バタイユ入門 (ちくま新書 81)

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  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480056818

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  • 私は感性的体験によって生きているのであって、論理的釈明によって生きているのではない。
    心の空間は超自我―自我―エス
    自我は上からも超自我の攻撃に悩まされている。超自我は過剰な道徳性、非現実的な観念(=理想)の化身であって、自我に苛酷な裁きと命令を加える。自我はエスの侵入を少しでも許すと、超自我から厳しい抑圧
    人間の生の真の目的が非生産的な消費(
    フロイトがエスと名付けた各個人のなかの非個人的なもの、この人間の根底に巣くう非人称の恐ろしげな力がアウシュヴィッツを引き起こしたのである。
    蕩尽という無益な、そして危険でさえある消費を否定している。肯定されているのは、いずれの社会においても、生産と蓄積だ。
    カフカの父親は、「全面的に生産活動に専念する」人間であったので
    資本主義と共産主義は同一の「行動」のイデオロギーの二つの表情でしかない。
    行動」とは、ある未来の目標(社会の改革でも名誉の獲得でも給与を得ることでもかまわない)を達成するための理性的行為であり、大人はさまざまな形でこれに専念している。子供は未来のことなど考えずその時々の気分で好き勝手に遊んでいる。

  • ニーチェの解説に致命的な誤読が…。「力への意思」における「力」は、著者のいうような単純な権力や政治的支配力のことではありません。よってこの解釈を元にバタイユと比較している部分はまるごと間違っている、ということになります。ちょっと見過ごすことはできないですね。
    それ以外部分はわかりやすく、無駄なく、入門にふさわしい体裁を整えてあると思います。ただ、読者がニーチェを読んでいない場合、大変な誤解をしてしまう危険があるので人に勧めることはしないかな。

著者プロフィール

法政大学教授

「2020年 『ロマネスクとは何か 石とぶどうの精神史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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