男子の性教育: 柔らかな関係づくりのために

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  • 大修館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784469267600

感想・レビュー・書評

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  • 借りたもの。
    「性に関する教育」というと、今までは女性のみに限定され、内容は生殖に関わる分野“のみ”であった。
    それを問題視し、メイクラブが快楽を伴う事の肯定と、自身の、性というものが汚らわしいものでは無いことを強く訴える。
    男性だけでなく、後半には女性の性についても触れる。「男女の性」の相互理解のために、布石を投じてくれる。「男女あるある」なネタとしてではなく。

    男性が女性の月のものについての知識を知らなかったり、女性は男性の射精(夢精など)に対して嫌悪感を持っている事は知らなかった。
    アンケートからの多数の「声」をまとめている点に、現在の性の認識を知る貴重なものだと思う。下手な雑誌のアンケートよりもはるかに。
    あと、男性が受ける性的虐待の事も言及。
    男性から男性(性的な“わるふざけ”とされるものも含む)、女性から男性もありうるのだ。

    世間は性への教育の重要性を訴えながら、それがおざなりになっていたり、ポルノまかせになっているのではないだろうか。
    メディアにおける性の表現が支配的・差別的・暴力的なものが圧倒的であることにも苦言を呈している。エロと言いつつ実態はポルノである。
    「エロス」と「ポルノ」の違いをしっかりと明文化してくれていて、それが他に見たことが無かったので、感動。

    夏目祭子『知られざる最強の創造エネルギー なぜ性の真実『セクシャルパワー』は封印され続けるのか』(http://booklog.jp/item/1/490502742X)がスピリチュアリティに依り女性的な視点から解釈しているなら、こちらは統計学的で男性的な視点で見た、対を成しながら同じことを説いている本だと思った。

    個人的には、昨今の晩婚化や少子化は、こうした自己肯定感の低さ――性的な嫌悪も理由のひとつではないだろうか。

  • 村瀬幸浩先生の『おうち性教育はじめます 思春期と家族編』が良かったので、コレも読んでみた。

    印象に残ったのが

    性欲は本能ではなく生理現象。消せないが、行動はコントロールできると。

    先生は

    「我慢できないのが男の性欲、女が襲われないようにしろ!」などは、盗っ人猛々しいし、腹立たしさを通り越して情けないって。

    みんなが、先生みたいならいいけど、そのためにも「性教育」が必要ですね。

    それに

    「性教育」は、単に性行動のことではなく、相手との関係や生き方につながると。

    また

    月経周期についても書かれている。

    夫がこの本を読んでいれば、妻の月経前症候群のイライラにも対処できたかも。

  • 性の知識を真正面から捉える。
    汚らしい見る側面が若い時にありがち否定の歴史もあった。
    それを肯定的に正しい知識もとに人として接する大切さを学べる。

  • 自身の不安を受け止めてくれた良書。
    著者が受け持っている授業の、学生からのフィードバックもたくさん載っている。

    汚らわしいものという強迫じみた性観と自己肯定、性被害、相互的自己肯定、女性の「生理」等基礎知識、まとめ

  • どこかいびつに断絶された、男と女。

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著者プロフィール

1941(昭和16)年名古屋市生まれ。一般社団法人“人間と性”教育研究協議会幹事、同会編集による『季刊セクシュアリティ』誌副編集長、日本思春期学会名誉会員。主な著書に『男子の性教育: 柔らかな関係づくりのために』(大修館書店)、『素敵にパートナーシップ』『素敵にシニアライフ』(大月書店)、共編著に『ヒューマン・セクソロジー』(子どもの未来社)などがある。

「2017年 『子どもと性 必読25問 タジタジ親にならないために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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