僕たちは世界を変えることができない。

著者 :
  • パレード
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784434117565

感想・レビュー・書評

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  • 映画化もされたカンボジアに小学校を建てた大学生の話。ありのままに感じたことを書いていて面白く、読みやすい。

    本を読み、自分が今できること、やるべきことはなんだろうかと考えさせられた。
    文中に
    '本物の支援とは何でしょうか?
    モノや金をあげるのではなくその人たちが、その人自身で、その人たちの国を改善していくことこそが本物の支援だと信じます。'
    '一番大事な事は、カンボジア人が、カンボジア人の手で、カンボジアという国を良くする事だ。
    お金を奪う事はできても、教養は奪う事はできない。'
    と書かれており、自分も同感。
    実際、カンボジアに旅行に行きカンボジアという国は本に書かれているとおり人の笑顔がすごく良い。行ってみて大変好きな国になった。本にあるような悲惨な状況なのでこれから自分ができることを何かしらやっていきたいとこの本を読んで新たな夢ができた。

  • 学生のうちにもっと出来ることがあったんじゃないかと自分に問うた。
    と同時にこれからも素直に自分の出来ることをして生きていこうと思った。

  • 作者の葉田甲太氏が丁度僕と同じくらいの歳のころに途上国カンボジアで何かができないかと思い小学校を立てた話。

    カンボジアという国をほぼ知らなかった状態から1年後には小学校を建てるという目標を達成するまでの間の彼らの葛藤が赤裸々に描写されている。

    中でも印象的に残った場面がある。それは彼かが最初にカンボジアを訪れた時AIDS病棟で出会った女性と再会しようと再び小学校を建てる前に病棟に訪問した時、彼女はすでに亡くなっていた。その時作者の葉田甲太氏が「医者になるということはこういう不条理な出来事を、受け入れていくことなんだろうか」そのように自問自答した部分だ。僕は作者のような立派な人間になれるかどうかは分らない。だけどこれに似た感情を抱きさらなる高みを目指すときが遅かれ早かれ来るのだろう、読み終わった瞬間そう思いました。

  • そこらへんの大学生が、「ワクワクすることをしたい」と国際協力の学生団体を作って活動することに、私は違和感を抱いていた。しかし、この本の話は「ワクワクすることをしたい」学生の国際協力奮闘記であるにも関わらず、すごくスッと入ってきた。恐らく著者が等身大の自分(=普通の大学生)を描くのを恥じず、「カンボジアの子どもがかわいそうだと思ったから始めようと思った訳ではない」ということを正面切って認めていることから生まれる、潔さ・爽やかさによるものだと思う。そして、「ワクワク」の為に国際協力をやるのも、ナンパで集客したクラブイベントやイベサーの活動で資金を集めるのも、結果的にカンボジアの最貧地域の学校建設・運営に繋がっているのであれば、とても素敵なことだし、むしろ「国際協力はかくあるべき」みたいな固い考え方(自分も持ってたけど)こそが国際協力の発展を伸び悩ませていると思うようになった。

  • 行きたかったカンボジアだったけど、行くのが怖いと思わせる事実が沢山あった。貧しい生活でゴミの山に住む人たちの事、HIVの事、学校に行けない子ども達の事、地雷の事。どれも昔から知っていたはずなのに、日々の生活の中ですっかり忘れてた。素晴らしい世界遺産アンコールワットのある魅力的な国だけど、それだけではカンボジアのほんの一部で、すむ場所も食べ物も仕事もある私たち日本人が本当に見るべき所は他に沢山あると感じた。

  • 人生の中でもすごく大事な本。批判はいっぱいあると思うけど、この人の感受性はすごい。

  • 向井さんが主演で映画化ということで、購入していた本。
    一時間くらいで読んでしまったー
    今、このタイミングで読むことに何か感じるものがあります。

    自然の脅威の前には、力をなくしてしまう人間だけど、

    何かできることはある。

    でも、誰かがやってくれるその何かできることに、
    頼り切って生きてしまっては本当の支援にならないし、
    自立した生活は望めない。

    これまで、日本が国際協力の場で感じてきたことが
    この大震災でも少なからず当てはまるのではないだろうか。

    生きるための基盤を作ることは大事。
    生きていくためのエッセンスを与えることも大事。
    でも、それを元に、どう生きていくかがもっと大事なのかもしれない。早くとは言わないから、一人でも多くの人が自立した生活をできたらいいと思う。

    私は、私がいいと思ったことを文句言われても、賞賛されても、
    周りの意見に惑わされずやっていかなくてはと思った。

  • ある大学生のカンボジアに
    小学校を建てるあるものがたり。

    いつか自分も、カンボジアやラオスに
    学校を建てたいと思い、そんな話を社内で
    すると、共感してくれる男子社員もでてきました。

    この「僕たちは世界を変えることができない」
    という本を読んだ話を彼にして、

    まだ、そういう夢があるのか、聞いてみると
    将来、できたらいいと思っている、とのこと。
    じゃあ、読んでみてね、とプレゼントしました。

    人並みの楽しい学生生活を送っていた若者が
    何か違う面白いことしたい、ドキドキしたい

    そんなとき、カンボジアに小学校を建てる寄付の
    チラシを手にしたのです。

    150万で学校を建てられる。

    「チャリティーイベントでお金を集めて
    カンボジアに小学校を建てよう」

    そんな思いつきから、いろんなことがあるけど
    9ヶ月後にカンボジアで開校式を迎えたのだ。

    率直に、素晴らしい行動力だと感動します。

    高校の進学率20%
    ゴミ山に住む最貧層のひとたち
    深刻なエイズ問題
    ポルポトによる虐殺事件
    地雷の被害

    著者と仲間は、カンボジアに行って
    自分たちの目で、エイズ患者、地雷の
    被害者、ゴミ山に住む人たちに会って
    話をしてきます。

    そして、驚くのが、彼らはみんな笑顔
    だということ。

    地雷被害者や、学校行けない子供や
    貧しい人を、かわいそう、と決めつける
    のは、どうなんだろう。

    カンボジアを支援するためにきたのに、
    そこから大事なものを学ぶんです。

    一番近くにある、家族や友達を大切にし
    身の回りのものに感謝すること。

    学校を作っても、そのあとのフォローが大事。

    学校建設の支援をしたいという想いのある人たちが
    逡巡するのは、その後をどうするか、教師もいない、
    ただ建物だけあっても廃墟となっては本末転倒です。

    著者は、継続支援のひとつとして、
    向こうで買ってきたショッピングバックを売ったり、
    この本を書いて、収入の全額を小学校の維持費に
    あてるという地味な活動を続けています。

    この本は自費出版。
    下ネタが多くて、出版社からは、駄目みたいと
    ありますが、

    とても正直に素直に自分を語っていて
    風俗やデリヘル嬢の話もあるんだけど、

    世界平和や社会貢献、ボランティアと言っても
    私たちは恵まれた日本の地にいるのだから、

    生身の人間なんだからと、
    著者にはとっても共感できました。

    僕たちは世界を変えることができない。

    確かに。

    でも、一歩を踏み出した勇気は素晴らしい。

    著者は本の出版当時は医大の3年生。
    無事、国家試験に合格し、大きな
    フィールドで活躍されることを祈念します。

  • おススメの一冊。

    題名に惹かれて買ってみたけど、読むたびに力を貰う。
    世界を変えることは出来なくても、現実に頑張っている姿がかっこいい!

  • 生協で一気に立ち読みしちゃったんだけど、おもしろかった!
    ありのままで、潔くて、かっこいい。

    (読んで何ヶ月後に、実は本人と知らずに同じ空間にいた!!
    しかし彼が帰ってから知ったってゆう。。
    もう一回会えたらちゃんと話したいな!)

著者プロフィール

医師、NPO法人あおぞら代表。1984年兵庫県生まれ。国境なき医師団に憧れ、日本医科大学へ進学。大学在学中に150万円でカンボジアに小学校を建てられることを知り、仲間と実現した経緯をつづった著書「僕たちは世界を変えることができない。」を2011年に出版し、同年に向井理主演(葉田さん本人役)で東映より映画化される。2014年にカンボジアで新生児を亡くしたお母さんと出会い、2018年2月にカンボジア僻地に保健センターを建設。2019年3月よりタンザニア病院建設プロジェクト開始。「僕たちは世界を変えることができない。」(小学館)は累計10万部。

「2019年 『僕たちはヒーローになれなかった。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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