こころ (ちくま文庫 な 1-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 340
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480020154

作品紹介・あらすじ

「私」は、ある夏の日、海辺ではじめて「先生」に出合う。足繁く「先生」の家を訪れるようになった「私」には、「先生」の、すべてを諦らめたような生き方を解き明かしたいという気持が次第に強くなる…。友を死に追いやった「罪の意識」によって、ついには人間不信に至る近代知識人の心の暗部を描いた傑作。若い読者の理解を助けるため読みやすい活字で詳細な語注を付した。

感想・レビュー・書評

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  • この小説の一部が教科書に収められていることについて賛否があるかもしれないし、今後文学が高校の授業の中でどれだけ取り扱われるかわからないところもある。

    でも、ひさびさに最初から通して読んでみて、
    やっぱり下の部分の引き込まれ方はすごいし一つ一つの言葉が先生が命をかけて書いたものである気がする。この血を浴びろと胸を裂くみたいな。

    だから、ここを踏まえて、ここを入り口に頭から読むというのは私は全然アリだと思う。
    知った上で読むと、「よそよそしい頭文字など使う気にならない」という冒頭も、よりグッとくるのだ。

    小森陽一の解説が興味深い。

  • かなり面倒くさい思考になってしまっていた先生と、どこか先生に惹かれていく私。
    今はこじらせるなんて、簡単な言葉で言い表されるけれど、先生自身もわかっていてそういう態度をとっているよう。
    先生が筆者夏目漱石とかぶる部分もある。

  • 『衝撃』『苦しい』でもまた読みたい作品です。

  • 「本当の愛は宗教心とそう違ったものでないという事を固く信じているのです。」

    「私はただ人間の罪というものを深く感じたのです。・・・。私は仕方がないから、死んだ気で生きて行こうと決心しました。」

    先生の奥さんに対する深い愛が,この作品の救いな気がする。
    それが波瀾も曲折もない単調な生活を続けてきた先生の内面であった苦しい戦争をうんだとしても。

  • 高校の現代文の授業で読んで以来の再読。
    誰がいいとか、誰が悪いとかはないけど先生はずるいなって思った。
    前半部分の「私」が結構厚かましくて、先生はよくこんな人の相手してたなと思った。

  • 名著。

    嫉妬心。恋。
    人を狂わせるというかもやもやさせるというか何かひっかかる部分は上記なのかなと思ったり。

    教科書にも載っていたり、テストに出たりのこころですが、やっぱり全て読んでほしい作品。

  • もっと気楽に生きろよ。

  • 初めて読んだときの衝動

  • 高校の国語の教科書で出会って以来、おそらく8回くらい買い直しています。何度でも読みたくなります。「向上心のないやつはバカだ」という言葉は年を重ねれば重ねるほどにぐいぐい私のハートを貫いてきます。あらすじがわかっていても、なお、読みたくなるってのがホントの名著なんだと思うんです。私がはじめて出会った名著がこの「こころ」でした。

  • 後期三部作のラスト。 かなり昔に読んだこの作品は、あらすじは把握していたが、恐らく読後の印象は前と変わらないと思う。
    夏目漱石は、わりと衝撃的な事件を織り込む作家で、同じ時代の他の作家とは違うんだなと改めて思った。こころ、然り、虞美人草、然り。淡々と物語を進行していく中で突発的に事件勃発するあたりなんかは、あの時代の作家に見られない作風じゃないかなと。
    やっぱり近代文学の巨匠なんだろうな。

    先生の告白は、時を経て読んでも、苦しくて、悲しくて、切ない。Kのこころも、先生のこころも、ただひたすら切なくて、歳をとった現在の自分のこころを容赦無く揺さぶる。 また読もうと思った。
    何度も読みたい、稀有な作家だ。

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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