クスノキの番人

著者 :
  • 実業之日本社
3.82
  • (559)
  • (1186)
  • (774)
  • (99)
  • (20)
本棚登録 : 9909
感想 : 917
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537566

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 人が死なない東野圭吾作品。
    伏線回収しきれていないように感じましたが、物語としてはして楽しめました。ファンタジーですね。
    主人公の更生スピードに強引さを感じます。

  • 不幸な人生を歩んできた主人公の青年が、親戚の叔母から、とある神社のクスノキの番人を任されてから起こる出来事を描く。伝えられなかった思いの切なさや人を思いやる優しさを感じられる作品。

  • 初の東野圭吾作品。
    一度読んでみようと思いつつ、ミステリー小説は後回しにしているのと、ドラマ化されている作品が多いので、イメージができてしまっているのもあり、なかなか読む機会がなかった。今回、ミステリーではない小説を書かれたとのことで、トライしようと、この『クスノキの番人』を読みました。
    巨大なクスノキに念を預け、その念を受けとる。なんて素敵なんだろう。実際にはありえない話だけど、何百年ってそこに居続け、無数の出来事を見てきたクスノキには、何か秘められている力があるように思う。
    その「クスノキの番人」を任せられることになった玲斗が、だんだん頼もしくなっていく姿が楽しく、祈念の真相がわかるにつれて、どんどん話が面白くなっていった。クスノキの番人を任せることにした、玲斗の腹違いの姉、千舟との関係も興味深くて、最後はちょっと胸が熱くなった。
    ミステリーのイメージとは全く違う、とても温かい物語だった。

  • 玲斗くんの成長物語。
    念を預け、念を受け取るクスノキだけどその力を借りなくても、しっかりと向き合えば想いは伝わるんだと信じたい。

  • とても神秘的な謎を解明していくお話だった。

    東野圭吾といえばミステリー!ミステリーといえば、殺人や刑事が登場するのが定番でそういうものだとこれまで思い込んでいたが、こういう不思議な謎を解明していくミステリーってのもまたとってもいいなぁ。

    あっと驚くような大どんでん返しがあるわけではないけれど、不思議な謎を主人公と一緒に解き明かしていきつつ、あったかい気持ちも共に感じられた素敵な作品だった。

    450ページほどの作品だが、読みながら先がどうなっていくのか気になり、中だるみなく楽しみ続けながらの読書ができた。

  • 人の念、思いをクスノキに伝える。ファンタジーかと思う部分もあるけど、人の念は物に伝わると聞いたこともあるので。人との繋がりを感じれる作品でした。

  • ファンタジックな優しい話だった。中盤から主人公が成長していくのを実感しながら読んでいた。

  • 不思議な力を持つクスノキと、人と人の繋がりの物語。丁寧に語られる物語に最後は引き込まれた。
    派手なシーンはないけど、とても綺麗な映像を想像しながら、ゆっくり読む事ができて満足。

  • あらすじ
     玲斗は2週間前から神社の管理人。そこには大きなクスノキがあり、大事な役目は夜にある。予約制で、お客一人だけがクスノキの洞にこもり、何かしているのだ。玲斗がこの仕事についたのは、母親の異父姉、千舟の指示。窃盗未遂で逮捕されたのを助ける条件だった。彼女はホテルグループの顧問。しかし、クスノキ祈念の詳細などは教えてもらえなかった。
     祈念にくるのは紹介のみで、千舟が受け付ける。佐治という男性が祈念に来たときは、娘が尾行していて、玲斗と知り合う。娘は佐治の浮気を疑っていた。行きがかり上、佐治の行動や兄について調べるうちに、クスノキの秘密が少しわかる。クスノキは念を預けたり、受け取ったりできるのだ。それは新月・満月の夜が力が強く働くものらしい。また、念を受け取るのは血縁者に限られるのだった。
     仕事に慣れてきた玲斗は、グループ会社内での千舟を心配し、自らクスノキに入る。そして、千舟が認知症を患い、自ら引退しようとしていることを知り、クスノキの番人としてしっかり跡を継ぐことにする。

     面白かったー。どんな展開になるのか予想がつかなかった。同時に、大きなクスノキの様子とか、登場人物の人生が丁寧に描かれていて、穏やかに温かい気持ちで読むことができた。後半部分の、佐治が娘優美に兄作曲の旋律を伝えたくて念を預ける場面が印象に残った。旋律だけではなくて、いろんな念も預けることになるから、自分の汚い部分、暗い部分も見せることになるのではないかと悩む場面。そこから、これまで念を預けてきた人は、これまでの人生に覚悟というか、自信があった人たちなんだろう。もしくは後に残る人たちにどうしても伝えたいことがあるとか。
     玲斗の生に対する希薄さ・淡泊さも印象に残った。20年ほどの人生で、不運続きだったけど、それについてあんまり不満を持っていないところが逆に不安に感じた。とりあえず今日を生き延びればいいやという感じで。優美に対してもあっさり引き下がったり、淡く期待したりな様子だったし。最後で千舟の跡を継ぐという意志を見せたところが変化の兆しかな。
     まだこのお話を読みたい。続編を期待します。

  • (BOOKデーターベースより)
    その木に祈れば、願いが叶うと言われているクスノキ。 その番人を任された青年と、クスノキのもとへ祈念に訪れる人々の織りなす物語。 玲斗

    人が死ぬ前に残す念、それを受け取る残された人。番人の玲斗に先祖代々の番人としての受け継がれた人徳があるのか無いのかはっきりせんかったわ。

全917件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

東野圭吾の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×