微笑む人

著者 :
  • 実業之日本社
3.09
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本棚登録 : 1180
感想 : 252
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536071

感想・レビュー・書評

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  • 貫井さんらしくぐんぐん引き込まれる作品。一気読みしてしまった。犯人の内面を考えようと物語が進行していくが、人が考えていることなんて分からないものだと共感してしまう。分かりやすい結末が好きな方には不評かも。

  • カミュの「異邦人」を彷彿させる内容。理由なき殺人に関するお話。記者のやりとりみたいだった。

  • 作家がルポを書くという形で第三者の視点で語られていくある事件。


    水難事故で母と幼い娘が亡くなった。
    しかし、後になって、目撃証言とDNA検査から事故ではなく殺人事件だったことが判明する。
    犯人は夫、仁藤俊実であった。
    動機は、本が増えて家が手狭になったから。


    インタビューを重ねていくと、多くの人が仁藤は温厚で冷静で頭のいい人物だと言う。
    冤罪なのではないか、と疑っている人も少なくない。
    しかし、少数ではあるが違う意見を持つ者もいる。
    また、仁藤の周りで起こった不審な死も新たに何件か出てくる。
    品薄のゲーム機を手に入れるために友人を殺した?
    一年後の出世を待てずに先輩を殺した?
    自分に付きまとう刑事に冤罪事件を被せた?



    読んでいてだんだん不安になってくる。
    最初に「第三者の視点で」と書いたが、主人公の小説家はおおよそ客観的でも冷静でもないように感じられるから。
    と、思いながら読み進めていたら、あぁそういうオチだったのかと納得。

  • 久々のハードカバーを借りた日すぐに一気読み。
    妻子殺しの容疑者である夫を、いろいろな人の証言から紐解いてく。人にはいろんな面があり、何が本当のその人なんて誰にもわからない。

  • 妻子を殺したと自白した夫の仁藤を巡り、小説家が真実を解明するために取材をする話。殺害の動機「本が増えて手狭になったので殺した」は本当なのか、そして、本当に殺したのか?話は会社の同僚から、大学時代の同級生、果ては少年時代までさかのぼり・・・。この話のポイントは、最後のほうで語られる「世間の人はみんな、わかりやすいストーリーを求めてるんですよ。わからないのはいやなんです」のひと言。確かに、真相はその本人しか知りません。だからといって、ラストまで積み重ねたものを壊して、そのままかい。まあ、これがいいんだろうな。

  • さすがです。
    が、最後は好みが分かれるところ。
    いつまでも心に残る本であるのは間違いないです。

  • 仁藤は堺雅人さんで脳内再生

  • エリート銀行員はなぜ妻子を殺したのか。ひとりの人物を周囲の人が様々な角度から語っていくルポルタージュ形式の構成は記事調あり口述調ありで飽きさせない。残りページが少なくなる中、どう決着をつけるのか楽しみにしながら迎えたラストは…何とも言えない。
    納得したいために犯罪にわかり易いストーリーを求めるのは危険だと言われても…確かにその通りだし、こういう終わり方もありかなという気もすれば、小説なんだからわかり易く納得させてすっきりさせてよという気もするし。これで終わり!?とは思うけど全体としてはおもしろかったしひきこまれた。
    読んでいる最中、怖いのに何度も表紙の挿絵を見かえしてしまった。

  • 虫を殺すように人を殺せる人の話。
    【悪の教典】の主人公のような。
    この話の発端は本を置く場所に困り、妻子を殺せば場所ができる・・と殺しちゃうとこからなんだけど。
    そんな理由でも殺せる人が世の中にはいるんだろうね。
    周りから人格者と認められてる人ほど実は怖いのかもと思っちゃう。

    悪の教典のように派手ではないけどまぁ普通に面白かったです。

  • モヤモヤ感ハンパなし。
    あれやこれやの謎は置いてけぼり。
    犬を怖がった、隣家のお父さんを殺した?友人を殺した?全く解決なしで、人はそれぞれです、みたいな終わり方に、誰かも言ってたけど、確かに「驚きの結末」でした。
    もっと頑張ってよ、貫井さん。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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