くまぐす外伝 (ちくま文庫 ひ 2-2)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480025395

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  • 2016.4.16市立図書館
    博覧強記の南方熊楠。本人は宮武外骨らと並べての「奇人」扱いは心外だったふうだけれど、読めば読むほどやはり尋常ではない。その研究に向けるエネルギーや多言語多領域への好奇心には圧倒される。孫文との親交などの武勇伝にもおどろかされた。それと、昭和天皇の研究者(生物オタク)ぶりもなかなかのものだったと察せられ、熊楠自身だけでなく彼の周りの時代の雰囲気も堪能できた。
    巻末に収録された「履歴書(資金集めを頼むための文語書簡の口語訳)」が圧巻だった。人並み外れた多弁さが前に出てしまっているが、研究一筋の志というのも見え隠れしている。

  • 意外と日本では知られていない南方熊楠。
    大学を中退し、イギリスにりゅうがくしつつも学歴はない。
    でも、ひたすら勉強し続け、何百もの論文を書き、
    ネイチャーに投降した数も50以上。
    昔と比べ、今は学問も高度になったので、新たな発見をすることは困難とはいえ、尋常ではないこの研究量。
    しかも後年は論文を書くい時間も惜しいといい、雑誌に投稿もせず、ひたすら調査、研究の日々。
    研究分野も粘菌から民俗学まで多岐にわたる。

    南方熊楠が特にこれといった仕事をせず。一生にわたって勉強のみをしてこれたのは、裕福だった親、弟、それから助けてくれる友人たちがいたおかげ。
    現代の人間関係の希薄になった日本では、いったいこのような生活がででるのだろうか。
    東北自身の時「絆」という言葉が流行語になったけど、このような人間関係を築けることはまれだと思う。
    減殺の若者、学生も人間関係が希薄になり、新し精神病が問題になっている。。

    最近私は江戸後期から明治初期にあたる日本の高度経済成長期に活躍した人たちの話がとても魅力的に感じられる。

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著者プロフィール

平野威馬雄(ひらの・いまお)
1900年、北カリフォルニアジャパン・ソサエティ(Japan Society of Northern California)初代会長のヘンリー・パイク・ブイと日本人の母との間に生まれる。東京都出身、上智大学卒業。仏文学者、詩人。ルーツによって差別を受けた自身の経験から第二次世界大戦後に「レミの会」を結成、「混血児救済」の活動に献身する。著書に『青火事』『くまぐす外伝』『平賀源内の生涯』、訳書に『ファーブルの昆虫記』『モーパッサン戯曲集』ほか多数。本作『レミは生きている』は第6回産経児童出版文化賞を受賞。料理愛好家・シャンソン歌手の平野レミは長女。1986年没。

「2022年 『新版 レミは生きている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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