- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478103906
感想・レビュー・書評
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◯問い
地域再生に行政の支援は必要なのか
◯答え
・補助金による支援は必要ない
・地域支援も今の時代に合わなくなったらやり方変えるかやめる。その際従来の考え方の人たちとなぜ対立するのかに着目する。
・人材養成、情報発信、他地域や企業団体とのつながりづくりでは支援できる余地ある
・中長期的に見て支援することで投資回収できそうだったら支援する
◯根拠
・補助金は短期的にはインパクトあるかもしれないが、予算切られたら終わり。地域を補助金に依存させることは行政の罪
・地域も高齢化や人口減進む中、ニーズ多様化している。従来のやり方は継続できない。
・企業や団体とつながり作りやすいのは行政の強み
◯やること
・何を言うかより誰が言うかで人は動く。気にかけていることが伝わるように日頃から振る舞う。
・やらなくても人の命に関わらない事業をやるとき、なぜそれをやるのか、全員で共有する。
・打合せでは次にやることと期限まで宣言してもらう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
audiobook.jp の聴き放題に来ていたので聴いてみた。
内容はタイトルの通り。地域再生について。1人称視点の物語仕立てで描かれる。
主人公は、良い大学を出て、東京の良い会社で働いていた男性。実家の用事で地元に帰省した際、ひょんなことから地域再生に関わり始める。
地域再生に関して、主人公はこれまで培ってきた自分の能力が通じないことを実感。挑戦心を掻き立てて、東京の会社を退職。フルタイムで地域再生に関わり始める。
地域再生の内容は本格的。地元のイベントの出店してみたり、法人化してみたり、古民家シェアハウス事業を始めてみたり。具体的な内容が出てくるので、とても勉強になる。
しかしもちろん事業は万事順調というわけではなく…。補助金をちゅーちゅー吸い取るだけのコンサルや、思い通りにいかない相手を排除しようとする行政担当者など、地域再生の苦労もよく描かれている。
面白かった。この分野について全くの素人なので、とても興味深く読んだ。筆者は他にも、地域再生の書籍を出版している模様。新書の方が良い読者にとっては、そちらもオススメになるのかもしれない。 -
【種族寿命が短いなら麻薬もあり】
これは地方に限った話ではありません。役所が絡む仕事には本質的に競争原理が生まれません。
役所には利益を生まないことを手掛けてもらい、利益を生み出せるものは民間がすればいいです。役所の手を借りてまで、はじめから大きく手を広げる必要はありません。小さくはじめて徐々に大きくすればいいのです。
日本には100年も続く企業が多数あります。すごいことのように言われますが、果たしてそうなのでしょうか。
変化を自ら加速させている時代に100年も続いていることは逆に足枷になります。
過去の経験値が優位にならない時代で、長い歴史を持っていても優位性は高まることはありません。5年で大きく変化するぐらい変化速度が加速しています。5年より前の知識はすでに陳腐化して使えない知識になっています。つまり、5年選手と15年選手が経験値的には同じということになります。
今起きていること、あるいはこれから起きることが、過去の経験値を利用して判断することができない状態です。
何が起きるかは予測不能で、起きたことも長続きせず変化も激しいです。しかし、その変化を自ら創り出せば、何が起きるかを予測する必要はありません。自ら先頭に立って未来を創っているのですから。
でも。。。この状態ってすごく疲れませんか?常に先頭に立って未来を創っていくのです。こんな気の張り詰めた状況は、どんなにすごい人でも生涯続けることはできません。創業者は20年もすれば衰え、会社も衰退し廃業する。また、別の人間が別の会社を設立して20年以内には衰退する。これを繰り返しながら世の中全体としては成長してくことがよいことであると感じます。
時代から遅れをとっていることが少しでも感じたときは清く引退するべきです。
もう一つは世の中の動きには全く頓着せず、狭い範囲で自分の信念に基づいて自分の道を進むことです。 -
とても面白かった。
プロセスが重要で、結果ばかりの羅列には意味がない。をこの小説形式でプロセスというか、なぜそう言う考えに至ったのか。と言う部分が良く見えてわかりやすかった。
抽象的な理解はできても具体化には知恵や経験がどうしても必要になるためとても助かった。
税金はどのように使われるべきなのか。
先を見なくてもいい人のなすがまま進んでいる現在のために、凡人以下の身ながら何かやれる事はないかと考えるようになった。 -
事業経営による都市再生の実践やその後のノウハウ共有などで有名な木下斉による、地域再生をテーマにした小説。地方から出て東京で働く主人公が、シャッター街の広がる地元で事業を起こし町を再生させるストーリーを通して、地方で事業経営をする際の勘所や落とし穴を紹介している。これを読むことで、起業家精神の実践やその意義を学べるほか、具体的な事業の立ち上げ〜拡大〜承継までざっくりとではあるがイメージがつくようになる。
「起業家精神」ってここだなあと思わされる、本書の重要なメッセージは以下の通り。
◆補助金は貰わずに自分の金で事業を進めること
・短期的には補助金の予算がつけば楽だが、長期的には経営が緩んで補助金依存になったり、市政次第で打ち切りになり不安定だったり、自社は儲かってもその事業自体が収益性がなければ地元は潤わなかったりするため、なるべく避ける
◆本業を大切にすること
・有名になるとヒアリングが山ほどくるが、有料にしたり、時間を決めたりして本業のための時間を確保する
◆事業は尖らせること
・東京にあるなら東京でいいし、量販品なら量販店でいいので、地元にしかなくてそこまでお客さんが来てくれる、尖った魅力的なサービスを用意すること
◆先回りして営業すること
・いきなり大きなことを立ち上げる前に、やろうとしている事業の潜在的顧客を先に掴んでおくこと。例えば、テナント貸を始める前に、路上マーケットを初めてテナント候補を見つけ、そのテナント候補が収益化できそうかを見極めてから、事業を開始するのか良い
◆魅力的な人とやること
・いい人が集まり、人を動かすためには魅力的なメンバーが必須 -
様々な事例も含めて、小説的に書いてある著書だった。
結局何をするかも大切だけど、誰とやるかの方がもっと大切なのだ。
気づいたときにやってしまえば、本来数分で方がつく内容を屋さんを使うから、庭と数時間数日かけていた僕らが今までやってきたとは、正反対のやり方がそこにはあった
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今の地方創生が見える実地の小説仕立て。
理屈や補助金の実態が見えてくる。
時代の変化の兆しともいえ、良くなっていくといいなと感じる内容。
少しずつ悪くなったことは少しずつだけど決断は素早くやるしかないのだな。 -
地方の事例へアジアへというのは、すでに進んでいる。
前向きになれる。 -
小説スタイルなのでよく話ができてる感があるのは当然。
後半は役所批判が多くて人付き合いばかりでちょっとだらだら感じる。けれど、現場の人の思いはまさしくこれなんやろ。
事業を自分で起こすときの、失敗集、とみるとこの本はとても示唆的。
自分でもまだいけそう感が湧いてくる。