木暮荘物語

著者 :
  • 祥伝社
3.57
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本棚登録 : 4236
感想 : 688
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396633462

感想・レビュー・書評

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  • 木暮荘というアパートの住人やその周囲の人たちを一人一人主人公にした連作短編集でした。
    ほんわかしたお話と思いきや・・・でした。人間関係、一人ひとりの心内がいろいろ渦巻いてるよ・・・と感じました。老人の胸の内、夫の嘘、妻のどろりとした感情と嫉妬。
    「シンプリーヘブン」の繭と並木の別れの場面、とてもよかったです。
    「穴」の神埼、「ピース」の光子の関係ややりとりが好きです。光子には幸せになってほしいです。「柱の実り」は不思議な話ながら余韻の残る少し切ないお話でした。

  • 木暮荘という古いアパートに住む人、取り巻く人々のお話。短編が7本なので読みやすかった。どの話も少し性に関する表現が入っている。現実社会に有りそうでなさそうな話の数々。

  • 小暮荘に縁のある人々の話。小暮荘の住民や大家、住民の職場の夫婦や元恋人など。
    三浦しをんさんの作品は会話に人間味があっておもしろい。あと復讐の様子が恐い。

  • 人により評判が大分違う作品に感じる。読んでみて納得。
    人の心の描写が丁寧で、引き込まれるのはいつもの感じだが、性描写が割と爽やかなまでにあけすけな展開に、好みが分かれたのだろう。

    個人的には、登場人物の一人一人を丁寧に描き、伏線を回収する物語が好きなので、とても楽しく読めた。どんな人にも事情があり、弱いところもあり、強いところもある。いろいろな角度から描かれる人間模様が、なんというか、心に染みた。

  • 日本人って、性のことになるとちょっと身構えてしまい、食や仕事や遊びなどと同じ視線で語れない国民性があるような気がします。
    だけど、この物語は、人々が普通に食事をとるように、仕事をするように、遊ぶように、性のことも交えた日常生活を切り取っている。ヘンにエロでなく、そうかといって特別扱いするのでもない。そのバランスが気持ちいいです。

  • タイトルから想像したのは、駅に近い古ぼけた安アパートの人情物。
    それを見事にくつがえしてくれた性をメインに、生きること、命の誕生、人の優しさをちりばめた笑いあり、涙あり、こんなのあり!?って思える住人たちのストーリーが、展開されようとは予期しなかった。
    中でも「ピース」は秀逸だった。

  • ぼろアパートの住人周辺を主人公にした短編集。軽く読みやすいし、面白くないわけではないけど、もっと読みたい深みは私にはなかった。

  • 2022.2.19 読み終わり
    じわじわ好きになる

  • 久々のしをんさん。やっぱり大好きだなあ。
    オンボロ木造アパート「木暮荘」を舞台に繰り広げられる人間模様は、住民同士も関わる人も不思議な縁で繋がっているように思う。
    親しみとおかしみ、人情と温かさ。でもときに、ままならない。
    木暮荘がいいのか、木暮荘に集う人たちがいいのか。たぶん両方なんだろうな。
    不便だろうけど、木暮荘に住んだら自分はどんなふうに暮らすだろう?と妄想してみたくなる。どんな人たちと繋がるんだろう、と。
    しをんさんが語る人間関係って煩わしくも愛おしいから、つい自分も混ざりたくなる。

  • 築数十年の木暮荘にはこの古い佇まいを好む人々が住んでいる。住んでいる人にスポットをあて短編集になっている。それぞれが色んな思いで暮らしている。実際、ありそうでなさそうで面白い。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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