大貧帳―内田百けん集成〈5〉 ちくま文庫 (ちくま文庫 う 12-6)
- 筑摩書房 (2003年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480037657
感想・レビュー・書評
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深刻なはずなのに、笑える。
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驚きアッパレ貧乏話。まさか深夜特急の金話を超えるような話を読めようとは。
基本的に苦笑ばかりだけど、後半の漱石先生の書を質に入れる話は、うっかりかなり泣いた。
あと、森田草平大人がわかりません。
あと、
あと、 -
なんといってもタイトルがよい。こんなタイトル、ほかの誰にも思いつけない。
現実がどうにも鬱陶しくなった時、無性に読みたくなる1冊。 -
お金が本当になく、切羽詰まっている状態であることは間違いない。なのに、その様子を淡々と書き、文句さえこぼす。悲壮感は全くない。おそらくお金よりない。それが読むものに笑いを与えている。
解説で宮沢章夫が言っているように、何を言っているのだこの人は、と思うような独自の考え、お金に対する哲学もまた面白く、そんなこと考えている間に働けとツッコミを入れたくなる。しかし、その哲学にまた妙な納得感もある。
どこまでもお金に対して考えている。そこに絡む人々をよく観察している。だからこの文章は出来上がるのだ。面白いのだ。 -
09077
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あらためて読むとものすごい多重債務ぶり(^^;
重い話のはずなのに不思議と面白みがある。
お小遣いをあっという間に使ってしまうタイプの子どものように、
語り口があっけらかんとしているからでしょうか。
でも、旧い友達と縁が切れてしまう話や
借金取りの人が結局貧乏してしまう話は
読んでいて切なくなった。
世の中には二通りの人しかいない、
お金が足りない人と余っている人だ、というところや
結局お金は観念にすぎないと書いているところは
するどいような煙にまかれているような妙な味わい。
巻末の「のんびりした話」を先に読んだので
帽子をもらうくだりがすごく笑えた。
こんな見舞いいらんわwwww
(09.10.28)
10月20日
勇気と預金通帳を雑巾絞りして
amazonで内田百けん集成5~24をまとめて購入。
10月22日到着 -
ブックフェアで購入(7掛!)
2008/07/12-
こんなふうに生きてみたいが、私はきっとるきさんのようにお金が好きだから離れたくないのネ。 -
読み始めたら止まらなくなった百?先生。
古本屋で見つけて嬉々として購入しました。
以前読んだ百鬼園随筆録などにも借金や債権の取立ての話などは出てきていてまあ相当借金なさったんだなあ、とは思っていたのですが。いや、すごい。それにしても何でこんなに借金が膨れ上がってしまったのか。なんと言うのか…多分百?先生、お金の使い方がいつまでたってもお小遣いをもらった日に全額面使いきってしまう子供のようだったのか知ら、(百?先生風な書き方)とか思ってはらはらしました。
面白くかいてるようですがやはり切ない描写は多いですね。息子さんを亡くしたことや、漱石先生の書を売ったこととか。やはり辛かったのだろうなあ、と思うのです。
巻末に森田草平氏ののんびりした話、が入っていたのでとても嬉しかったです。なるほど、これに対する応報として続、は書かれたのか…なるほどなるほど。 -
冥土や阿呆列車に比べるとだが。
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借金の話ばかりでは、さすがにどうも飽きた。