微笑む人

著者 :
  • 実業之日本社
3.09
  • (27)
  • (139)
  • (275)
  • (99)
  • (23)
本棚登録 : 1180
感想 : 252
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536071

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 確かに他人の心のうちなんて分かりようがないし、また分からなくてもそれが当然と思っているのに、何故か殺人の理由だけは明確に求めるところはあるけど・・・こういう小説の終わり方もあるんだねぇ、と思えるかどうかで評価が分かれる作品だろうな。

  • 趣旨はわかるし、面白いと思うけれど、エンターテイメントとしての面白さは感じられなかった。スッキリしない、結局よくわからない、、、だって、それが趣旨なんだから。一般的に理解できない動機で人を殺せる人がいるっていう物語なんだから。肩がぶつかったから人を殺す。殺してみたかったからっていう動機で人を殺す。そういう動機も、気持ちとしては理解できないけれど、一応、論理としては理解できる。この本は、その、論理としても理解できない動機で人を殺せる人を書こうとしているのだから、そりゃもう、スッキリしないに決まってるし、動機がわからないに決まっている。複雑になる本だと思う(笑)

  • 妻子を水難事故で失った悲劇の人物仁藤俊実。殺害現場を偶然目撃した証言から仁藤は殺人罪で逮捕される。ある小説家が仁藤のノンフィクションを書くために取材を続けると、仁藤の周囲には不審死を遂げた人物が何人も浮かび上がってきた。
    ノンフィクションの取材を進める小説家の語り、という形で小説は進む。実際のノンフィクションに比べると薄っぺらいと言わざるを得ない。人間の想像力はこの程度なのか。

  • 最後、ちょっと物足りないけど。一気に読んだ。

  • 貫井さんぽいですね。
    でもちょっとわかりにくかったですね。

  • 貫井さんの小説読むの初めてだったけどすんなり読めた。
    結構ぐいぐい読めて時間もあからなかったなぁ。

    終わり方はすっきりしない。
    ミステリーって、トリックやら動機やら殺人者の告白やら探偵の謎解きがカタルシスのための装置として置かれていると思っているのだけど、そういうすっきり感がない。
    嫌ミスってやつなのかな。「本当」はどこにもない。
    事実はここにあるけど、真実には誰も近づけない。

    人1人を明らかにしようとすると、その人を語る誰かがどうしても必要になる。客観的な人物評なんてないのかなぁ。
    そういうことをぐるぐると考える小説だった。

  • 「他人の心の中は理解できるわけがないとわかっていて、殺人犯の心理だけは理解できないと落ち着かないのか」
    たしかに。理解できるトラウマや動機がなくても殺人はおこりえるもの。

  • はじめは事故に思われた母娘の死が、夫・仁藤の犯行であることが判明する。彼を知る人が語る人物像と大きく乖離する犯行と動機。彼が語った動機は世間を衝撃と混乱の渦に巻き込んだ。興味を惹かれた小説家は彼についての調査をルポ形式にまとめる。

    好みの別れる作品だと思う。
    個人的にはある程度の結論が出ている方が好きなので。
    仁藤について非常に興味を覚えたし、中途半端な印象はあるものの、ラストはああと納得はできる。
    人は自分の視点でしかものを見ることはできないのだから。

  • 確かにこれは、好みが分かれるかも、な本。

    わからないまま。


    「人は自分の見たいようにしか他人を見ない。」
    「わからないことを認めてしまえば、たちまち不安になるから」


    わたしは、好きでした。おもしろかった。

  • ルポ形式の作品は苦手なのだけど、仁藤という人物の
    心の闇に迫る衝撃のラストを期待して読み進めた。
    調査が進むたび明かされる仁藤の周囲で起こっていた
    不可解な死。
    で、終盤、彼のトラウマの原因たる事件を知る人が
    登場し、大いに期待したわけだけど、、、
    なんだ、こりゃ。
    あんなところで結論を放り出されたら、そりゃ衝撃だわ。
    もちろん、ほめてないよ。
    ありえないって。
    なに、あの中途半端さは。
    序盤のモノローグがあっても、読者は、語り手たる
    作家が(証拠はなくとも)一定の結論を出すことを
    期待するものなんじゃないの?
    びっくりしたわ、もう。

全252件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

貫井徳郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×