- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478007938
感想・レビュー・書評
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野口悠紀雄は賢いな。さすがだ。分かりやすく、論理的。参考になります。
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尊敬する、野口悠紀雄先生の著書。
サブプライムローンに端を発する世界経済危機、そしてそれに対して日本が荷担したこと(罪)と、今後の展望(罰)について分析されておられる。
野口先生の最も好きなところは、学者としてえらそうに高度な専門知識をひけらかすことなく、平易な言葉で論理的にわかりやすく伝えるその文章。
今回の先生のご専門である分野での著書で、決して簡単ではないが、うまく注釈があったりして、かなり理解できた。
日本の低金利政策が、「円キャリー取引」などの投機マネーを供給し、世界的なバブルを誘因したこと、日本の円安依存の古い産業構造が温存され、構造的な問題として、今後深刻な停滞が起こることを、かなり理解することができた。一部「〜であろう」というところに「なぜ?」を感じたが、それは複雑すぎるマクロ経済を語る上では、仕方のない不確実性なのかなと思ってみたり。
なにより気づきだったのは、本筋ではないが、今後どのような投資をすればいいのかにおいて、自身への教育投資が最も安全かつ効果的であることを書かれていて、目から鱗でした。
働き始めてから、しっかりと資産運用も考えていかなければいけないかなと漠然と思っていたところなので、原点を再認識させていただいた言葉でした。 -
今回の金融危機に日本がかなり大きく絡んでいることが分かる一冊。
円キャリーを通じて日本から供給された資金が、世界経済崩壊に無視できないほどに関係しているようだ。
ファイナンス理論が「使われなかった」ことによる、証券化商品の誤ったリスク判断についても言及されている。 -
アメリカの過剰消費。それをささえる日本の資金供給。
アメリカだけでバブルをうんだのではなく日本は共犯者というのが主張。
アメリカ人の将来の収益増加期待から借金体質での過剰消費。それによる経常収支の大幅赤字。日本による黒字還流でのサポート。
アメリカの経常収支赤字体質は解決にはほどとおい。したがってこれが解決しないかぎり、金融危機が解決しても次から次にまた危機がやってくる。
転売が巨額の利益を生むのはバブルの典型的特徴。
資産運用については「落ちてくるナイフをつかむな」「大もうけするチャンスより破滅から逃げる」 -
世界金融危機に日本が果たした役割を解明。
米国の景気回復のためには、米国の経常収支が健全になることが必要。 少なくとも3年かかる。
円高は続く。 日本型輸出製造モデルの終焉→トヨタ
アメリカ型投資銀行モデルの終焉→次のビジネスモデルはやはり情報産業か?
日本はGDPをアップしないと衰退するが、輸出型ビジネスモデルで成功しすぎたので、転換が大幅に遅延。
このまま、急激に衰退する可能性も有り。
特に、食料危機に関する記述は、非常に参考になる。 -
魅力的な文体だ。