サプリ10 (Feelコミックス)

  • 祥伝社
4.16
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784396764821

感想・レビュー・書評

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  • あぁ、なんて痛々しくて重苦しい話なんだ

    そう思うのは、自分が働く人間で、
    先行き不透明なこの環境の中で、

    窒息死してしまわないように

    必死で泳ぎ続ける回遊魚のようなものだからだろう。




    この結末は、ハッピーエンドなんだろうか。


    付き合っていた人がいたころに、


    自分が、男みてーだ、って思うことが頻繁にあった。


    すまん、仕事は言ってるから会えない。
    ごめん、今日は疲れてて眠ってたい。
    なんであんたが、寂しそうな顔するんだよ、泣きてーのはこっちだわ。


    そう思って、

    人を思いやることを忘れて、

    誰か私をいたわってくれよ!と

    わがままなことを思い続け、

    小さくてあったかな、

    普通の女の子が大切に大切にするものを、

    床にうっかり落として割ってしまったお皿のように、

    簡単に壊してしまった。


    私は心のどっかで、

    人の気持ちさえ、
    お皿のように

    買い換えることが簡単にできるのだと

    思っていたんじゃないだろうか。


    登場人物の女の子から去っていった男の子たちは、

    私が終止符を打った男の影に、どれもよく重なった。

    彼らなりに、彼女たちを必死で繋ぎとめようと
    思っていたのであろうのに、

    男の子が、女の子の話を、都合のよい物語にするみたいに、
    女は女で、自分の物語を作り上げる。


    親にも理解されなくて、
    誰からも承認を受けられなくて、

    その代わりかなにかわからないけれど、
    「働く」ことに、承認を得たいと思う女たちに

    出口なんてあるんだろうか。


    それが、
    割り切った結婚だったり、
    一方的な出産だったりするのは、

    ハッピーエンドなんだろうか。


    死なない限り、「エンド」なんてない。
    生きていく流れの中で起こりえる
    束の間の「ハッピー」に、漫画はとりあえずの終止符を打つことができる。


    なんだかな、この結末は
    balck snake moanって映画を思い出した。

    崩れて共倒れになりそうな男と女が、
    震えながら、抱き合って、
    女が「大丈夫、大丈夫よ。」って
    まるで、自分に言い聞かすかのようにつぶやく。

    「私たちは未来を選べる」

    それが、明るいものになるはずだと信じて疑わない強さを手に入れるには、

    「働く居場所」があるか否かなのか、
    「男を逃がさないだけの切り札」があるかないかなのか


    私にはわからないよ。

    それも、そのリスクを負ってくれる男が、身寄りのない男だって言う漫画の中の条件を鑑みるとですね、

    とりあえずわたしは、
    前者を確固たるものにするために、

    働く場所を求めるしかないのでしょうな。


    生きづらいわ。まったく。

  • えー終わりすか。

  • すーっごくよかった。
    久々に追い立てられるように読破。

    働く女は美しい、と思うのです。

  • まさかサハラと...
    ドラマとは全然違うんですね。

  • 働く女性には大事なことが詰まってる本だと思います。
    働くって・・恋愛って・・結婚って?
    答えは皆違えど、未来は待ってるよと
    思わせてくれる(すっごくそう思いたいけど)マンガです。
    個人的には食事のシーンがすごい好き!
    美味しそうだし、こんなところに飲みに行きたい!と思う。

  • ついに完結。
    ミナミの「ちゃんと言いなさい」が母のようでした。
    全てを包み込む母性愛なのでしょうか。
    所詮男は女には勝てないのよ、みたいな。

    田中ミズホ、かなり好きになりました。

  • 「ちゃんといいなさい」

    は~。素敵なお話でした。最後のシーン、鳥肌たっちゃった。鳥の羽ばたいている音が聞こえてくるくらいの素敵な絵や表現に魅せられました。
    藤井は本当に素敵な女性に成長したと思います。女性ってこんなにも強くなれるんですね。ほかの女性陣もみんな個性的でだいすき。田中女史、最高(笑)
    佐原には話しが進むにつれて可愛さを覚えていきました。。藤井に会えてよかったねと言いたいです。いやー、本当よかったね。よかったよかった(涙)

    女性にとっての仕事、恋愛、友情とは何かを考えさせられる作品。仕事や恋にめげそうになったら読みたい本です。だいすき!

  • 叙情的部分が多くて、ハマらないとつまらないけど、ちょっとはまってしまったので面白かった。
    働く女子が、自分に酔う感じ。だから、若干バブル風かも?
    しかし、若干ラストは駆け足だったような。最後の選択が、主人公視点で語られないのは残念。

  • 作者が博報堂という話を友人から聞いて読んだけど、内容は予想と全然違った!!

    働くオンナの恋愛事情!!

    でも主人公は不器用なようでかっこよかった。

    「コレハ自分がやりたかった仕事じゃないと思ったことはありますか?」
    と質問した就活生に対して、
    「自分のやりたい仕事があらかじめ社会に用意されてるわけないと思いますが?」
    と返した部分が印象的。


    ま、この本を読んでの一番の感想は、
    社会人になっても恋愛しよう。
    おもしろかった。

  • ちゃんと言いなさい、がよかったな。

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著者プロフィール

1967年長野生まれ。関西育ち。多摩美術大学卒業、博報堂制作局入社。デザイナー、CMプランナーの仕事に携わりながら漫画家デビュー。2000年、結婚を機に退社。現在3児の母。代表作に『渋谷区円山町』(集英社)、『サプリ』『&—アンド—』(ともに祥伝社)など。

「2012年 『だって、女子だもん!! 雨宮まみ対談集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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