ケースワークの原則[新訳改訂版]:援助関係を形成する技法

  • 誠信書房
4.13
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本棚登録 : 240
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784414604047

作品紹介・あらすじ

この本を出版する目的は、ケースワークにおける援助関係を全体として、あるいは分解して、説明し、定義し、そして分析することである。

感想・レビュー・書評

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  • ソーシャルワーカーの基本書。
    7つの原則は呪文のように唱えて、覚えて、そして活用しています。

    ソーシャルワークの仕事を始めた当初は、ひたすらこの7原則だけを意識して実践してきました。

    この本では、感情を扱うことの大切さが、すごく丁寧に描かれているように感じました。

    安心できることの大切さも。

    「つなぐ」のは、モノではなく、人の気持ち。
    その、基本の基本が、ここにあるように感じました。

    繰り返し、大切に読んでいきたい一冊です。

  • なんといっても相談援助技術に関する古典。
    福祉職じゃなくても、すべての介護職にも読んでほしいし、
    また、コミュニケーション技術の書として、あらゆる職種の
    方に読んでもらいたい。

  • 買う

  • 21:41読了。介護職員の研修などで紹介され、しばしば理想を語っているように受け取られる7つの原則だが、実際に本書に目を通してみると印象とは違い、現実と向き合うことを常に訴えかけている。また、指摘される問題が的確で読者の自省を促してくれる。つまずきを感じるたびに読み返すという人がいるのもよく分かる。

  • 2019/05/06 購入
    2019/06/09 読了 ★★★
    2019/08/04 読了

  • 【対人援助の基本姿勢】

    1、クライエントを個人として捉える(個別化)
    2、クライエントの感情表現を大切にする(意図的な感情の表出)
    3、援助者は自分の感情を自覚して吟味する(統制された情緒的関与)
    4、受けとめる(受容)
    5、クライエントを一方的に批判しない(非審判的態度)
    6、クライエントの自己決定を促して尊重する(クライエントの自己決定)
    7、秘密を保持して信頼感を醸成する(秘密保持)

    これらを基礎に、柔軟に考えて現場で対人援助を行う。
    色々な所で学んだことだ。
    普遍的な考えなのか、バイスティックから派生したものなのかは分からないが、今となっては目新しいものではない。だが重要な基礎である。

  •  
    ── バイステック/尾崎 新&原田 和幸&福田 俊子・訳
    《ケースワークの原則 ~ 援助関係を形成する技法 20060301 誠信書房》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4414604044
     
     Biestek, Felix P. 1912‥‥ America /Reverend(神父・司祭)。
    Society of Jesus(イエズス会)。PSW 博士(ソーシャルワーク)
    https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000031681236&Sza_id=B0
     
    (20180206)
     

  • 援助関係を説明し、定義し、さらに分析することが、ソーシャルワークの専門家にとって必ず大きな価値をもつことになるという確信から書かれたものである。個人を理解する上で、人間に共通するさまざまな特徴をできるかぎり知っていることも大変役に立つ、さらに一人ひとりのクライエントをより良く理解する上で、パーソナリティーがどのように発達して変化するのか、パーソナリティーが生活上のストレスにいかに反応するのかを知っておくことも重要である。物を所有したり使用したりすることのなかに真の幸福はない、むろん、人間が生きるためには、あるいは人間が共通にもつニーズを満たすためには、食料、衣類、住まいなどの物が必要である、また、これらの物は人に快適さや歓び、そして満足感を与えている、しかし物がそれ自体、幸福を与えるわけではない。クライエントを個人として捉えることは、一人ひとりのクライエントがそれぞれに異なる独特な性質をもっていると認め、それを理解することである。クライエントは、友人のように話を聴いてほしいと思っているだけでなく、有能で専門的な能力をもつ人に話を聴いてほしいとも願っているものである。クライエントの感情には、彼のもっとも個人的な特徴が反映されている。ケースワーカーは援助全体のの情況全体に合わせて、自分の情緒的な関わりを吟味すべきである、そうすればワーカーはバランスのとれたものの見方を常にもちつづけることができる。クライエントを個人として捉える手段……きめ細かく配慮すること、面接時にはプライバシーに配慮すること、面接時間を守ること。ケースワーカーは、クライエントの感情表現を妨げたり、非難するのではなく、クライエントの感情表現の援助という目的をもって耳を傾ける必要がある。援助の初期にケースワーカーは、問題それ自体ではなく、問題と深い関わりをもっているクライエント自体に関心を向けるべきである。クライエントから、恐れ、希望、そして敵意などを表現する機会を奪うとすれば、それはクライエント全体を否定することと同じである。面接の目的の一つは、クライエントの緊張や不安を緩和し、クライエントが問題を自分自身でいっそう明瞭かつ客観的に捉えることができるよう援助することである。クライエントの問題や人柄をいっそう的確に理解することである、
    クライエントが表出した感情は、その問題がクライエントにとっていかなる意味をもっているのか、あるいはクライエントがその問題をどのように 理解する鍵である。クライエントの感情表現に対しても、各事例の援助目的を達成するために、建設的な方向で制限を設ける必要がある、クライエントの感情表現が「うっぷん晴らし」になってはいけないし、援助の目的からそれた感情表現も不適切である。クライエントが一時的、あるいは部分的に、ケースワーカーに依存するためには、何らかの感情をワーカーに表出する必要がある、しかし同時に、ケースワーカーはそれが過度の依存とならないよう注意もしなければならない。ケースワーカーがクライエントの敵意や否定的感情をしっかりと受け止める態度は、クライエントが自分を一人の個人として、また価値のある人間として感じられるようになる基礎である、
    この体験が、クライエントが自ら変化をなし遂げ、問題を解決しようとする最初の動機となるのである。ケースワーカーの自己研修とは、ワーカーが自分のもっているさまざまなニーズや感情を自覚することである、この自覚を蓄積することによって、ワーカー自身のニーズや感情がクライエントの感情を感知する仕事を妨害しないようにすることができるようになる。ケースワーカーは必ずしもつねに言葉によって反応する必要はないということである、反応は知識と援助目的に沿って、態度と感情によって伝わればよい。ケースワーカーの反応は、それがワーカーのお「心のなか」をきちんと通過したときにだけ意味をもつものである、クライエントは、心を通過しないワーカーの言葉を見抜くものである。受容(受けとめる)……人に対してこの言葉を用いるときは、受けとめるは尊敬の念にもとづいて人に応対することを意味している。ソーシャルワークの専門家としての責務は、人を受けとめることと、道徳に反したり社会のルールに反したりする行為を受けとめることとを、混同しないよう注意することである。人間のもつ価値と尊厳は、無限なる神自身が定めた基準と法則によってしか、比較したり、評価することはできない。ワーカーは、人間のあらゆる感情に好意をもち、それらを理解しなければならない、また、いかなる感情にも寛容にならなければならない、相手が最善を尽くすよう期待し、しばしば最善を尽くすべきと相手に主張することのできる人間でもなければならない。人の成長は、何よりもまず生活手段を確保することから始まり、ついでさまざまな機会に恵まれることに左右される。ケースワーカーが自分の人生において未解決の葛藤を抑圧しているという現実を直視しなければ、クライエントがクライエントの人生のおける同様の葛藤をクライエントのものとして扱うことはできないのである。クライエントを一方的に非難しないという態度は、クライエントを裁くことが人間の基本的な権利を侵害し、援助を損なう恐れをもっているという、ケースワーカーの内面にある確信から生まれるものである。クライエントは忙しそうに立ち働いているケースワーカーにも、話をするのをためらうものである。クライエントは他のクライエントと比較されることを好まない、多くのクライエントは、自分がある枠や典型例にはめ込まれると感じれば、ワーカーが自分を型通りに判断を下し、分類していると感じとるものである。ケースワーカーは、つねにクライエントをより良く理解する上で助けになる人格構造を高めるよう求められている。秘密をうち明けられた人が、うち明けた人の意志に反して、それを暴露するとすれば、その行為は窃盗と同じである、また、人が合法的に知りえた秘密であったとしても、それを暴露することは正義を侵す行為である。

  • ソーシャルワークに関する古典とも言うべき書。
    ここに示された7つの原則は、対人援助を行う上で、常に振り返るべき原点である。

    理想と現実、好ましい感情と否定的な感情などあらゆる葛藤的な状況=複雑さを丁寧に記述している。

    新版になって、訳としても読みやすい。

    難点を言えば、時折顔を見せるキリスト教的な言辞、(例えば神などの言葉)が、私にはちょっとぶっ飛んでいて困惑してしまうが。

  • 精神保健福祉士のレポート用に購入したけど、7つの原則は心にしみ入りました。
    カウンセリングとの違いについても理解ができました。

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