真―もうひとつの物語』『その時は彼によろしく』 『世界中が雨だったら』『弘海―息子が海に還る朝』 『ぼくの手はきみのために』『吸涙鬼―Lovers of Tears』などがある。
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【目次】
白い家
スワンボートのシンドバッド
ぼくらは夜にしか会わなかった
花の呟き
夜の燕
いまひとたび、あの微笑みに
解説 小手毬るい
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