- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784479393825
感想・レビュー・書評
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貧困、出産、育児などの社会課題を自らの経験から解決策を生み出し、自治体レベルで取り組んでいる人たちとのインタビュー対談。多くは成果まではまだいっていない段階の活動だけれども、いろいろなきっかけを知るのは面白い。
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【今後取り組むこと】
・民俗学、地元学を学び、そこからOGやCOのヒントを得る
・民主主義が言葉だけで終わらないように、自分ができるCOGを探し、実行する
・情報、統計リテラシーについての本を読む
・公務員に就職するとしたら、どんな行政を目指したいのかを言語化する
【本の趣旨】
字面だけで民主主義を唱えていないか?民主主義という名詞を動詞にした「チャレンジオープンガバナンス」。
COGとは、市民と行政が共同で地域の課題解決に取り組むことである。
民主主義とは、COGのような活動をすることではないか。今は自治体レベルで活発になってきている、国政レベルまで
【活動で大事なこと】
・批判は遠回り。行政との立場の違いを認識し、褒めるべきところは褒め、求めるべきこと は求めるべきことである。
・強力なリーダーシップよりも多様なメンバーが多様なまま、自然に協力していけるような 小間使いのリーダー
【一番おもしろかった第四章より】
●講=行事、会合
・民主主義のアイディアは日本古来の伝統的な言葉の中にもある
「一揆」協力し合って行動を共にする
「社中」人々の対等な結びつき
「円座」
・地域社会でア女性の役割が大きく、発言力が大きかった。近代化によって崩された
【その他気になったこと】
・民主主義サミット
・SDGsと民主主義
民主主義の新たな共通基盤になる
SDGSというものさしによって、多くの人と問題意識を共有することができ、企業とも 行政とも連携しやすい。住民同士の議論でも
・オオカミの護符と、うつし世の静寂に
・地元学
・民俗文化映像研究所の姫田忠義
・オードリー・タンのv台湾 -
民主主義って本の最後の方にも書かれてたけど言葉からの先入観があって、選挙のことをイメージするし、動詞的ではなく名詞的で、なんとなく主義というものに他人事感があったけど、この本読んでくうちに いやいやこれ自分のことやん、それこそ最近職場で感じたモヤモヤのことやん、、て腑に落ちまくりで内臓突き破られました。
あと、「はじめに」からこんなにハッ!とした書物はないかもしれない。
"自分達の社会問題を、自分達の力で解決していくのが民主主義です。いわゆる「政府」や「役所」も、そのための手段に過ぎません。私たちは今こそ、民主主義を自分たちのものにする必要があります。"
インタビューとか対談形式の本は苦手やったけど、この本はもう読んでてこの対話自体が民主主義のひとつなのでは?と体感したし、宇野さんの解釈や まとめが分かりやすすぎて、スルスル読めた。人の考え聞いて自分の考えがひらめく、その連鎖的な会話をしてる時の、前のめりな感覚に読んでてなった。
SDGsや、(言いたいだけやんと思ってしまう)DXのちょっと難しそうな話を、具体的な課題解決事例が紹介されてるので今まで読んだどの説明よりもわかりやすかった。
あと、住んでる地域のこと、子育てのこと、女性視点のことなど身近な課題についても解決法やその継続の難しさ、工夫点まで紹介されてた。
役所との話し合いの苦労点とか、全員が同じ視点を持って話す工夫とか、今働いてる職場にも落とし込める話がいっぱい。
知識的書物じゃなく、なんかもう体験的書物という感じ、とにかくまず考えることが本当に大切、「人間は考える葦」とパスカルさん言いましたがほんまにそうです考え続けます、変えたいと思ったらまず動きます という決意表明で終わる感想。 -
宇野重樹さんとCOG(チャレンジオープンガバナンス)の参加者の対談集。
タイトルで惹かれて購入。
ついキャリアとしての目線で見てしまいがちだが、そういうのは一切忘れて考えを巡らすと、社会や地域に対する貢献欲が生まれたり、ここに、出ている皆さんの取り組みを素直にすごいと感じたり、自分でもできるのかなやりたいかなと考えられたり、できる。
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「民主主義」という言葉には手垢がついてしまっていますからね。何かよい言葉はないものでしょうか。自分たちでこの町をよくしていくんだ、そのために自分もなにがしかの貢献をするんだ。それが自分のウェルビーイングにもつながるんだ、という意識を積み上げていくようなデモクラシーが、今必要な気がしますね。 -
1章 ボランティアから始めた人
2章 データで社会を変える人たち
3章 自治体と一緒に始めた人たち
4章 温故知新で地元をアップデートする人たち
5章 目の前の一人を幸せにして社会を変える人
6章 女性の視点から社会を変えていく人たち
座談会 これからの民主主義を考える -
市民と行政が協働して地域の課題解決を取り組む事を通じて日本に民主主義的な政治参加の文化を定着させたいという思いがよく伝わってくる。社会に貢献したいという素朴な気持ちから発展した6つのケースを考察する。
結果として自分で始めた人達のほとんどが女性だったというのはなかなか示唆に富む。データすなわち権力という妄想がデータ共有を阻むという話も面白かった。一方で日本人の統計リテラシーの低さが、データを捻じ曲げた解釈をのさばらせることにもなっているのではないかとも思うが、それを理由にオープンガバナンスを進めないのは本末転倒。 -
S図書館
対話式が苦手なので流し読み
COG=チャレンジオープンガバナンス
という企画を通じて、知り合った人達との対話を集めた本
フードドネーション、保育園と元保育士のマッチング、 子育てにやさしいまち作り、里親制度等の内容
自治体と市民が共に抱える地域の課題を解決していくことを目指すもの
分かりやすかったのがフードドネーションで発案者は沖縄の平敷(へしき)さん
フードドネーションとは、アメリカで始まった食品寄付活動のこと
ボランティアのきっかけは、留学先のアメリカで慈善活動が当たり前に行われていたことと、平敷さんの親御さんも、インドの貧困地帯の子供のフォスターペアレントになって毎月寄付をしていたこと
当時高校生だったが、計画から企画書を作って人集めをした
高校卒業後も、地元高校生が引き継いでやっている
ちょうどコロナ禍で大変だったが、企業を説得するにあたって「 命に関わる活動を自粛するのはおかしい、今こそフードドネーションが必要なのではないか」と話すと理解してくれたそうだ
行動力は素晴らしいし、親御さんが日常的に寄付行為をやってるから当たり前に思うんだよな
いい子が育った!
国谷裕子さんがNPO代表や町の話を紹介
47SDGsという新しい物差しができたことで、多くの人と問題意識を共有することができた
企業とも行政とも話がしやすくなった、連携しやすくなったというのです
48北海道の町では、行政任せにすべきではない、 自分達にも責任があるんだと気がつき、行動につながっていったとおっしゃっていました
共通の目標、共通の価値観を提示するSDGsがあることで、住民一人ひとりが参加できる新しい民主主義、新しい公共への考え方が生まれうるのだと感じます
《上記部分の感想》
「人新世の資本論」の斎藤氏は、
「SDGsはアリバイ作りのようなもの、現代版大衆のアヘンである」と言っていた
SDGsはアリバイ作りかもしれない
しかし国連が発信したことで、世界、日本、引いては零細企業や小さい地方でも共通の認識となったことはまちがいない
SDGsは問題提起の解決の一歩として機能していってほしいし、民間側にとってよい風向きになると思う
小さいことからでも何かできそうだ