鎖衣カドルト (ウィングス・コミックス)

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  • 新書館
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784403618833

感想・レビュー・書評

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  • 三浦しをんさんがオススメされていたので買いました。はじめは、鎖衣? という具合だったのですが、読み進めると……うわあああ! と悶絶級に好みでした。モノローグで語りすぎているのが気になるのですが、面白かったです。自分の小説に通じる部分もあるよなー、とか、あれこれ考えました。

  • 孤独とか、人との繋がり、共感のようなものをカドルトを通して書いているような、少々深い内容の漫画だった。

    覚えていないけれど、出会っていないけれど、影響して連鎖する。
    現実の世界でもそういう偶然みたいなこと、たくさんあるなって、何か考えさせられた。

  • すごい世界観だと思います。
    おもしろい!!
    何度読んでも切なくなります…。

  • 架かる空の~の方の短編集。綺麗な絵です。なんだか好きな漫画です。

  • 絵が……綺麗だ……(´∀`)ほわーん
    繊細なペンタッチとトーン。水彩画風かな。とても少女漫画です。

    自らを鎖で戒めることで信念を表す、鎖衣という神祓官の話。
    現実には無い宗教と国とを描いたファンタジーです。

    カドルトが男か女か分からなくて大分やきもきした!……男性でしたw
    だって鎖騎士の人と妙に絡むから……真面目な話なのに良いのかと思って……(←
    死にたがりのお人好し貴族と、俗なお人好し鎖騎士の二人の関係が微笑ましいです。
    もっぱら鎖騎士が苦労担当だけども……(ノ∀`)

    水の国の話は色々と考えさせられました。
    神様を信じるか否か。
    日本人は今は無宗教の人が多いけど、でも何かあったときは「神様助けて!」と願わずにはいられない。ならばそこに神はいるのではないか、とか。
    信じるものが違うというのは、人間にとって立派に争う理由になるんだなぁ、とか。
    他人の信じるものは、こちらがいくら否定しようとも本人達にとって真実ならそれは真実なのかもしれない、とか。
    色々。
    カドルトが信じていないとずっと言いつつも、兵士達を撤退させたのはすごいと思うのです。

  • 吟鳥子さん2冊目。
    死にたがりの鎖衣・カドルトとカドルトの自殺防止がほぼ日課となっている騎士。
    鎖衣は自らの身体の一部を鎖で閉ざした文官。カドルトの鎖は、首と両手。
    鎖衣の国と隣の国の戦や価値観の違いによる対立や、カドルトの成長を描く長編。
    一冊で纏まっているのが、かえって信じられない濃さです。
    あと、吟鳥子さんの絵の色気、大爆発。

  • 鎖をモチーフにした精神文化に支配されている国の、神祇官のはなし。
    人々が主義・思想の違いによって、理解し合えない、受け入れあえない部分を描いています〈たぶん〉。
    特に、最後に収録されている「水の花」は印象的でした。
    「誰かに幸いを手渡したかった」という思いは互いに共通であったろうだけに、渡せなかったものと受け取れなかったもののままならなさが、悔しさを伴って残りました。

    国民の多くが無宗教である日本では、あまり考える機会がありませんが、
    自分が自分の主義主張を持っているということだけで、誰かに痛みを与えてしまうこともあるのですよね。


  • 読む度に鎖描くの大変そうだと思う。

  • 想うということは繋ぎ繋がれるということ。ともなう責め苦ですら、その一部。

  • 非常に難しいテーマだと思うのです、宗教というものは。「あらゆる方向から見ることを意識」しないことには、この作品は(特に水の神巫と鎖衣の立ち位置)は描けないし、読み手もそうでないと素直に受け入れることができないジャンルのものだと思うのです。難しいテーマなのに良かった、と思う反面、難しいテーマ過ぎてもう一歩だった、とも思えてしまいます。けれど、この人が描いたのでなければ、まともに読めなかったかもしれない、という点では、さすが!と唸るものがありました。

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著者プロフィール

吟鳥子:漫画家。
2005年、ウィングス(新書館)に掲載された「ある幸福な人の噺」でマンガ家デビュー。2016年から2020年にかけてミステリーボニータ(秋田書店)で発表した「きみを死なせないための物語(ストーリア)」は、「このマンガがすごい!2018」オンナ編の第7位、「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2019」の第4位、「2021年 第52回星雲賞」のコミック部門を受賞した。そのほかの作品には、「アンの世界地図~It's a small world~」など。

「2022年 『架カル空ノ音 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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