あの日にかえりたい

著者 : 乾ルカ

• 実業之日本社 (2010年5月20日発売)

感想・レビュー・書評

[ルビー婆さんの感想 · 2013年9月3日]

「翔る少年」が特に良かった。号泣した。その他はまぁまぁだった。

[exastさんの感想 · 2013年4月26日]

『たったひとり』でこの作家の作品に初めて触れ、続いての２作目。端正で上質な作品集。『世にも奇妙な物語』に必ずひとつははいっている感動譚的な、想いが呼ぶ奇跡、とでもいうテーマで描かれている。『へび玉』が、特に心に残った。

[言音さんの感想 · 2013年1月7日]

時空をこえた不思議で切なくて温かい話たち。
どの話も北海道が舞台なのはどうしてだろう？

『翔ける少年』『夜、あるく』が特に好き。

[miwawadxさんの感想 · 2012年10月25日]

ずっと心の奥のしこりとなっていたあの日。運命の岐路となったあの日。
時空間を超え生死の狭間をも超えて彼らはあの人と奇跡の再会をする。
それは心の迷宮から抜け出すためのラストチャンス。
頭で分かっていても心が納得しないと大切な想いって過去にはできないものだよね。
切なくて愛おしくてミステリアスな6つの短編。

「真夜中の動物園
「翔る少年」
「あの日にかえりたい」
「へび玉」
「did not finish」
「夜、あるく」

[奏多さんの感想 · 2012年8月5日]

あの日に帰れたとしても、結局は変えられない事実や未来が厳然と存在していて、悲しいというよりも、厳しいなぁと感じてしまいました。どれほど後悔しても、違う選択をしたいと願っても、それは無意味なんだよ、と穏やかに断定されているような。そして、それが最後の話でのメッセージへとつながっているのかなぁと思いました。

[siomizuさんの感想 · 2012年6月2日]

短編集なのですが、話としては暗〜く進んで、最後はちょっと希望がのぞいて終わる。最後の話は、すごくじ〜んとした。最後の話だけは、５つ星です！

[たけのこさんの感想 · 2012年5月1日]

　「あの日」に思いを寄せる人が登場します。
　「真夜中の動物園」「夜、あるく」「did not finish」は、時間を超えた不思議な雰囲気が漂い、その他の編は切ない内容でした。

　翔る少年を読んだ時は、切なさの乙一作品のようだと思いました。作者には失礼かもしれないけど、私にとっては褒め言葉になります。この中では、一番好きです。

　どの編もすらすらと読みやすく感じましたが、デジャブな気分を感じるところもありました。

[atsu117さんの感想 · 2012年3月21日]

ほのぼのよりもブラックが似合う作家さんなのでしょうね。
この本はブラック弱めですけど。
ブラック要素が無いと、読んでいる自分がドキドキ(笑)

[ochaitiさんの感想 · 2012年3月14日]

「翔る少年」が切なかった。東日本大震災のあの時の光景と重なるものがあった。静けさと闇の漂う短編6作品。

[graziemilleさんの感想 · 2011年12月22日]

帯に描かれてある帰る人とやってくる人の記憶の不思議、
気持ちの不思議の物語でした。
きっと誰にもあの日はあって、
覚えてるのか忘れてるのかはそれぞれなんでしょうが、
それでも生きている人は、生きていく。

著者プロフィール

乾ルカ
一九七〇年北海道生まれ。二〇〇六年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。一〇年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補。映像化された『てふてふ荘へようこそ』ほか、『向かい風で飛べ！』『龍神の子どもたち』など著書多数。８作家による競作プロジェクト「螺旋」では昭和前期を担当し『コイコワレ』を執筆。近著の青春群像劇『おまえなんかに会いたくない』『水底のスピカ』が話題となる。

「2022年 『コイコワレ』 で使われていた紹介文から引用しています。」