超恋愛論 (だいわ文庫) (だいわ文庫 D 44-3)

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479304005

感想・レビュー・書評

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  • 後半はもはや文学論。
    著者の世代においては先進的な考えだったのだと思う。今の自分からすると、あまり目新しい感覚はない。

  • 恋愛の本質や理想の結婚生活とその背後にある日本の社会的な特質について書かれている。また、文学が恋愛をどう書いているかについても考察しており、その最期に筆者は「いちばん重たい経験は簡単には書けない」としている。恋愛の形態は変わっても恋愛感情の核の部分はいつの時代でも変わらず、私たちが実際に経験する恋愛は、人生においても特別に重みのあるものなのだろうと思った。

  • 漱石先生の作品が書かれている、ということで知人から借りた本。

    漱石先生の作品と、明治という時代の男女の恋愛がどのような特殊性をもっていたか、の批評(とまでいかないけれども)は合点のいく内容であった。特に、漱石作品のなかで“三角関係”の恋愛模様が多いこと、その根底にあるものは、明治時代において西欧を目指しながらも西欧のような男女関係にはなれなかった当時の人間関係。つまり、「言えない」ことが男女の三角関係を更に複雑化させ、もうどうにもならないところまで追いつめられ三すくみの状況にまで陥ってしまう(その結果として、漱石の代表的作品『こころ』では、2人も自殺をしてしまう)。

    また漱石作品の同性同士の関係性、お互いの気持ちのあり方が非常に強く、親密であることも漱石の資質抜きにしても、当時の社会性を表しているとの言説も共感する。

    一部共感出来ない部分もあったが、漱石先生の作品をその時代背景と照らし合わせ洞察していることは興味深い。

  • 読みやすいんだが内容はもの凄く深くちょっと難しい。でも面白く読めた。

  • 恋愛について深く掘り下げた話。

  • 吉本隆明、読んだことないと思って読んでみた、恋愛論。めずらしい。内容は、夏目漱石や芥川龍之介の文学に含まれる日本社会の特殊性、後進性の話が中心かな。ネタとしては面白い。それにしても、吉本隆明って、東工大出身だったんだ。知らなかった。

  • 完全に読書の秋である。薄くて一気に読めるのがいい。
    なかなか色々参考になる。
    誰かが宗教と政治の繋がりに興味を持っていると言っていた気がするが、結婚制度について書かれている、宗教→法律→近代国家みたいな流れは、そんな気がすると思わされた。

  • 単純に、恋愛の話もしているが、あとの方にいくにつれて文学と絡めても書いてある。
    結論、吉本隆明を読むにはまだまだ遠すぎる。日本を、歴史や文学から見るほどの知識がない。
    その中で自分でもわかる話として、恋愛は、遺伝子同士が惹かれ合うこと、という主張には吉本さん特有の大きさを感じました。
    追いつきたいなあ。でも吉本隆明さんや勢古浩爾さんには、まだまだ程遠い。

著者プロフィール

1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。著書多数。2012年3月16日逝去。

「2023年 『吉本隆明全集33 1999-2001』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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