僕らの時代のライフデザイン 自分でつくる自由でしなやかな働き方・暮らし方

著者 :
  • ダイヤモンド社
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本棚登録 : 417
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478022689

感想・レビュー・書評

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  •  「ノマドの人達の将来設計ってどうなってるんだろう?」この本を読むまで、僕はいつもそんなことを疑問に感じていた。終身雇用、年功序列の古き良き働き方に比べて、悪い意味で行き当たりばったりのこの新しい働き方がアリとキリギリスのキリギリスのように思えたからだ。

     この点に関して、著者はノマド的働き方を「人生の時間軸を横に倒す生き方」と説明している。昇進したら、定年したらという縦軸上に自分の第二の人生の楽しみを置くのではなく、週3日働き3日半はリタイア生活を送るという具合に、横軸上に理想の生き方を配置するのだ。そういった観点からすると、なるほど確かに、一般人が考える老後の心配などは、そもそも想定の範囲外なのだろう。

     本作は、いわゆる「ノマド的ライフスタイル」についての紹介本であり、押し付けがましいエゴイズムはほとんどない。新しい生き方の標としたい方には物足りないかもしれないが、怪訝で胡散臭い印象を持っている方が実態を知る術にはなり得る著作であると思う。

  • 2013年に発行された本だけど、そこまで古さを感じない。まだこんなに自由に働ける人が少ないからだろうな。背中を押してはくれるものの、紹介されているケースはかなり頭がいい人か、大企業or自営業で稼いでいる人という印象。東京で賃貸マンションと千葉に一軒家を購入して住んだり、軽井沢から東京まで新幹線通勤してる人、子供と一緒にマレーシア移住した女性など・・・。

    海外で活躍する日本人女性へのインタビュー、なでしこVoice,よく聞くな。セレンディピティ、「探していたもの」ではなく「探してもいなかったもの」が見つかった話。計画の完全性を追求するのではなく、途中で起こる偶発性を前提として動き出すこと。クランボルツの「プランド・ハプンスタンス・セオリー」。

    60歳まで40年間働き、その後の20年を趣味に生きる老後とする縦の計画を横に倒す。つまり、1週間のうち3日半働き、3日半は引退生活をする。→たしかに、定年まで働き続けられる保証はないし、老後は体力も落ちて頭もにぶくなって、若い時ほどフットワークよく動けなかったりする。だから、いま海外にいったり、自分がやりたいことを学んだりしたい。それはすごくわかる。
    ビジネスをしながら海外にも住む。子育てしながら旅行もする。ええなあ。具体的にどうやれるのかはわからないけど。

    翻訳家で1年のうち数か月をニューヨークで過ごし、福岡で東京の仕事をするという例もいいな。長期旅行のために会社を辞めざるを得ないのは日本だけ。やはりインターネットのみで完結する仕事は重要。世界中どこにでも好きなところに行き、好きなことに打ち込める自由を手に入れるために。ただ、それを「稼げるレベル」までもっていくまでが大変そう。

    ゲストハウスを成功させた若手起業家の話にも納得。人は「どうやって成功できたか」ノウハウばかりを聞きたがるが、最初からゴールがわかっていたわけではなく、流れに身を任せて今に集中して積み上げていった結果。だがそれを人に説明すると不安そうにされる。なぜなら人は明確な目標設定と完成図を求めるから。通常は誰もが理解できるコンセプトを言葉で用意し、誰もがまねできるマニュアルを作って量産や拡大に対応していく。しかし、それでは真にオリジナルなものは作れない。

    ★参考文献
    「なりわいを作る」→既読。床のはりかえやってみたい。DIY系何もできない。
    新卒後過酷な労働環境で1年余りで退職した著者。ライターで少ない原稿料をあてに細々と暮らすより、自分で作ったツアーを紹介する文章に自分の執筆能力を使うことにした。スキル自体を切り売りするのではなく、ナリワイのために使うという発想。でも、そのナリワイを作るのが、一般人には難しいんだな。
    「ニートの歩き方」→これも既読。
    ちなみにどちらの著者も京大卒。
    「つながらない生活「ネット空間」との距離の取り方」

    一人だったら、シェアハウスや家電のサブスクもありだなと改めて実感。実際一人暮らしの時そうしてたし。モノを所有しすぎるとしんどい。

  • あいだで暮らす。
    都会と田舎の良いとこどり。
    今後独立するのに参考にしたい点も多い。

    田舎には田舎で都会にない人間関係やルールがありますし、草刈りや地域の祭参加などもある、そういう事が出来るなら田舎暮らしどうぞ。

  • 著者のノマド・ワーカーとしての経験から、社会の枠にとらわれない生き方について書かれた本。

    ノマドとは「時間と場所にとらわれずに働く人、もしくはそういった働き方」という意味を持つらしい。
    今のコロナ禍においては社会はテレワークという働き方を推し進めている。このような状況が終わる頃には、ノマドという働き方も主流になっているだろう。
    都市部の人口集中のピークは今なのではないかと思う。ノマドという働き方が広まることと同時に、地方の人口過疎化の問題も解決に向かうと考えている。

  • ノマドトーキョーの体験はいろんな気づきがある。著者が言う、東京は巨大なコンビニみたいというのは、確かにわかる気がする。
    自分のライフデザインを再考する足がかりになる一冊

  • ノマドをノマドワーカーという狭い枠ではなく、もっと多角的に捉えようと
    した本。ノマドトウキョーという取り組みをしていたなんて全く気づいて、いなかった。とても興味深い取り組みと思う。ぜひ、その時のことを本にまとめて欲しい。

  • いろんな生き方を紹介している本。著者の実験的ライフスタイル、ノマド・トーキョーのほうが興味が湧いたのでそちらをもう少し詳しく記してもらいたかったかも。感想としてはいろんな生き方があるんだなぁ。しかし、それらを実現させるためにはやはり人並み以上に稼ぐ必要はやはりあるな、という感じ。著者も書いていたように、こういう事例を知っている人には真新しさを感じないということで、自分はそうだった。確かにこういうのを知らずにもがいている人は読んだ方がいい本。

  • 『ノマドトーキョー』という生活実験の記録。『ノマド』はもはや蔑称のような扱いを受けているけど、この本に登場する人たちの中には、そんなふわふわチャラチャラした感じ人は一人もいない。誰よりも真面目に自分の働き方・生き方と向き合っている人たちばかりだ。『ノマド』批判の根底には、自由に楽しげに人生を謳歌している人たちへの嫉妬の感情があるのだと思う。自分とは違う人種としてシャットアウトするよりも、素直に取り入れたいと思える考え方がたくさんあった。

  • ■二番煎じ,三番煎じの感があり,特に新しい知見はなかった。
    ■複数の自分を持つ「多アカウント」時代になるのではなく,
     むしろ,逆にアカウントは一つに統合されていくと思う。
     別個独立にアカウントを持ったとしても,すべて繋がってしまう。
    ■情勢が安定的でないから,流動的に生きようとするのは,
     自然な流れなのかもしれない。
     しかし,全員が流動的になってしまうと,結果,
     ますます社会は不安定になってしまう。
    ■すべては結果論。スキゾであろうとノマドであろうと,
     うまくいけば,その選択は正しかったと判断されるのだろうし,
     うまくいかなければ,その選択は間違いだったと判断される。
     そのとき,自分が正しいと思う選択を選び続けるほかない。
    ■いろいろな生き方があるのだと,自分の選択肢の幅を
     広げることができる。
     (選択肢の幅の広狭も結果論なのだろうけど。)

  • こんな生き方もあるんだと分かる。将来への不安や、選択で迷っている人にはオススメ。でも、実践できる人はいないよなぁ。

著者プロフィール

フリーランスの編集者

「2014年 『デジタルデトックスのすすめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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