割り箸はもったいない?: 食卓からみた森林問題 (ちくま新書 658)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480063649

感想・レビュー・書評

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  • ひとつの事柄は、ひとつの答えで片付けられるものって、

    本当にないのですね。

    私は、マイ箸派ですが、、、

    多方面から自分の行っていることの意味を考える意味で、

    必要な逆サイドの意見の本だと思いました。

    これ!!っと思っていても、一度立ち返って別の視点から見直して、、、

    そしてどうしたら一番関わり易く、反応があり、発信することが出来るのかを

    日々、更新しながら、流転しながら、芯をもった自分でありたいものです。

  • 「割り箸が森林を破壊する」という言説がまかり通る日本。その論拠は「使い捨てだから」だという。でも、本当に割り箸は環境破壊の元凶なのだろうか?森を守る割り箸の役割に光を当て、自称エコロジストの独善的な論理を検証する。最も身近な木材から、中国の森林問題やヨーロッパの木材生産、はたまた日本の森と林業の未来について考える。

  • この著者、相当『割り箸』に思い入れがあるようです。
    この本は割り箸の種類から製造工程、生産地、更に歴史にまで言及し
    ています。割り箸の雑学本としても読めるかもしれません。そういえ
    ばこれまで何気なく使っていた割り箸ですが、こんなに種類があると
    いうのは驚きました。代表的なもので8種類が紹介されています。

    内容的には同じような事が何度もくりかえされていて後半はいまひと
    つ、の感がありました。
    大きく自分なりに整理すると、
    1)森林破壊の槍玉に挙げられている割り箸は本当に悪者か?
    2)産業としての割り箸
    3)割り箸廃絶論の矛盾
    の三つの視点がメインのテーマのようです。

    僕自身は割り箸擁護論者でも廃絶論者でもありませんでしたが、同僚
    には割り箸を使わないといって『箸』を持ち歩いている人もいます。
    なんだかそういう行為に違和感を覚えてましたが、この本を読んで少
    しは自分の考えで自分の行動を選択する事ができるような気がしてま
    す。とはいえこの本、ちょっと説得力に欠けるというか…統計情報が
    不足していて、その点がちょっと弱いかな、と。

    ところで、この書籍のサブタイトルにもなっている
    「〜食卓から見た森林問題〜」
    ですが、結論から言えば割り箸は基本的には他の製品を作る過程で生
    じた端材(つまり余った部分ね)を使っているので割り箸をやめたか
    らといって森林を伐採するのは止められずむしろ、割り箸にできる部
    分を捨ててしまうという「ムダ」を助長することになる。更に何度も
    使える塗り箸は、家庭ならともかく飲食店では洗浄などの新たな労働
    (つまりはコストね)が加わるだけでなく殺菌消毒などで更に水や洗
    剤などの資源を浪費することになりかねない。その点割り箸は衛生的
    で、ゴミは増えるもののゴミの焼却には燃焼の一助となるという。
    結論として『割り箸は環境にやさしい』ということになるようです。
    加えて森を守るということはどういうことか、という点に関しても最
    後に触れられています。

    この結論は私の感じる限り矛盾もなく非常に受け入れやすいと思うの
    ですがいかがでしょうか?

    お急ぎの方は最終章でもある第6章『割り箸から読み解く環境問題』
    だけでもよろしいかと。

    前回の『なぜ環境問題はウソがまかり通るのか』と今回の『割り箸は
    もったいない?』の視点はかなり違いますが同じ事を言っている部分
    が非常に多いように見受けられます。

    一見正しそうに見える行為も、冷静に見てみると、まったく意味を成
    さないばかりかまったくその目的と逆行した結果を生み出している事
    が少なくないようです。

    目的とそれを実現するためのプロセス、そしてそれが生み出す効果を
    冷静に見極めなくてはならないと感じます。決して目先の事象にとら
    われることなく全体的に物事を捉えるのが大切ですね。

    こうしてみてみるとまことしやかに言われていることの実に怪しいこ
    との多いことか。やはりこの世は声の大きい人が勝つんでしょうかねぇ…

  • マイ箸はいいもんとばかり思ってたよ。
    でも、よくよく考えたらあたし割り箸大好きっ子だったわ。
    割り箸の使い方を考えましょ。

  • 本当に割り箸ってもったいないの??
    割り箸の使用は森林破壊ではありません。
    割り箸が自分達に届くまでをきちんと見ていくと本当の問題がわかります。

  • 環境問題を語るときに多く出てくる例として割り箸がある。本当に割り箸は環境負荷が高いのか、その疑問を追及していくところから始まっている。
    割り箸と塗り箸、それぞれの環境負荷についての記載も面白いが、何よりも箸というものに対して著者が徹底的に調べている点がとてもよい。

  • もったいない、とも、もったいなくない、とも断言できない問題なのですね。そのうち割り箸が無料が当たり前ではなくなるかも、とは思わせる。

  • かねがね、割り箸がもったいない、という環境問題通な感じの方々の話はおかしいと思っていた。端材を利用しているのにもったいないはないだろう。逆だろう。この本は割り箸という存在についてきちんと調べて書かれた稀有な存在だと言える。日本の割り箸の歴史、製造法、輸入割り箸の歴史、森林の世界的な現状、となかなか大げさな部分も含め面白い。まさに重箱のすみを突いての環境論議はいい加減やめてほしいものだが、この著者はそういうところにきっちり理屈でやめなさい、と言っている。なぜか環境問題はすみっこ突きが中心になる。要注意だといつも思う。
    この本は著者の割り箸に対する熱さが基本になっている。日本の割り箸業者よ頑張ってくれ、というエールが聞こえてくる。多分日本にはこういう仕事がたくさん埋もれつつあるんだろうなと思った。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。静岡大学農学部を卒業後、出版社、新聞社等を経て、フリーの森林ジャーナリストに。森と人の関係をテーマに執筆活動を続けている。主な著作に『虚構の森』『絶望の林業』『森は怪しいワンダーランド』(新泉社)、『獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち』 (イースト新書)、『森林異変』『森と日本人の1500年』(平凡社新書)、『樹木葬という選択』『鹿と日本人―野生との共生1000年の知恵』(築地書館)、『ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実』(ごきげんビジネス出版・電子書籍)など多数。ほかに監訳書『フィンランド 虚像の森』(新泉社)がある。

「2023年 『山林王』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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