波濤の城

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 261
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396635329

感想・レビュー・書評

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  • 消防士神谷夏美の2作目。最初に「命の砦」を読んでハマりその後「炎の塔」を読みこちらを読みました。今作では、主人公と上司でもあり同志でもある柳雅代とともに豪華客船での船旅を楽しむこととなり、レインボー号に乗り込んだ…。数時間後、排水の異常によりエンジン停止、大型台風の進路変更などトラブルが続き、船内浸水及び火災が発生し沈没の危機に陥る…。船長の山野辺はVIPである石倉代議士への忖度と自身の保身しか頭になく、乗客乗員への状況説明や避難指示などが行われず被害が拡大する…。船旅って、すごくのんびりした贅沢な時間を過ごせるイメージでしたが、逃げ場もなくまた今回は救助にも期待できない設定でもありすごく怖くなりました。実際にはこんな豪華な船旅には縁はないと思うけれど(笑)。危機迫る臨場感のある内容で満足です!

  • 「炎の塔」に続くパニックサスペンス。嫌です。ものすごく嫌です。船なんて絶対に乗りたくない、と思ってしまいます。でも読む手は止まらないので、夜更かし覚悟で。
    船の事故には不可抗力な部分もあるとは思うけれど、これはもう完全な人災。自分の都合と利益ばかり考える人たちが腹立たしくって仕方ありません。そんな中、海難事故のトラウマを抱えつつも誇りをもって動く客室係がもうなんともカッコいい! 一応物語の主役は、前作でも登場した神谷夏美なんだけど。私としては北条が主役のような心地で読んでしまいました。彼がいなければさらにとんでもない惨事になっていただろうし。間違いなくMVPでしょう。
    他にもいろいろな事情を抱えた人たちの人間ドラマも読み応えたっぷりでした。だいたいどの人が助かるのかは予想がつくところもありましたが。それでもどきどきしっぱなしの一冊でした。

  • ダイハードっぽい本は息を詰めて一気に読んでしまう。映画化は無理かしら。

  • ハラハラしながら読み進めた。後書きにテーマは「システムに対する不信」だとあるが結局は人だ。とんでもない船長にいい人間が対比的に描かれ、それ自体はステレオタイプだが読者を引きずりこむ効果が大だ。
    前作より少し手が抜けているなあと感じるが、さあ次だ。

  • 表紙を見て何が起こるのかわかってはいたけれどアクシデントに向かってじわじわと進んでいくさまに手に汗握る思い。
    人間的に嫌な部分がこれでもかぁと噴き出す船長に許せない思いをたぎらせて、様々な人々に感情移入をしつつ、励まし合う姿に感動したり、散っていく命に気落ちしたり目まぐるしく進むストーリーに一気読み。
    女性消防士さんのシリーズものだったとは。一作目も必読だなぁ。

  • クルージングもいいなと思っていたが、やっぱりやめる。

著者プロフィール

1961年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。『リカ』で第2回ホラーサスペンス大賞を受賞し、翌02年デビュー。以来、警察小説・青春小説・サスペンス・時代小説等、ジャンルにとらわれずに活躍中。

「2023年 『交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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