中世都市: 社会経済史的試論 (創文社歴史学叢書)

著者 : アンリ・ピレンヌ 佐々木克巳

• 創文社出版販売 (1970年9月1日発売)

感想・レビュー・書評

[ikebowさんの感想 · 2010年1月17日]

200ページとたいぶすっきりとした量で
文体も読み易く ものすごく気軽に読める良書。

副題にある通り、
ローマ世界から中世世界
中世世界からルネッサンスへと移りゆく歴史の中で
商業や工業のような、学校の歴史で出てくる
中世のイメージとは異なる視点から歴史を読んでゆく

そこから見えてくる、
土地と人との関係　貨幣と人との関係など
単純な歴史以上の価値を多分に内包していると言えるだろう
そして、この学説が1900年代初期に書かれている事に
驚かされる。

著者プロフィール

アンリ・ピレンヌ
1862年ベルギーのヴェルヴィエ生まれの歴史家。
1935年没。
リエージュ大学でヨーロッパ中世史を専攻。ライプチヒ大学、ベルリン大学に留学。1886年にベルギー・ガン大学教授となる。全ヨーロッパ的視野で、中世の都市および商工業のあり方に重点をおく社会経済史を中心に研究。著書に『ヨーロッパ世界の誕生』など。

「2018年 『中世都市　社会経済史的試論』 で使われていた紹介文から引用しています。」