夏が僕を抱く

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 431
感想 : 74
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396633196

感想・レビュー・書評

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  • この作家さんのお話って、ちょっと個性的で可愛くてがむしゃらで爽やかで、ほんのりえっちで、色々読んでみたくなる。
    ヒロインがNUMBER GIRLの歌詞に登場しそうな女子。
    「青空チェリー」も良かったし。

    不良化して距離が出来てしまった幼なじみに近づきたくて、不良化を試みる「変身女子」とか、浅はかでなんて可愛いんやろう。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「浅はかでなんて可愛いんやろう」
      そんなコトしか思いつかない時ってあるよね。でも素敵だと思う←この本は未読なので、読みたくなりました!
      「浅はかでなんて可愛いんやろう」
      そんなコトしか思いつかない時ってあるよね。でも素敵だと思う←この本は未読なので、読みたくなりました!
      2012/05/08
    • hetarebooksさん
      nyancomaruさん
      コメントありがとうございます(^o^)
      豊島ミホさんは図書館で初めて知った作家さんですが瑞々しくて素敵な本を書...
      nyancomaruさん
      コメントありがとうございます(^o^)
      豊島ミホさんは図書館で初めて知った作家さんですが瑞々しくて素敵な本を書いてはるので是非読んでみてください!
      「ぽろぽろドール」もお勧めです☆
      2012/06/12
  • ストロベリー・ポップ、あさなぎ、遠回りもまだ途中、らくだとモノレールが好きだった。
    護、研吾くん、岬、らくだはそれぞれ魅力的で、その幼馴染にあたる十和子、園子、有里、いるかとの関係は心地よい。
    護と十和子は傷ついた心を言葉がなくても優しく気持ちを込めてそっと触れることで、お互いに救われる。それはいてくれてよかった、を本気で託していて伝わってる実感があるからだと思う。
    研吾くんと園子は幼馴染とは少し違うけれど、園子は研吾くんを傷つけて、それで研吾くんも園子を傷つけようとして、その研吾くんにあの幼い頃の言語くんを見て園子は抱きしめたいと願う。結果的に園子を傷つけたこと含めて傷つくのは研吾くんで、そんな姿を曝け出したからこそ緩やかに朝凪のなかで2人は緩やかに繋がっていける気がする。
    有里は岬にずっと甘え続けてほしくて、こちら甘えたくて、それは安心感があって最後は岬と一緒にいたいと願っている。だけど最後まで一緒にいたいからこそ今はまだ傷ついて、そんな自分でさえも受け入れてほしいという有里の願いも感じる。
    いるかはらくだを好きよりも、この何の縛りもない子どものような時間から離れたくない、置いていかれたくないという願いを抱えている気がした。それは確かにいつか恋になるのかもしれないけれど、らくだによってカテゴライズされたことで無理矢理そこに押し込んでいってるようにと思う。
    幼馴染は言葉がなくても伝わる。だからこそ優しいし怖いし壊れやすい。その儚さを大事にしている気配が心地よかった。

  • 幼馴染という気安さや安心感、時に野暮ったくもあるその関係が素直に描写されていると思う。ベリー系のタルトの様で、最終話で作られるイチゴジャムが全てを物語っている気がする。

  • 男女の恋愛の中の、言葉にしづらい描写がうまく描かれている作品だった。

    恋愛に正解はないと思うが、そこがよく描かれているように感じる。作中では主人公が不倫していたり、婚約者が昔自分の姉のことを好きだったと知りながら幻滅させるために再会させたりと、どの章の登場人物もとても人間らしく、生々しい。
    世間一般の「こうあるべき正解」の人間ではないが、自分の未熟な部分や、恥ずかしいことをしたな、という気持ちが少し許される気がした。
    感情がメインに動く作品なので、人とのつながりや感情に触れたい時にとてもあう作品だと思う。

    短編集でかつ感情に沿った描写になっているのでサクサク読める。

    「変身少女」
    自分が「いい子」だとはわかっていても、「ワル」い幼馴染に憧れてスカート丈を上げてみたり髪を染めてみる主人公。
    年齢を重ねるにつれて自分の良さにも気づいていくしなれないものへの憧れは薄れていくものの、中高生の時って自分の可能性に良くも悪くも見切りをつけられない。自分自身の中高時代を思い出し、共感した。

    「ストロベリー・ホープ」
    地元を出たのに「いい大学」を中退、専門学校にはいったものの地元に帰ってきた幼馴染。理由をきくと、「何者にもなれず、生きるために必要なこともわからなくなってしまい、東京で生きていける気がしなくなってしまった」という。
    心から「わかる」と言うことはできない感情ではあるものの、私自身もふとしたときにそう言う気持ちに飲み込まれそうになる。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99564099

  • 女の子も異性に対して男みたいなところがあるのかなぁ、と思うところもあるけどやっぱりよくわからない。なんなんだろ?可愛いんだけど、憎たらしいところもあって、だけどそんなところまで可愛く思えてしまうところもあって……。結局、小さなころからこの歳になるまで女性のことはわかったことがない。6編の物語を読んでそんなことをあらたためて思った。
    タイトルの「夏が僕を抱く」で、ハネはミーちゃんがライブに来てくれたら逃げないって決心して、ミーちゃんも秋川にもう会わないって決心するけど、それって決心なのかな?オイラ的には自分で決めなきゃダメ!ってところなんだけど。この決心はのちのちふたりの言い訳になっちゃうんじゃないのかな。つまりは何も変わらないみたいな。だからこのふたりの未来にあまり明るさを感じない。んん、もしかしてそういう物語なのかな?

  • 切なさあふれる表題作を含む、六篇からなる短編集。六篇すべて“おさななじみ”達が織り成す物語です。
    おさななじみの男女と、恋のような気持ちとがテーマの一冊。

    楽だ、心地よい、好き。だけど“恋”なのかな?好感にも色んな種類がありますよね。
    彼氏とはもちろん、友達ともちょっと違う気がする。一番近い感覚は兄弟姉妹かなぁ。
    胸キュンより郷愁の念。おさななじみと過ごした子供時代がよみがえりました。

  • 「異性の幼馴染」をテーマにした短編集。本を読んでみて思うけど、「幼馴染」という関係は恋愛関係になりやすいなと改めて思う。恋愛のプロセスとして「お互いを知る」という部分が解っているのだから。6編の短編集は「これから恋愛関係になりたい」「すでに他の世界を知り、やはり幼馴染の彼(彼女)がいい」という色んなシチュエーションが楽しめる。個人的には「変身少女」「らくだとモノレール」がグッとくるかなあ。不謹慎ではあると思うけど切ないのが琴線に来るのです。「これからがんばれ」と応援したくなるので。感想はこんなところです。

  • 2015/2/14

  • 幼なじみとの恋を描いた短編集。
    淡く切ないながらも少し棘もある。
    幼なじみ、ドキドキさせられる響きです・・・

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著者プロフィール

2002年、新潮社「女による女のための『R-18』文学賞」で読者賞を受賞し、同年『青空チェリー』刊行でデビュー。著作に『檸檬のころ』『夜の朝顔』『リテイク・シックスティーン』などがある。

「2010年 『神田川デイズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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