ジョニー・ウィアー自伝 Welcome to My World

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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403231216

作品紹介・あらすじ

3度の全米チャンピオンに輝き、米国代表として出場したバンクーバー五輪で世界を虜にしたジョニー・ウィアー、フィギュアスケート界のカリスマ。その波瀾万丈のアスリート人生がいま明かされる。

感想・レビュー・書評

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  • 以前ヤグディン氏の自伝?を読んだけれど
    冒頭から 随分違う毛色だなぁ、と。

    でもそれは彼の個性、どこに重点を置くかの認識の違い、で
    また面白い。
    (プルシェンコ氏のないのかな?? どういう方向性の自伝になるか気になる)

    セクシュアリティは自分のわずかな要素なのに、大きく取り上げられてしまうことへの葛藤
    (でも本作では結構赤裸々。。。)
    コーチに「死ねば」とか、空港でファンがいるのはうれしいけれどすっぴんだし、とか
    まぁ、 確かに 女のようだ と言われる要素はあるのだけれども
    ちょっと ん?? となる箇所もあるのだけれど
    (それについては訳者が巻末で触れているのでちょっとスッキリ)
    でもそれが良い、悪い ではなく 好みか、ちょっと好みじゃないか くらいにして
    叩いていいわけではないのだがなぁ。。。
    (ヤグディン氏のときもそうだけれど 今だとメドベージェワ選手とか
    死ね、とか 罵詈雑言とかそういったメールをまだ年若い選手に発信する大人って何なのだろう??)

    ちょっとクセのある作品だけれど これはこれで。

    個人的には 日本が好きならば 宝塚を鑑賞してほしい。
    衣装とかにインスピレーションを刺激されると思うのだが。。。

  • バンクーバーの時の、バラの冠が忘れられません。現役の時にもっとまじめに応援しておけば良かったなぁ。

  • アイスホッケーとフィギュアスケートが好き。でも、何度かのルール
    改正で今のフィギュアスケートは私が愛したフィギュアスケートとは
    別の競技になってしまった。

    アイスダンスはリフト重視になって、コンパルソリーダンスが廃止さ
    れ、オリジナルダンスに組み込ませてしまった。氷上の社交ダンス
    であるアイスダンスなんて究極、リフトなんかなくてもいいのに。

    女子シングルスはジュニアからシニアに上がったばかりで棒のような
    体つきの選手が増え、マリア・ブッテルスカヤのように女性らしい体の
    ラインで大人の女性を演じられる選手が少なくなった。

    男子はねぇ、つまんないのよロシア勢がいないと。これは私の個人的
    な好みなんだけれどね。それでも、2回転倒してもオリンピック・チャンピ
    オンになれるなんて疑問なのよ。オリンピックなら完璧演技で金メダル
    を取って欲しいの。ソルトレイクの時のアレクセイ・ヤグディンのように。

    愚痴ばっかり並べたけれど、要は私はロシア及びヨーロッパの選手が
    好きなんだな。でも、例外なのが本書のジョニー・ウィアーだ。

    全米選手権3連覇、トリノとバンクーバーの冬季オリンピックで入賞を
    果たしたアメリカ人選手だ。ちなみにゲイである。美しい演技をしてくれ
    るのならゲイだろうが、ストレートだろうが私には関係なんだけどね。

    フィギュアスケートの選手にしてはスケートを始めたのは12歳という遅さ。
    しかし、天性の運動神経とバランスの良さがあったのか。スケートを始め
    てから僅か1年で3回転ジャンプをものにした。

    順調に成績を伸ばしたジョニーだけれど、ジュニアからシニアに上がった
    頃からアメリカのスケート連盟との確執が始まる。それはジョニーが連盟
    が考える「男子フィギュアの選手はこうあるべき」と言う型にはまらなかっ
    たからだ。

    知っていたよ、その時々で連盟が押したい選手が高得点を獲得するこ
    となんか。私も覚えがある。ほぼパーフェクトな演技をした選手でも、
    ミスした選手よりも得点を抑えられる。

    観客は正直だ。素晴らしい演技にはスタンディングオベーションを、
    不当なジャッジにはブーイングを。実際、私もやったもの。2002年の
    ヨーロッパ選手権とソルトレイクの男子ショートプログラムで。

    ジョニーも何度も悔しい思いをさせられてきた。選手ではないけれど、
    その悔しさは私にも分かる。そうして、フィギュアスケートが技術だけで
    はなく、「芸術点」というジャッジの主観が幅を利かせる制度がある限り、
    疑惑のジャッジはなくなることはないことも。

    どの国でもスケート連盟はいろいろやらかしてくれているよね。日本も
    例外じゃないしね。ジョニーに対して行われたネガティブ・キャンペーン
    も連盟が仕込んだんじゃないかと勘繰ってしまったわ。

    バンクーバーオリンピック直後に出された自伝なので、その後の男性
    弁護士との結婚・離婚には触れられていないけれど、家族のこと、
    初恋の人(勿論、同性)のこと、スケートに対する想い、連盟への怒り、
    コーチとのゴタゴタ、そして自身のセクシャリティまで赤裸々に綴った
    自伝である。

    フィギュアスケートに興味がない人にはまったく分からいと思うし、
    フィギュア・ファンでもジョニーに対しては好みが真っ二つに分かれる
    と思うので万人向けではないことは断っておく。

    ただ、スポーツ界の裏面を知るにはいいかもね。そうすると、「なんで
    これで高得点?」という演技の謎が解けるかも。

    競技生活からは引退してしまったジョニー。今はショーでしか見られない
    のだよね。日本でのアイスショーだと出演者を確認して行かなkと、見たく
    もないスケーターを見る羽目になるんで、私には要注意なんだけど。

  • 演技しか知らなかったので驚きながら読んだ。独特だけど興味深くておもしろかった。

  • ウィアーは五輪シーズンのプログラムが特に印象に残っていますが、特にファンというわけでもなく…。
    でも著書を読み、自分を持っている魅力的な人だと思いました。そして、他人と違っていてもいいんだなーと勇気をもらえました。
    バンクーバー五輪での扱いは本当にひどかった。あとケリガンもイヤだな〜(いくらウィアーがバイウルに憧れているとはいえ)。
    ウィアーを教え始めてからズミズエスカヤコーチがおしゃれになったというエピソードに思わずクスリ。

  • アメリカのフィギュアスケート選手、ジョニー・ウィアー選手の自伝です。
    幼少期から、バンクーバー五輪までの
    出来事が書かれています。

    ウィアー選手のことは、シニアデビューの次の年くらいからみていたので、
    各大会のときのジョニーの心情や、状況がよくわかって、とても興味深かったです。
    文章もとても読みやすく、わかりやすいです。
    ジョニーの人柄がよくあらわれた、素直で明るい本という印象でした。

    フィギュアスケートという競技のプレッシャーがありありと伝わってきて、
    フィギュアスケートへの見方が変わりました。
    テレビ放映などで競技を見るときの気持ちが変わりますね、感慨深いです。

    この自伝、ほんとに素晴らしいのでフィギュア好きな方にはこころからオススメします。

  • アメリカのフィギュア・スケーター、ジョニー・ウィアーの自伝。彼のスケーティングと同じくらい抜群に面白かった!できれば「ジョニー年表」がついてればもっと楽しめたと思う。ジョニー(とライザチェック)が「無名の日本の選手に負けた」と記されており、誰なのか気になって調べたら、2008年のスケート・アメリカで小塚選手に負けたようですね。

  • ジョニーを公式試合で初めて観た時、「アメリカ人ぽくなくて新鮮!いいわ~」と思ったのだけど、そのスタイルが本国で受け入れてもらえなかったと本書で知り、愕然。
    それを乗り越えて結果を出してきた「アスリート・ジョニー」としての生き方、考え方がストレートに伝わってきた。
    内容とはほとんど関係ないけど、時期が時期だったもので、パパとママがピ-チボトムの原発で働いていたという一文に対して、涙が出そうになった・・・。

  • アメリカのフィギュア・スケーター、ジョニー・ウィアーの自伝。

    ジョニーがスケートを本格的に始めたのは意外と遅く、12歳だった。
    もともと運動神経がよく、すぐに頭角を現したジョニーは、アメリカ代表を
    期待されるほどの選手になった。
    しかし常にトップを期待されるプレッシャーに押しつぶされ、
    思春期の難しい年頃も重り、ジョニーは周囲の期待に自ら背いてしまった。
    連盟の信頼を失い、なかなか認めてもらうことはできなくなったが、
    ジョニーはスケートから離れることはできなかった。

    2度のオリンピックを経験したトップスケーターで、日本でも人気の高い選手です。
    ゲイであることも、連盟から煙たがれた一因かもしれませんが、
    この競技が「連盟のお気に入りの選手が勝つ」ということを
    身をもって教えてくれたジョニー。
    完璧な演技で終えたバンクーバーオリンピックでは、
    観客の納得のいくジャッジがなされませんでした。
    そのときのジョニーは、こうなることが分かっていたかのように、
    観客のざわめきを静かになだめたのでした。

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