のんのんばあとオレ (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480024442

感想・レビュー・書評

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  • 解説:井村君江

  • 2018.09.12

  • 懐かしく静かな気持ちになる。
    とても人間らしさがあるからだと思う。
    驚きの感情とともに、自由に、学びのある少年時代を過ごした水木サンには、のんのんばあがいた。このルーツは、後の水木サンに大きな影響を与えた。

    やっぱり、子どもの頃は、途方にくれるほど、ただの人間活動をすることに徹して間違いないと思う。習い事も勉強も、後で良い。

    恐ろしいほど無駄な時間と不便と自然に囲まれ、かけがえがのない時間を過ごした。
    隔たれた片田舎での孤独感は容赦なく、寂しくなかったと言えば嘘になる時間でもある訳やけど、子どもの頃に、その閉塞された場所で養われた考えた方や物の見方や体やココロは、かけがえの無い実体験とともに根っこの所で息づいており、確実に今の私を支えてるんやなぁって、この本を通して再確認出来た。この再確認が出来て読んで良かった。

  • 天才。おもしろすぎる文体。声を出して笑う箇所がいくつかあった。

  • 水木しげるのいきいきした少年時代をつづった本。
    学校の成績はよくないが、趣味で忙しいというくらい豊な子ども時代を送っていたようだ。
    そのなかでも、妖怪の世界へ導いてくれたのんのんばあとの話は、どれもとてもよい。

  • 懐かしい。そして、人は一冊の本の内容をここまで覚えているのだなーと感動した。初めてこの本に出会ったのは小学校4、5年の頃に松嶺の公民館の図書館。
    たった50年ぐらい前の同じ国の話なのに、全然違う話で、ずいぶん衝撃を受けた覚えがある。特に、弁当にハエがたかっている話や、便所に筆箱をおとしてしまう話、ガキ大将の話はものすごく記憶にある。
    当時、NHKでドラマもやっていたなー。初めて読んだ水木先生の本でもあり、この本を手に取らなかったら、ここまで妖怪にはまり込んでいなかったかもしれない。
    そういった意味では、人生を変えた一冊。

  • 登録番号:10999 分類番号:726.101ミ
    読み語り資料

  • 2014 6/5読了。池袋のジュンク堂書店で購入。
    山陰旅行に、行く前に買って、帰ってきてからあらためて読み返した本。
    小学生の頃に一度読んでいた・・・あるいは、ところどころのエピソードが水木しげるの漫画単行本に挟まれていた?・・・ようで、部分的にはかなり覚えている。
    一番原初の『のんのんばあ』体験はNHKのドラマで、それ以来ずっと懐かしく覚えていたのに全編通しでちゃんと読んだのははじめてだったかもしれない。
    ドラマもDVDとか出てるなら買っちゃうかなあ・・・あと水木しげる作品全般に買い直すかな。

  • 点描の挿し絵が素晴らしい!読んだ後、ぱらぱらと挿し絵だけを何度も見直してしまった一冊。
    幼少期の貴重な体験が成長していく過程でとても重要なのだと改めて思った。
    水木少年とのんのんばあとのエピソードが面白い。読んでいたら幼少期特有のあれはなんだろう?今のってどういうこと?っていう疑問や恐怖を思い出して、昔住んでいたおばあちゃん家での出来事が懐かしくなった。

  • 戦前から戦後、水木しげるの幼少期から漫画家になるまでの自伝。
    ものもなく、貧しい時代、しかしたくましいまでの妄想力によって、現代よりも心豊かに過ごしてきた著者の原点が伺えました。
    現代はものや情報であふれ過ぎ、ネットで調べればすぐ答えがわかる、イマジネーションが不要な時代。
    しかし、イマジネーションは創造して切り拓く、生きる活力なのだと強く感じました。
    文章による描写がうまく、人間味あふれる当時の生活を肌で感じるように思い描けました。
    今の社会には臭く濃いものかもしれませんが、私には羨ましく、むしろ現代が希薄にすら感じました。
    楽しんで読んだ割に、最後には得るものが大きかったと思える本でした。

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著者プロフィール

1922年(大正11年)生まれ、鳥取県境港市で育つ。太平洋戦争時、ラバウル戦線で左腕を失う。復員後、紙芝居画家を経て貸本漫画を描き始め、1957年『ロケットマン』でデビュー。以後、戦記もの、妖怪ものなど数多くの作品を発表。1965年『テレビくん』で第6回講談社児童漫画賞を受賞。1989年『昭和史』で第13回講談社漫画賞を受賞。1991年紫綬褒章受章、2003年旭日小綬章受章。主な作品に『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』『総員玉砕せよ!』『のんのんばあとオレ』など。2015年11月死去。

「2022年 『水木しげるの大人の塗り絵 あの世紀行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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