叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本

著者 :
  • 大和書房
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479782377

感想・レビュー・書評

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  • 『子育てプリンシパル』が行動分析学による軽い育児エッセイであるのに対して、この本は行動分析学による育児マニュアルだ。
    (例)
    ・片付けを教えるには10個片付けるとしたら親が7個片付けて、子供に3個片付けさせる。そして子供を大げさなぐらい褒める。
    ・約束を破ったことを叱るより、約束を守ったことを大げさに褒める
    ・「できて当たり前」と考えずに、徹底的に褒めて強化する
    ・子供の執拗な性器いじりは、性器をいじった後に必ず手を洗わせるなど「面倒な行動(嫌子)」を与える
    ・電車で騒ぐ子供だったら、騒いだら即座に電車から降りる。
     電車で騒いだら必ず降ろされると学習させる
    ・性格や遺伝のせいにせずに、具体的な行動を特定して対処する
    ・どんな子供に育ってほしいか、具体的行動として言えるようにする 
     (△やさしい子、◯電車で席を譲れる子、◯弟の面倒を見られる子 など)

  • 行動分析学の先生の子育て本。
    かなり実践的で、効果ありそう!と思った。
    建前だけの育児書よりは役立ちそう。

  • 筆者は「応用行動分析学」が専門で多数メディアに出演している。「子育てブラックジャック」と言われたことも。

    そんな、子育てのプロが届ける、「親が叱らない」ための子育て本。「叱らない」と言っても甘やかすわけではなく、むしろ厳しい事も沢山書かれている。

    本書では、専門的な言葉を使わずに、実例を交えながら書いてあるので、行動分析を全く知らない人でも、非常にわかりやすい。むしろ、僕は更に行動分析学を学びたくなった。それほど行動分析に魅力を感じた。

    本書は、子育中のママパパ皆に読んでもらいたい本。僕にとっても、今後何度も読み返したい本。正直、気になった内容があまりに沢山ありすぎるので、特別気になった内容を抜粋。


    ◼️ やってほしい行動の直後に「子どもにとっていいこと」を伴わせ、 やってほしくない行動の直後に「子どもにとって嫌なこと」 「面倒なこと」を伴わせていけばいい
    →良い事とは褒める事やご褒美。ご褒美もどんどんものを使って良い。
    嫌なことは、子どもの基本的な人権を保ちながら、特権を喪失させる体験がいい。伝えるだけでは無く、ちゃんと行動で示す。親として一貫性を保つ事が大事。これは、"アメとムチ"では無く、"アメとアメ無し"の考え方。


    ◼️約束事で教えようとすると、「褒め」からどんどん遠ざかってしまいます。そこが約束事をもうけることの落とし穴。
    →たしかに。約束事を決めるときは本当に守ってほしいことを、親と子どもで厳選することが大事。
    最小限にしておく事で、子どものプラスアルファの気持ちや行動を引き出すことにも繋がる。決して約束事で子どもをがんじがらめに縛らないこと。


    ◼️子どものよくない行動を「性格のせい」「遺伝のせい」と考えると、「もうどうしようもない……」と絶望的になります。しかし、「行動の特徴」と考えることで、とたんに運命論から解放されます。可能性ばかりが広がります。
    →この考え方は、アドラー心理学の目的論に似ている。子どもの行動を決して性格のせいにしない!行動の特徴と考えて、親から、改善策をどんどん出していく!子どもの未来を照らす考え方で、僕は大好きだ。

    ◼️ リアルな体験(獲得したり、失ったり)を積んでいくことが、親子の育ちのために最良のトレーニングになるのです。言葉で「やっていいこと、いけないこと」を伝えるだけの子育ては、ていねいなように見えても「手抜き子育て」で、虚しいもの。
    →伝えるだけでは甘い。行動で示していないので。厳しい事が書いてあるが、親から行動でちゃんと示す。一貫性をもって行動で示す事で、子どもに伝わる。子どもの将来に役立つ。

    ◼️ 大人には、子どもの「特権」を奪う権利があります。「特権」は、「守られるべき子どもの権利」とは別のものです。
    →この章で、子どもの権利を守りながら、どういう"アメ無し"の対応をすれば良いかがわかった。
    例えば、子どもの食事は基本的権利。一方で、デザートは特権。なので、食事抜きでは無く、デザート抜きにする、など。

    如何でしたでしょうか。
    是非、読んでもらえると嬉しいです。

  • 飴と飴なし。脅しではなく本当に実行する、親も約束を守る。結局のところ、親もリスクをとります。本当に旅行に行けなくなるかもしれないのだから。予約していたレストランを何も食べずに出なければいけないのだから。子育てって親もある程度の覚悟を持って腹をくくらなければいけないのですね。

  • 褒めるときはただ褒めるのではなく、子どもが喜ぶ顔をするまで。
    約束を破ったらガツンとレッドカード。
    子どもの意のままにならない体験も大事。
    アメとムチではなく、アメとアメ無し。
    どれも納得でした。
    特に最後の子どもが学校に行かないと言ったら。
    が具体的で良かったです。

  • 具体的なTo doが記載されているからかなり役立つ◎

  • 読みやすいです。
    褒めたり、叱ったり、
    親として、長ーい目でみたビジョンを持たねばっと
    反省させられました。

  • 「ほめることが大事」というのはどの育児書でもよく言われますが、「効果的なほめ方」についてちゃんと言及してくれているのに出会ったのは初めてです。「ほめられた時に子どもがうれしそうにしているか」を確認することを意外とやってなかったんですよね。

    で、この本の1章を読み終えた直後、お片付けをした次男を思いっきりほめてあげ、嬉しそうにしたのを確認。以後、時々ではありますが少しずつ自分から片づけをするようになってきました。

    そのほか、「学校に行きたくない」と言った子どもの対処や「物で釣るという方法を使う場合のいいやり方と悪いやり方」など、参考にしたいことがたくさん。図書館に返却前にEvernoteに重要なことをまとめておこうと思います。

  • ペアレントトレーニングの実践版かなと思われる内容で、すごく参考ななった。
    小学校入学後にも、また読み返したいと思った。

  • いつも子どもを怒った後に自己嫌悪。

    そりゃ~叱りゼロで、自分からやる子になってくれたら
    どんなにいいか!!
    と、タイトルに魅かれて読んでみました。

    内容は簡潔に言うと
    子どもの良い点を褒めること!

    性格ではなく、行動として見て
    なぜその行動をしてしまうのかを考える。

    この本では
    アメとムチではなく、アメとアメなしという育児法が
    分かりやすい例で書かれていて
    今までで一番納得できました。

    今まで同じように書かれている
    コーチング本や育児本を読んで
    分かったつもりになっていても、
    実践できていませんでした。

    子どもに何回注意しても、
    何回説明しても変わらなかったのは
    子どものせいではなく、
    私が変わらず成長できなかったから。

    今から子どもにも自分にもよい育児に変えよう!
    と強く意識が変わりました。
    少し実践しただけで効果もてきめんでした。

    「自分からやる子に育てる本」というタイトルですが、
    むしろ子育てをする保護者を指導して成長させる本だと思います。

著者プロフィール

兵庫県出身。わが国において家庭出張型セラピー『自閉症児のための家庭中心型指導(home-based intervention)』を開始した草分け的存在である。行動上のあらゆる問題を解決に導くアイデアと技術、有効性が国内外の関係者から絶賛され、テレビやラジオなどでしばしば取り上げられている。1999年、内山記念賞(日本行動療法学会)を受賞。2003年、日本教育実践学会研究奨励賞受賞。専門行動療法士、臨床心理士。桜花学園大学人文学部准教授などを経て、現在、同大学院客員教授。2008年、第4回日本行動分析学会学会賞(論文賞)を受賞し、わが国初の行動心理学系の2つの学会でのダブル受賞者となった。2018年、日本初の行動分析学を用いたインクルーシブ幼稚園を長野県で開園した。

「2021年 『いじめ防止の3R』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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