- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784414400564
作品紹介・あらすじ
心理療法過程における治療的変化を促進する要因として、セラピストが語る内容、語り方以上に、相互交流・"体験の現れ"を通してクライエントに伝わるセラピストの感性・姿勢、暗黙の信念・意図・思いが非常に重要である。この視点の検証に向けて、面接のなかのほんの小さなやりとりや言葉による交流の背景に漂う、言葉にしがたい相互交流の現象を"体験の現れ"という観点から考察する。精神分析的な心理臨床の現場でますます重要になってきている相互交流、それを理解するための間主観性理論への格好の入門書ともなっている。
感想・レビュー・書評
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「伝わる」人間性。
「伝わる」真摯さ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
非常に人間らしい応用心理学の本だと思った。
臨床例とともに、セラピストとしての森さんの視点が添えられていて、セラピストとクライエントとの相互交流における細やかで繊細な視点に、ふるふるした。
伝える内容、伝え方だけでなく、相互交流の中で伝わるその人の感性や姿勢や暗黙の信念、意図、思いが大切であることを述べていて、はっとさせられた。 -
間主観理論を用いるカウンセリングの現場とクライアント理解の具体例が多数示されている。筆者の森さち子氏は丸田俊彦氏の著書『間主観性の軌跡』によると「非常に間主観的な感性を持った治療者」であり、故小此木圭吾氏が「彼の臨床的感性の代弁者として彼女を重用していたのは誠にもっともなことである」だそうである。
自閉症治療の可能性についても論じられている。