- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480061737
作品紹介・あらすじ
近代国家日本は、いつ何のために、創られたのか。「新しい歴史教科書をつくる会」、自衛隊の海外派兵、テポドンや国際テロの脅威…。否応もなくナショナリズムを自覚せざるをえない時代状況の中にある我々が、もっとも根源的なところから問題を捉えなおすために、日本ナショナリズムの起源と諸相を十冊のテキストを手がかりとして網羅。「思想史」をいまここで使える道具箱へと変貌させる野心作。
感想・レビュー・書評
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近代以降に現れた「ナショナリズム」という概念を包括的に扱った新書。明治維新を通して日本は近代化が進んだが、その過程で、隠岐に住む島民のみで構成されるコミューンが一時的に樹立された。中央権力が不安定化すると、地方の力の影響が強まる流れは今後の日本を考えるうえで興味深い内容だと思った。また歴史小説家で有名な司馬遼太郎の思想とその影響の解説について、戦後の日本社会を理解するうえで良い手がかりとなることが今回わかった。
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近代・現代日本のナショナリズムに関する諸思想を案内している入門書です。
序章で著者は、マンガ家の小林よしのりの『新ゴーマニズム宣言special 戦争論』(幻冬舎)と、それが巻き起こした論争について触れています。そこには、小林が著者との対話を通して、彼が理想とするプロフェッショナルとしての自立という思想を担いきれない市井の人びとの存在に気づいたこと、そしてそのことが小林の『戦争論』執筆の動機となった経緯が紹介されています。
小林にとって「国家」とは、自分がその一員であると実感することで生きがいと安心を享受できる集団でした。そして、そのような「国家」とは、特定のイデオロギーなどではなく、ナショナリズム批判でさえもそれに根ざして展開されるほかないような、「思想というより本能とか生理とか習慣に近い」ものではないのかと、著者は述べています。
しかし、ナショナリズムがそうした皮膚感覚で捉えられるようなものだということは、それを意識化するためには政治的なアプローチよりも思想史的なアプローチこそが有効だということを示しています。こうした観点に立って著者は、戦前から戦後を通して庶民のあいだに浸透しているナショナリズムを、司馬遼太郎の歴史小説やマンガ、唱歌などの視点から解き明かしていきます。 -
ナショナリズムとは?
愛国心(パトリオット)、ファシズムとも混同されそうな、思想である。また、危険性も少し孕むような。現在の日本において、求められるものではなかろうか?本書ではまず、小林よしのり、を取り上げる。戦争論。国を愛する、国を考える上で、戦争は意識しなければならないことである。明治以降の事象が語られる。天皇、軍歌(友情として)、国土として、鉄道唱歌、民族・日本人論、左翼と革命、男気の「男一匹ガキ大将」、「坂の上の雲」⇒「沈黙の艦隊」と軍隊のことで締めくくる。
国を愛し、民族の誇りは、明解で痛快である。日本人に生まれて、日本で暮らし、良かったと思える。日本人を取り戻す、考えるための入門書として、良いと思った。 -
以下のリンク先にレビューらしきものを書いています。
http://sazanami9.hatenablog.com/entry/2012/12/09/112432 -
105 目白ブコフ
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読みやすい。
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戦前から戦中にかけてのナショナリズム(右翼思想)について知りたくて読んだのだが・・・。著者の執筆意図と読書の意図がずれていた。しかし、読み物としてはおもしろかった
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http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4480061738
── 浅羽 通明《ナショナリズム ~ 名著でたどる日本思想入門 200405‥ ちくま新書》200409‥
浅羽 通明 評論 1959‥‥ 神奈川 /早稲田大学非常勤講師/みえない大学本舗主宰
パブロフの犬たち ~ 脳内ナショナリズム ~
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20110610
おらが世 ~ 日の丸に心はためく人々 ~