基礎から学ぶ 紅茶のすべて: 美味しくするテクニックから歴史や産地の話まで
- 誠文堂新光社 (2016年11月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784416716380
作品紹介・あらすじ
日本の紅茶の輸入量は約3倍に増え、紅茶を愛飲する人たちも日々増加しています。
紅茶に対する関心は、イギリスのアフターヌーンティをはじめとして、
世界126カ国で愛飲されるナショナルドリンクになっています。
本書では、歴史や文化、産地、また紅茶の効用や成分といった雑学的な知識から、
実際に美味しく飲むための秘訣、フードペアリング、
さらには、紅茶のブレンドなどを通しての商品企画についても広く扱い、わかりやすく解説するものです。
感想・レビュー・書評
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借りたもの。
わかりやすく充実した内容に感動する一冊。タイトル通りの「紅茶のすべて」についてまとめられたもの。
カラーページは最初の30ページ程で、あとはピンクベースの不思議な紙面しかないが、読み進めてゆくとそんな事どうでもよくなる。
各産地の紅茶の特徴――紅茶の色(文中ではを‘水色’文字通りの水の色と呼んでいた)、香りや味の比較、ブラックティー(日本で言うところのストレートティー)やホワイトティー(ミルクティー)の淹れ方に、各国の紅茶の歴史など……
実用としても、テーブルマナーや教養に至るまで、幅広い分野の話が展開される。
著者による香りの表現が、まるでワインのテイスティングのようで興味深い。
アジアにおいて身近なお茶は、(それ故に)欧州では高価な渡来品であったために、ステータスとして――そこには金持ちの見栄も絡んでいた――嗜まれた事が伺える。
また、水の性質(日本は軟水だが、イギリスは硬水)によって濃さや味の出方が変わってしまうため、欧州では身近な飲み物であったミルクを加え飲みやすくするといった独自の工夫がされ、今日に至るような様々なバリエーションが生まれたことが面白い。
欧州のお茶がやたらフレーバーなのを不思議に思っていたが、生水が飲みにくく、ハーブやフルーツ等で香りづけしていたという話を聞いて納得がいった。
山田詩子『紅茶の時間 The Teatime Book』( https://booklog.jp/item/1/4040673913 )はフレーバーティーを香水のように楽しむように捉えていたが、その感覚から更に深められた。
こうして世界中で嗜好品として愛飲されるようになった紅茶だが、紅茶本来の効能(デトックス効果、カテキンによる抗菌作用)についての言及など健康にも良い面を強調している。
そうしたものを科学的な根拠を交えつつ解説。
紅茶とは、かくも奥深い飲み物だったのか……まさに紅茶礼賛だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
紅茶にまつわる歴史も充実
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分厚さと文字の多さとは裏腹に、とても読みやすく面白かったです。紅茶の味や香りに触れている本は多いですが成分やらミルク(牛乳)について数ページかけて語る本は今まであまりなかったかなと思います。"ティーウィズミルク"表記を徹底されてるのにこだわりが感じられます。
紅茶から知る世界史も深く楽しかったです。こういう授業なら身が入るのになぁ。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/736276 -
紅茶の歴史、文化、飲み方について基礎的な事柄をまとめた書籍。商品企画についての解説もあり。