新釈 走れメロス 他四篇

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 3597
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396632793

感想・レビュー・書評

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  • 一遍ごとに空気感がちがう。『走れメロス』がいちばん面白かった。
    でもたぶん斎藤さんがいちばん好き

    「『私は何を間違っていたの?』
     『君は間違っていない』と男は言いました。『俺が間違っていたのだ』」

  • 有名古典作品を、現代に置きかえて森見風にアレンジした五篇からなる短編集。


    国語の教科書で抜粋を読んだ「山月記」や内容は知っている「走れメロス」など、全てのオリジナルは読んだことがありませんが、こんな感じなのだろうかと楽しめました。ただやはり読んでからの方が良かったかなと感じました。
    「走れメロス」は、バカバカしくも真面目に皆必死なのがとてもおかしく、勢いのある文章と共に楽しかったです。
    「藪の中」はオリジナルを読んでみたくなりました。

  • 著者の森見さんは同い年。この本に限らず、著作のほとんどで共通する「京都」と「大学生」というテーマは、この短編集でも健在。独特の言い回しも相俟って、軽妙に話が進んでいきます。同年代にこういう才能がいるというのは、今後の読書生活を思うと嬉しいけど、恐ろしいですね。

    既に作品として一定の評価を受けている『走れメロス』や『山月記』などをベースとし、舞台を京都に、登場人物を大学生に置き換えてそれぞれの物語が描かれています。総ての作品に出てくる人物もいて、各々の物語が個別にバラバラになっているのではなく、大学の数年間のどこかで彼らの言行が重なっているという感じです。

    個人的には、表題にもなっている『走れメロス』の主人公の酷さが素敵で、とても楽しく読めました。京都の街並みを知っている方なら、よりこの世界を楽しめると思います。

  • 京都…ロケーションがいいよねしばらく京都に住んでみたい。
    話は走れメロスの底抜けアホっぷりに笑いましたww

  • 原典を全て読んだ上で挑みました。
    作品としては『桜の森の満開の下』が綺麗且つ恐ろしくて好きです。

    ただ個人的には『山月記』の斎藤秀太郎が気に入っています。
    五つの作品が絶妙にリンクし合う中、時系列で一番最後にあたるこの作品を一番初めに持ってきたあたりが憎いというか、さすがだと思いました。(『桜の森~』は少し被っていますが)
    斎藤秀太郎の顛末を知りながら他の四篇にちらついてくる、後悔に駆られる前の斎藤秀太郎の姿を思い浮かべると、懐かしいような痛々しいような気持ちになりました。

    森見さんの短編集は短編集のようで短編集ではないですね。大好きです。

  • 「山月記」「走れメロス」などの作品をベースにした,
    京都のおかしな学生たちの不思議なエピソード5篇。
    (走れメロス)
    強大な権力を持つ図書館警察に部室を取られてしまった詭弁論部の芽野は,図書館警察の長官に,ステージで「美しく青きドナウ」に合わせてブリーフ一丁で踊れば部室を返してやると言われる。

    バランスのいいふざけ方で楽しめる。

  • 現代京都を舞台にした、名作のパロディ。すっごい面白かった!メロスでは、大爆笑。山月鬼の斉藤秀太郎かが最後まで登場するところも、各話のつながりが生まれて面白い。文章も、とても読みやすかった。

  •  そうきたか!という展開の連続。すでに完成されている作品をもとに、新たな作品を作り出すその技術にただただ溜息です。「桜の森の満開の下」では、物語の舞台が京都から東京に移ったとき、本の色が赤から青に変わった気がしました。小説を読んでいて色が変わったのは初めてです。……おかしなことを言っていますね。でも、本当です。

  • 芽野史郎は激怒した。
    必ずかの邪知暴虐の長官を凹ませねばならぬと決意した。
    腐れ大学生、京都を走る。大学自治!大学自治!

  • あいかわらずの不思議ワールド。
    それぞれの短編がゆるくつながってます。
    京都のしっとりしたほの暗さ、モラトリアムの閉塞感、そんで「あっほやなー」って笑えるくだらなさ。そゆ感じの色んな森見さん要素が詰まってます。

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著者プロフィール

1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる。著書に『きつねのはなし』『有頂天家族』など。

「2022年 『四畳半タイムマシンブルース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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