絵画の見かた

著者 :
  • 新星出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784405071650

感想・レビュー・書評

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  • たぶん、読み込めば、知見がたくさん得られる。基礎知識が無さすぎて、ざっと読んだ分にはいろいろあるんだな、どまりだった。いろいろ暗喩が込められているのは面白いと思った。時代や人間関係まで別れはより面白いのだろうなと。

  • 色彩の美しさやハッとするような驚き。どちらかというと絵画鑑賞は感覚的なものに依拠していた。本書は、絵に隠された寓意についてたくさんの巨匠の名画を通して学ぶ。技法、技巧、時代背景、人となりといったものを鍵に一枚一枚、絵画と照らし合わせながら読み解いていく。思いがけない発見と感動があり鑑賞眼に新たな複眼を具有することができた。

  • タイトルの通り、さまざまな有名絵画のテーマや技法に迫り、それぞれの作品の見どころを紐解いた一冊。

    一部では、テクニックの比較、特定の主題や特徴などを対決形式で二作品を並べて比較して、それぞれの作品の強みを解説していく。

    テクニック部門では、ある一部を拡大し、静物、人物の眼、髪、服の皺や素材、装飾品、建物など、様々なモチーフを比較し、画家たちのそれぞれの技法に迫るもの。

    主題部門では、裸婦、グロテスク、ナルシシスト、日本大好き、聖母、ファムファタル(破滅をもたらす運命の女)、天使などなど。
    似たモチーフでもまったく描き方が異なり、面白い。

    以下、読書メモ。

    ・静物画というジャンルにおける最初の作品を描いたのがカラヴァッジョ。

    ・宗教画、風俗画では特に、その絵画の中にいくつも謎を潜ませることが多い。犬は忠誠、白ゆりは純潔のシンボル、青色は欺瞞、など。

    ・また、謎めいた寓意(人物やシンボルが暗示するもの)を書き込んでいることも多い。それらは知的な謎解きを楽しむ上流階級たちに好まれた。

    ・裸のマハを描いたゴヤは、晩年はマドリッド郊外に家を買い、黒い絵シリーズなど、人間の暗部を描いた。それは前半生の作風と打って変わったものだった。

    ・ロンドン生まれのターナーは、大気や光の効果を追求。新しい風景画を確立したロマン主義の画家。のちの印象派に通ずるものがある。
    故郷の静かな風景がを描き続けたコンスタンブルと、イギリスの二大風景画家と言われた。

    ・モネとクリムトの、日本大好き対決では、尾形光琳や歌川広重の作品も参考資料として掲載。どういう部分で影響を受けたかが分かりやすい。

    ・エコール・ド・パリ
    20世紀前半、セーヌ川の左岸モンパルナスに集まった芸術家たち(モディリアーニ、シャガール、キスリングら、ユダヤ人を中心にした彼ら)はこの地に魅了され、個性的な画風を確立しながらも、お互いに支え合った。彼らを、時代は「エコール・ド・パリ(パリ派)」と名付けた。

    作品の画像も適度だし、文章もわかりやすい。
    美術欲が深まる一冊でした。

  • 単純に面白かった。
    ただ個人的には、もう少し1枚の絵画を掘り下げた内容を読みたかった。

  • 壊れやすいガラスは「はかなさ」の象徴

    食べ物 腐りかけやたべかけの対比で生死を描く

    果物 豊さのシンボル

    赤い実は官能

    一本の蝋燭 万物を照らすキリストの象徴

    犬 忠誠心

    白は純潔

    ゴヤ 裸体を書き始めた

    メメント・モリ リゴッツィ 書物の上の頭部

    浮世絵は立体性のなさ、遠近感の無視がすごい

    パウル・クレー 色彩だけで表す  音楽を思わせる

    テンペラ画 卵の黄身を使った

    シュルレアリスムは無意識だけを描きだそうとしている

著者プロフィール

池上 英洋(いけがみ・ひでひろ):1967年、広島県生まれ。東京藝術大学卒業、同大学院修士課程修了。現在、東京造形大学教授。専門はイタリアンルネサンスを中心とする西洋美術史、文化史。『レオナルド・ダ・ヴィンチ―生涯と芸術のすべて』(筑摩書房)で第4回フォスコ・マライーニ賞を受賞、2007年に開催された「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の実像」では日本側の監修者となった。『錬金術の歴史』(創元社)、『「失われた名画」の展覧会』(大和書房)、『西洋美術史入門』、『西洋美術史入門〈実践編〉』、『死と復活――「狂気の母」の図像から読むキリスト教』(筑摩書房)、『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界』(東京堂出版)など著書多数。


「2024年 『パリ 華の都の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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