- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478017715
感想・レビュー・書評
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芸人として読書家として、とても好きな太田さんの小説。
短編SF(星新一さんのオマージュ)形式で、実は話が繋がっているという仕掛けがあります。
一作目のまぼろしの鳥よりも読みやすく科学的で哲学的。
僕の好きな感じだ。
子供の頃の魔法のような想像は現実に起こる。自分の思い次第で、想像次第で、どんどん運命は変えて行ける。そんなことをこの年に(35歳)になってようやく気づきましたが。
素晴らしい小説だなぁ。もっと売れていいんじゃないでしょうか。
とかいいつつこの小説は図書館で借りました。
次回作は購入します。
あとどうでもいいんですけど、この小説のジャケットはパッと見、「明太子」に見えます。明太子好きですけどね。
“「大昔の、国も違う人々の書いた書物でも私は共感出来る。時間も場所も超越して共鳴出来る。それは私たちが点と点を繋ぐ能力を持っているからだ。私が死んだら、どれでも良い、一つ星を見つけてそれを私だと思いなさい。私は必ず、その星から君に声援を送っている。そして星と星を繋げて大きなイメージを作りなさい。そうすれば全ての星が君に声援を送っていることになる。私は、永遠に君の友達だ。点と点を繋ぐこと。それが私たち人類が胸を張って、この星の他の生命に誇れる大きな能力だ。君がその気になれば、この世界の全てを繋ぐことだって出来るはずだ。そうすればこの世界の全てが、君の友達になる」”詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大ファンの爆笑問題・太田光さんの小説第2作目・短編集。
太田さんはテレビでこそ、その毒舌が定着しているけど、
実際は、人の話はまず信じ、この世の中は素晴らしいものだと考える人。
そんな性格が表れた1冊です。
事実、いわゆる「悪い人」は登場しない。
太田さんが考える、
「未来ってこんな素晴らしいんだよ。期待していいんだよ。」
という思想が伝わってきます。
短編集だけど、1つ1つの物語がリンクしてるのもおもしろいです。 -
太田光の第二作
正直前回のマボロシの鳥は良さがよくわからなかったけど、この作品は読んだあとの爽快感があり、読んで行くうちに次へ次へと手が進んで行った
分析と現象については考えさせられた。文系人間として現象を第一に考えていたつもりではいたけど、人間は分析からは逃れられないものだと知らせれた。
また、短編集ながら全体の統一感と、また最後に行ったらもう一度読み返したくなるストーリーはすっかりみせられた。読んで良かった -
漠然と太田光ってすごいと思っていたけど、この小説を読んでホントにいろんなことを考えてるんだなと思った。
小説二作目で連作小説を書くのもすごいと思うし、しっかりテーマを持った小説を書くこともすごいと思う。
個人的には解析も好きだけど、自分もおっさんになったということだろうか。 -
最後まで読んでまた最初のページをひらいた。時間もなにもこえて、ループし続けるこの物語が、いとしい。
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■解説
地球、そして地球とは別の進化を成し遂げた星の過去と未来に秘められた謎。新たな文明へと踏み出すために動き始めた子供たち。果たして人類の行く末は生か死か? 絡み合うパラレルワールドが紡ぎ出す壮大な物語! 斬新なスタイルで描かれる太田光、渾身の書き下ろし小説。
■感想
「ダーウィン」を読むと、今の自分を「それでいいんだ」と肯定してくれる優しさが感じられる。太田さんの小説は、人類愛が感じられ、今回は特に被災者への眼差しがより一層やさしい。 -
直ぐに世界観に引き込まれるSFだけどとても身近な話が満載!
小説を初めて読む方にも是非オススメ! -
評価:★★★★★(5/5)
太田光の書き下ろし。2作目になる。
もはや「爆笑問題の」と付けなくてもいい、太田光の世界観がにじみ出たよい作品だ。
今回は処女作「マボロシの鳥」にあったようなテレは省かれている。
一つのストーリを22の短編で編み上げてげている。
キーワードとなるのは、文明、光、子供、時間・・・。
大人も子供も、老人も登場するのだけども、誰もが無垢な心を持っていて、大人大人していなくて、童話のようにも感じた。
一冊を通して、始まりも終わりもない不思議な物語で、読者を惑わすような巧妙な謎掛けがあるわけでもなく、かといって短絡的でもなく、心に響く物語だった。
いくつもの短編が見事に絡み合っているので、一度読んだ後で、また読み返したら印象も変わってくるんだと思う。
何度でも楽しめそう。
太田光の思想のごり押しではなく、彼の見た、彼の見える世界を覗かせてもらえる話がいくつもある。
(ちなみに、僕は彼の政治思想は好きではない。)
時に胸を締め付けられるような悲しい話も登場するのだけども、またそれを中和するような道筋もあり、落ち着いて読めた。
読了後に何ともいえないよい気持ちにさせられる本だった。